勾配3%弱の上りストレートで繰り広げられた約50名の小集団スプリント。グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム)を下したソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)がチームにシーズン初勝利を飾った。
岩山をえぐるように進む幹線道路 photo:A.S.O.
ツアー・オブ・オマーン2019第4ステージ photo:A.S.O.ツアー・オブ・オマーン第4ステージはオマーン湾に面したビーチリゾートのアルシファをスタート。そこから首都マスカット近郊に広がる山岳地帯を走る。距離は131kmと短めだが獲得標高差は2,100m。後半にかけて3回通過する標高355mのKOMアルジャバル(全長3.2km/平均6.8%もしくは全長3.4km/平均8.8%)がスプリンターにとっての関所となる。残り900mの最終コーナーを曲がると、そこからフィニッシュラインまでは平均勾配2.7%の上り勾配だ。
アタック合戦の末にイアン・ボズウェル(アメリカ、カチューシャ・アルペシン)とネイサン・ファンフーイドンク(ベルギー、CCCチーム)、ダルウィン・アタプマ(コロンビア、コフィディス)の3名が先行開始。ここにダミアン・ゴダン(フランス、ディレクトエネルジー)とジェレミー・ルヴォー(フランス、デルコ・マルセイユプロヴァンス)が追いつき、メイン集団から4分前後のリードで幹線道路のアップダウンをこなした。
先頭ではボズウェルが積極的にKOMとスプリントポイントを獲得。一方、アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン)のリーダージャージを守りたいアスタナがメイン集団を牽引する。集団スプリントを狙うバーレーン・メリダやUAEチームエミレーツ、CCCチームも先頭ローテーションに人数を送り込んだ。
岩山を背に逃げる先頭5名 photo:A.S.O.
チームカーから指示を受けるアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) photo:A.S.O.
前日の落車で左腕に怪我を負った新城幸也(バーレーン・メリダ) photo:CorVos
連続するアップダウンで先頭はボズウェル、ファンフーイドンク、アタプマの3名に絞り込まれる。残り23km地点でタイム差は1分を下回ったが、そこから先頭3名は粘りを見せた。
残り5km地点でタイム差は28秒。スプリンターチームを振り切るため奮闘する先頭3名は、約10秒のリードで残り1kmサインを駆け抜ける。しかし最後まで先頭を引き続けたボズウェルの健闘も虚しく、スピードを上げるスプリンターチームによって逃げトリオは残り500m地点で吸収された。
UAEチームエミレーツとアージェードゥーゼールがリードアウトする形で始まった小集団によるスプリント。クレマン・ヴァントゥリーニ(フランス、アージェードゥーゼール)と同時にスプリントを開始したグレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム)が先頭に立つも、その後ろからコルブレッリが伸びた。
ヴァントゥリーニに進路を塞がれたポイント賞ジャージのアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)が出遅れる中、完全に飛び出す形となったコルブレッリとファンアーフェルマート。登り基調のストレートでもがき続けたコルブレッリが先着した。
赤いリーダージャージを着て走るアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) photo:A.S.O.
メイン集団を牽引するCCCチーム photo:A.S.O.
集団スプリントを制したソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) photo:A.S.O.
「願い続けたステージ優勝がようやくやってきた。1日中ずっと助けてくれたチームメイトにまず感謝したい。残り1kmからのコースレイアウトを知っていたので、正しいタイミングでスプリントを開始。完璧だった。進路を塞がず真っ直ぐスプリントしてくれたグレッグ・ファンアーフェルマートに感謝したい。本当にジェントルマンな走りだった」と、初勝利を飾ったコルブレッリは語る。集団牽引に力を使ったチームメイトの新城幸也(バーレーン・メリダ)はステージ52位でフィニッシュしている。
コルブレッリは2018年のオンループ・ヘットニュースブラッド8位、クールネ〜ブリュッセル〜クールネ3位、ミラノ〜サンレモ9位、ブラバンツペイル2位。春のクラシックシーズンに向けて「ここ数日間しばらく暑さに苦しんでいたものの、今日は調子が良かった。調子は毎日上がっているので、ベルギーのクラシックレースやミラノ〜サンレモに向けて自信を得たよ」と語っている。
チームメイトである新城幸也は「やっぱりチームの優勝はいつだって良いものです。今日はチームにとって2019シーズン初勝利だったのでその喜びは格別ですね。そして勝利に貢献できたことも嬉しいです。昨日は転んでしまい最悪な日でしたが、今日は最高な日になりました。もちろん、身体は一日中痛かったですが。明日はクイーンステージなので、ドメニコ(ポッツォヴィーヴォ)の総合優勝目指して、流れに乗って頑張ります。」とコメントしている。
バーレーン・メリダはこれが今シーズン初勝利。UCIワールドチームの中でアージェードゥーゼールとサンウェブの2チームがまだシーズン初勝利を手にしていない。


