世界最大の自転車メーカーであるジャイアントからリリースされたグラベルロード「REVOLT ADVANCED 2」。カーボンへとフレーム素材をアップデートするとともに、D-FUSEテクノロジーを駆使したシートポストとハンドルバーを採用し、走行性能に磨きをかけた一台だ。グラベルを高速走行することを目的としたこのバイクを三上和志さんがインプレッション。



ジャイアント REVOLT ADVANCED 2ジャイアント REVOLT ADVANCED 2 (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp
日常生活から抜け出すアドベンチャーの楽しみ方として人気を示してきたグラベルというジャンル。その本場である北米では、未舗装路を堪能するツーリングだけではなく、速く、遠くへ走るレースイベントも根付いており、"グラベル"という1つのジャンルでも遊び方は広く、深く広がりつつある。

グラベルという広大な遊び方の中で大きな存在感を放つレースがダーティカンザ200である。最も長い距離を走るクラスは350マイル、最も多くの人数が走るクラスは200マイル(320km)というウルトラエンデュランス競技だ。その2018年大会、ジャイアントファクトリーオフロードチームがグラベルロードのプロトタイプを投入。ジョシュア・ベリーが200マイルのレースで見事2位を獲得した。

プロトタイプがダーティカンザで確認されてから数ヶ月後、ジャイアントはそのプロトタイプを正式リリースし詳細を明らかにした。そのプロトというのが今回インプレッションを行った「REVOLT ADVANCED(リボルト・アドバンスド)」である。REVOLTは2014年モデルからラインアップに加えられていたが、一度その展開は休止状態に。そして、2019年のモデルイヤーにモデルチェンジを果たすと共に再びラインアップに登場。

縦方向の衝撃吸収性に優れていそうなシートステー縦方向の衝撃吸収性に優れていそうなシートステー 衝撃吸収を担うD-FUSEシートピラーが採用されている衝撃吸収を担うD-FUSEシートピラーが採用されている マッシブな作りのフロントフォーク。ラックやフェンダー用のマウントも用意されているマッシブな作りのフロントフォーク。ラックやフェンダー用のマウントも用意されている


REVOLTというのは登場当時より160~200kmのグラベルレースを走り抜けることを目的とし開発されていたバイクだ。今回のモデルチェンジでは「REVOLT ADVANCED」というネーミングからわかるように、カーボン製フレームへとアップデート。グラベル専門のプロたちがレースを戦うのにふさわしい戦闘力のある1台へと進化を遂げている。

REVOLT ADVANCEDは長距離走行に適応するため、同じ様な未舗装路を走るシクロクロスとは異なる快適性や効率性を備えたバイクとして開発が行われる。シクロクロスバイクのTCXは33Cタイヤを装着した上で、泥づまりを起こさないクリアランスを持つフレームであったが、REVOLT ADVANCEDは最大700×45Cのタイヤを飲み込むクリアランスを備えている。現在、グラベルロードのスタンダードとも言える700×40Cのタイヤは余裕を持って装着することが可能だ。

ジオメトリーはTCXよりも高めのスタックハイト、バイクコントロールを行いやすいリーチ量に設計されているという。BBハイトはTCXよりも低く、ヘッドアングルは寝た角度とすることで、高速グラベル走行での安定性を確保。対して、ホイールベースは同等の長さながら、チェーンステーは425mmと短い設計だ。フロントフォークはレイク50mm、トレイル74mmとグラベルに特化した設計を用いることで、軽快かつコントロールしやすいように工夫されている。

サドルにはジャイアントのCONTACT NEUTRALが装備されるサドルにはジャイアントのCONTACT NEUTRALが装備される ブレーキシステムは、シマノ105の機械式STIとジャイアントのCONDUCT SLを組み合わせる油圧ディスクブレーキブレーキシステムは、シマノ105の機械式STIとジャイアントのCONDUCT SLを組み合わせる油圧ディスクブレーキ

