北フランスで開催された石畳レース、GPドゥナンでオランダ王者マチュー・ファンデルポール(コレンドン・サーカス)が独走。メイン集団を振り切って今季ロードレース2勝目を挙げた。
マチュー・ファンデルポール(オランダ)らコレンドン・サーカス)のメンバー (c)CorVos
紹介を受ける別府史之(トレック・セガフレード)ら (c)CorVos
12のパヴェセクターが登場するGPドゥナン。パリ〜ルーベの前哨戦だ (c)CorVos
ミラノ〜サンレモの翌日に北フランスで開催されたGPドゥナン(正式名称グランプリドゥナン・ポート・ドゥ・エノー)は、パリ〜ルーベの前哨戦という意味合いを持つセミクラシックレース。
ルーベのやや南側で開催されるHCワンデーレースで、197.9kmのコース中には12の石畳セクター(うち2箇所はパリ〜ルーベ本戦にも登場)が取り込まれ、しかもタフなパヴェが多いなど難易度は決して低くない。昨年からミラノ〜サンレモ翌日開催となったことに伴い石畳レースに生まれ変わったが、昨年は大雪によって大部分の石畳がカットされたため、リニューアル後の本レースとしては初めての正式開催となった。
レースには3つのUCIワールドチーム(アージェードゥーゼル、グルパマFDJ、トレック・セガフレード)の他、フランスやベルギーなど石畳レースを得意とするプロコンチネンタルチームが集結。別府史之や、ノケレ・コールスの集団スプリント前に発生した落車から復活したマチュー・ファンデルポール(オランダ)率いるコレンドン・サーカスも顔を揃えた。
先行する15名。コレンドン・サーカスは2名を逃げに乗せた (c)CorVos
メイン集団内で走るマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)をステイン・デヴォルデル(ベルギー、コレンドン・サーカス)がアシスト (c)CorVos
レースは序盤から15名の逃げが生まれ、ワールドチームやルームポット・シャルル率いるメイン集団が徐々に差を詰める定石通りの展開で距離を消化。終盤50kmを切るとメイン集団からはアレックス・キルシュ(ルクセンブルク、トレック・セガフレード)が飛び出し、ここにロードのオランダ王者で、シクロクロスの世界王者であるファンデルポールが飛びついた。
二人はたやすく30秒先まで迫っていた先行グループに追いつくと、ここからアシスト2名を逃げに送り込んでいたコレンドン・サーカスのチームプレーが炸裂する。アシスト勢がメイン集団を追いつかせないように猛然とペースを上げ、約35km先のフィニッシュ地点を目指していった。
メイン集団は必死の追走で徐々に距離を詰めていったものの、アシストの働きで脚を休めたファンデルポールは、残り12.6kmのパヴェ区間で自らアタック。ミッケル・ライム(エストニア、イスラエルサイクリングアカデミー)とキルシュが追従したものの、続く残り8.3km地点のパヴェで独走に持ち込み、低いエアロポジションを維持したままフィニッシュまでの距離を減らしていった。
追従するメイン集団はファンデルポールから遅れたライムやキルシュを吸収していったものの、ハイペースで逃げ続けるオランダ王者には届かない。残り1kmのバナーを10秒リードで通過したファンデルポールが、シクロクロスシーズン終了後のロードレースで2勝目。3日前の擦過傷もまだ癒えきっていない若きオランダ王者が、"コンプリートレーサー"としての屈強さを見せつけた。
独走でフィニッシュするマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス) (c)CorVos
2位争いのスプリントではマルク・サロー(フランス、グルパマFDJ)が先着 (c)CorVos
チームメイトの働きを讃えるマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス) (c)CorVos
「信じられない働きを見せてくれたチームメイトに脱帽だ。彼らの働きぶりを誇りに思うし、勝利に繋げることができて嬉しい」。シクロクロスとロードレース、更にはMTBクロスカントリーのトリプルオランダ王者で、シクロクロスの世界王者、欧州王者であるファンデルポールは自身のInstagramにコメントする。
2013年のジュニアロード世界選手権でアルカンシエルを獲ったファンデルポールの次なるターゲットはヘント〜ウェヴェルヘム。ドワーズドア・フラーンデレンを走り、シーズン前半戦の最大目標であるロンド・ファン・フラーンデレンを目指す予定だ。過密スケジュールのためパリ〜ルーベは見送る予定だ。
また、この日2位争いの集団スプリントで先着したのはマルク・サロー(フランス、グルパマFDJ)。その中で落車した別府史之(トレック・セガフレード)は本日ベルギーで精密検査を受ける予定だ。
GPドゥナン2019表彰台 (c)CorVos