ブレーキはジャイアントのCONDUCT SLだブレーキはジャイアントのCONDUCT SLだ チェーンステーにも傷つき防止のプロテクターが備えられているチェーンステーにも傷つき防止のプロテクターが備えられている


オフロードでの快適性を担うのがD-FUSEテクノロジー。2014年のTCXに初採用され、DEFYなどに波及したことで、ジャイアントのコンフォート性能を司るキーポイントとしての立ち位置を確立した技術だ。D型断面と使用素材により最大12mmの可動域を確保したD-FUSEシートポストはREVOLT ADVANCEDでも当然採用されている。

さらに、2019年モデルでアップデートされたDEFYに搭載されていたD-FUSEハンドルバーが、グラベルライド用にカスタムした上でREVOLT ADVANCEDに投入。ドロップ部分は8度開いたフレア形状で安定感を高め、上ハンドルの両端は5度ライダー側にバックスイープさせることでコントロール性を向上させている。

ヘッドチューブの前面からケーブル類は収納されていくヘッドチューブの前面からケーブル類は収納されていく タイヤもジャイアントオリジナルの700×40CのCROSSCUT GRAVELタイヤもジャイアントオリジナルの700×40CのCROSSCUT GRAVEL


CONTACT SLラウンドハンドルバーと比較して、XR D-FUSEバーは路面からの突き上げに対して(下向き)の快適性が+10%。反対にハンドルを引き上げる動作に対して(上向き)の剛性は+20%向上、更に5%の軽量化を果たすなど、振動吸収性能と、スプリントやヒルクライム時の剛性向上を共に叶えたという。シートポストとハンドルバーというライダーとバイクの接点にコンフォート性能を備えることで、超長距離のグラベルライドでも疲労を軽減してくれる。

REVOLT ADVANCEDは純粋なレースバイクに留まらずツーリングなどアドベンチャーライドでも楽しめるような配慮がされている。フレームを傷つけないようダウンチューブ裏側やチェーンステーにはプロテクターを装備。3つのボトルケージマウント、ラックやアクセサリ用のスマートマウントシステムが、ライドの幅を広げてくれる。

ワイドなタイヤを装着してもフロントディレイラーには干渉しにくいワイドなタイヤを装着してもフロントディレイラーには干渉しにくい フレームへの傷つき防止用のカバーが標準で装備されているフレームへの傷つき防止用のカバーが標準で装備されている 最大45Cのタイヤを飲み込むクリアランスを備えている最大45Cのタイヤを飲み込むクリアランスを備えている


今回インプレッションを行ったのはREVOLT ADVANCED 2。シマノ105をメインコンポーネントとした完成車で、機械式STI(105)とジャイアントのワイヤー/油圧コンバーターCONDUCT SLを組み合わせたブレーキシステムが搭載されている。ギアは32/48Tのフロントと11-34Tのリアという構成としており、ハイスピードな巡航から激坂までこなせることが特徴だ。グラベル区間の繋ぎとして現れる舗装路でもスピードを出してサイクリングを楽しめるだろう。

銀輪の巨人ジャイアントが用意した最新のグラベルロードをサイクルハウス・ミカミの店主である三上和志さんが試す。オフロードの造詣が深い三上さんはREVOLT ADVANCEDをどう評価したのだろうか。



― インプレッション

「癖のない扱いやすさが際立つグラベルバイク」三上和志(サイクルハウスMIKAMI)

扱いづらさのような癖が無く、ビギナーから本格的なアドベンチャーライドを楽しみたい人まで安心して乗ることが出来るグラベルバイクだと思いました。ロードバイクではアスファルトが主になりますが、このバイクであれば河川敷や雑木林、田んぼのあぜ道といった多種多様なフィールドでライドを楽しむことが出来ます。

「癖のない扱いやすさが際立つグラベルバイク」三上和志(サイクルハウスMIKAMI)「癖のない扱いやすさが際立つグラベルバイク」三上和志(サイクルハウスMIKAMI)
特にジオメトリーから安定感を感じますね。リアセンターが長くヘッドアングルも寝かせ気味となっているため、悪路を走ってもタイヤが路面へしっかりと接地している安心感があります。その上、フレーム自体もカーボンのしなりをいかしたレイアップとなっているのか、しなやかさのある乗り味で腰を据えた走りが可能です。

また、林道の水たまりの跡にできた凹みなどの段差を積極的に走ってみたのですが、リアトライアングルとシートポストがしなり、路面からの衝撃をいなしてくれています。特にスローピングしたトップチューブによりシートポストを長めに出せる設計や、しなりやすいD型形状を採用することで積極的に柔軟性を持たせるように工夫されていますね。設計の段階で各箇所の役割分担をしっかりと考えてあることが感じ取れますね。

そういったゆったり感のある印象ですが、ハンドリングは絶妙なバランスで仕上がっており、設計の上手さを感じますね。もちろんシクロクロスみたいなクイックなバイクと比べるとアンダーステアであるのは間違いないですが、曲がりづらい、扱いづらいという印象は無く、コーナリング中でも前輪のトラクションをしっかりと感じます。ヘッドアングルの角度調整が上手くできているのでしょう。

バイクの扱いに長けている三上和志さんがジャイアント REVOLT ADVANCED 2を試すバイクの扱いに長けている三上和志さんがジャイアント REVOLT ADVANCED 2を試す
フロントギアはダブルとなっていますが、このバイクの性格を活かす良いアセンブルだと思います。低速から高速まで淀みなくギアが繋がっていきますし、ロングライドをしていると様々なシチュエーションが現れますから、登りから下りまで対応できるダブルギアのほうが良いと思います。

ブレーキは油圧コンバーターのシステムでもしっかりと止まってくれるのですが、効き始めのコントロールが難しい部分がありタイヤをロックしてしまいそうになります。パッドを交換することで対応出来るかもしれないですが、遊び慣れてきたら油圧ブレーキに交換したほうがよりコントローラブルに楽しめるかと思います。

シクロクロスのような短距離スプリントの走り方ではなく、長い距離をそれこそエンデュランスに走るようなライドには良い意味で緊張感を抑える事ができるので最適なバイクだと思います。アメリカの200マイルを走るようなフラットダートレースでは高い出力で走るシーンも少ないでしょうし、こういったしなやかな乗り味がベストな選択だと思います。

ジャイアント REVOLT ADVANCED 2ジャイアント REVOLT ADVANCED 2 (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp
ジャイアント REVOLT ADVANCED 2
フレーム:Advanced-Grade Composite OLD142mm,D-FUSE Composite Seat Pillar
フォーク:Advanced-Grade Composite,Full Composite OverDrive Column 12mm Axle
コンポーネント:SHIMANO 105
ホイール:GIANT P-X2 DISC WheelSet 28H 12mm Axle
タイヤ:GIANT CROSSCUT GRAVEL 1 700x40C Tubeless Ready
サイズ:430(XS),450(S),470(M)mm
重 量:9.5kg(450mm)
価 格:250,000円(税抜)



インプレッションライダーのプロフィール

三上和志(サイクルハウスMIKAMI)三上和志(サイクルハウスMIKAMI) 三上和志(サイクルハウスMIKAMI)

埼玉県飯能市にある「サイクルハウスMIKAMI」店主。MTBクロスカントリー全日本シリーズ大会で活躍した経験を生かし、MTBに関してはハード・ソフトともに造詣が深い。トレーニングの一環としてロードバイクにも乗っており、使用目的に合った車種の選択や適正サイズに関するアドバイスなど、特に実走派のライダーに定評が高い。

サイクルハウスMIKAMI HP


text:Gakuto Fujiwara
photo:Makoto.AYANAO
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