ミラノ〜サンレモの翌日に北フランスで開催されたGPドゥナン(正式名称グランプリドゥナン・ポート・ドゥ・エノー)は、パリ〜ルーベの前哨戦という意味合いを持つセミクラシックレース。
ルーベのやや南側で開催されるHCワンデーレースで、197.9kmのコース中には12の石畳セクター(うち2箇所はパリ〜ルーベ本戦にも登場)が取り込まれ、しかもタフなパヴェが多いなど難易度は決して低くない。昨年からミラノ〜サンレモ翌日開催となったことに伴い石畳レースに生まれ変わったが、昨年は大雪によって大部分の石畳がカットされたため、リニューアル後の本レースとしては初めての正式開催となった。
レースには3つのUCIワールドチーム(アージェードゥーゼル、グルパマFDJ、トレック・セガフレード)の他、フランスやベルギーなど石畳レースを得意とするプロコンチネンタルチームが集結。別府史之や、ノケレ・コールスの集団スプリント前に発生した落車から復活したマチュー・ファンデルポール(オランダ)率いるコレンドン・サーカスも顔を揃えた。


レースは序盤から15名の逃げが生まれ、ワールドチームやルームポット・シャルル率いるメイン集団が徐々に差を詰める定石通りの展開で距離を消化。終盤50kmを切るとメイン集団からはアレックス・キルシュ(ルクセンブルク、トレック・セガフレード)が飛び出し、ここにロードのオランダ王者で、シクロクロスの世界王者であるファンデルポールが飛びついた。
二人はたやすく30秒先まで迫っていた先行グループに追いつくと、ここからアシスト2名を逃げに送り込んでいたコレンドン・サーカスのチームプレーが炸裂する。アシスト勢がメイン集団を追いつかせないように猛然とペースを上げ、約35km先のフィニッシュ地点を目指していった。
メイン集団は必死の追走で徐々に距離を詰めていったものの、アシストの働きで脚を休めたファンデルポールは、残り12.6kmのパヴェ区間で自らアタック。ミッケル・ライム(エストニア、イスラエルサイクリングアカデミー)とキルシュが追従したものの、続く残り8.3km地点のパヴェで独走に持ち込み、低いエアロポジションを維持したままフィニッシュまでの距離を減らしていった。
追従するメイン集団はファンデルポールから遅れたライムやキルシュを吸収していったものの、ハイペースで逃げ続けるオランダ王者には届かない。残り1kmのバナーを10秒リードで通過したファンデルポールが、シクロクロスシーズン終了後のロードレースで2勝目。3日前の擦過傷もまだ癒えきっていない若きオランダ王者が、"コンプリートレーサー"としての屈強さを見せつけた。



「信じられない働きを見せてくれたチームメイトに脱帽だ。彼らの働きぶりを誇りに思うし、勝利に繋げることができて嬉しい」。シクロクロスとロードレース、更にはMTBクロスカントリーのトリプルオランダ王者で、シクロクロスの世界王者、欧州王者であるファンデルポールは自身のInstagramにコメントする。
2013年のジュニアロード世界選手権でアルカンシエルを獲ったファンデルポールの次なるターゲットはヘント〜ウェヴェルヘム。ドワーズドア・フラーンデレンを走り、シーズン前半戦の最大目標であるロンド・ファン・フラーンデレンを目指す予定だ。過密スケジュールのためパリ〜ルーベは見送る予定だ。
また、この日2位争いの集団スプリントで先着したのはマルク・サロー(フランス、グルパマFDJ)。その中で落車した別府史之(トレック・セガフレード)は本日ベルギーで精密検査を受ける予定だ。

GPドゥナン2019結果
1位 | マチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス) | 4h21'39" |
2位 | マルク・サロー(フランス、グルパマFDJ) | +03" |
3位 | ティモシー・デュポン(ベルギー、ワンティ・グループゴベール) | |
4位 | マッテオ・モスケッティ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
5位 | エミル・フェルミューレン(ベルギー、ナチュラフォーエバー・ルーベリールメトロポール) | |
6位 | ジュスタン・ジュル(フランス、ワロニー・ブリュッセル) | |
7位 | ピエール・バルビエ(フランス、ナチュラフォーエバー・ルーベリールメトロポール) | |
8位 | ブラム・ウェルテン(オランダ、アルケア・サムシック) | |
9位 | サミュエル・デュムラン(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール) | |
10位 | ロマン・カルディス(フランス、ディレクトエネルジー) |
text:So.Isobe
Photo:CorVos
Photo:CorVos
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