アタック合戦の末にイアン・ボズウェル(アメリカ、カチューシャ・アルペシン)とネイサン・ファンフーイドンク(ベルギー、CCCチーム)、ダルウィン・アタプマ(コロンビア、コフィディス)の3名が先行開始。ここにダミアン・ゴダン(フランス、ディレクトエネルジー)とジェレミー・ルヴォー(フランス、デルコ・マルセイユプロヴァンス)が追いつき、メイン集団から4分前後のリードで幹線道路のアップダウンをこなした。
先頭ではボズウェルが積極的にKOMとスプリントポイントを獲得。一方、アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン)のリーダージャージを守りたいアスタナがメイン集団を牽引する。集団スプリントを狙うバーレーン・メリダやUAEチームエミレーツ、CCCチームも先頭ローテーションに人数を送り込んだ。



連続するアップダウンで先頭はボズウェル、ファンフーイドンク、アタプマの3名に絞り込まれる。残り23km地点でタイム差は1分を下回ったが、そこから先頭3名は粘りを見せた。
残り5km地点でタイム差は28秒。スプリンターチームを振り切るため奮闘する先頭3名は、約10秒のリードで残り1kmサインを駆け抜ける。しかし最後まで先頭を引き続けたボズウェルの健闘も虚しく、スピードを上げるスプリンターチームによって逃げトリオは残り500m地点で吸収された。
UAEチームエミレーツとアージェードゥーゼールがリードアウトする形で始まった小集団によるスプリント。クレマン・ヴァントゥリーニ(フランス、アージェードゥーゼール)と同時にスプリントを開始したグレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム)が先頭に立つも、その後ろからコルブレッリが伸びた。
ヴァントゥリーニに進路を塞がれたポイント賞ジャージのアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)が出遅れる中、完全に飛び出す形となったコルブレッリとファンアーフェルマート。登り基調のストレートでもがき続けたコルブレッリが先着した。



「願い続けたステージ優勝がようやくやってきた。1日中ずっと助けてくれたチームメイトにまず感謝したい。残り1kmからのコースレイアウトを知っていたので、正しいタイミングでスプリントを開始。完璧だった。進路を塞がず真っ直ぐスプリントしてくれたグレッグ・ファンアーフェルマートに感謝したい。本当にジェントルマンな走りだった」と、初勝利を飾ったコルブレッリは語る。集団牽引に力を使ったチームメイトの新城幸也(バーレーン・メリダ)はステージ52位でフィニッシュしている。
コルブレッリは2018年のオンループ・ヘットニュースブラッド8位、クールネ〜ブリュッセル〜クールネ3位、ミラノ〜サンレモ9位、ブラバンツペイル2位。春のクラシックシーズンに向けて「ここ数日間しばらく暑さに苦しんでいたものの、今日は調子が良かった。調子は毎日上がっているので、ベルギーのクラシックレースやミラノ〜サンレモに向けて自信を得たよ」と語っている。
チームメイトである新城幸也は「やっぱりチームの優勝はいつだって良いものです。今日はチームにとって2019シーズン初勝利だったのでその喜びは格別ですね。そして勝利に貢献できたことも嬉しいです。昨日は転んでしまい最悪な日でしたが、今日は最高な日になりました。もちろん、身体は一日中痛かったですが。明日はクイーンステージなので、ドメニコ(ポッツォヴィーヴォ)の総合優勝目指して、流れに乗って頑張ります。」とコメントしている。
バーレーン・メリダはこれが今シーズン初勝利。UCIワールドチームの中でアージェードゥーゼールとサンウェブの2チームがまだシーズン初勝利を手にしていない。
ツアー・オブ・オマーン2019第4ステージ結果
1位 | ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 3:17:09 |
2位 | グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム) | |
3位 | クレマン・ヴァントゥリーニ(フランス、アージェードゥーゼール) | |
4位 | ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ) | |
5位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) | |
6位 | ベンジャミン・デクレルク(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ) | |
7位 | ユーリ・フィロージ(イタリア、デルコ・マルセイユプロヴァンス) | |
8位 | バティスト・プランカールト(ベルギー、ワロニー・ブリュッセル) | |
9位 | ミラン・メンテン(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ) | |
10位 | ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス) | |
52位 | 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) | 0:00:22 |
個人総合成績
1位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | 14:54:46 |
2位 | グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム) | 0:00:14 |
3位 | ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス) | 0:00:18 |
4位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | 0:00:24 |
5位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 0:00:27 |
6位 | エリオ・リエター(ベルギー、ワロニー・ブリュッセル) | 0:00:29 |
7位 | ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ) | 0:00:30 |
8位 | エリー・ジェスベール(フランス、アルケア・サムシック) | 0:00:34 |
9位 | カンタン・パシェ(フランス、ヴィタルコンセプト・B&Bホテルズ) | |
10位 | オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール) |
ポイント賞
1位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) | 33pts |
2位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | 30pts |
3位 | グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム) | 21pts |
ヤングライダー賞
1位 | ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ) | 14:55:16 |
2位 | エリー・ジェスベール(フランス、アルケア・サムシック) | 0:00:04 |
3位 | ステフ・クラス(ベルギー、カチューシャ・アルペシン) | 0:00:10 |
チーム総合成績
1位 | カチューシャ・アルペシン | 20:47:56 |
2位 | ディメンションデータ | 0:00:28 |
3位 | アージェードゥーゼール | 0:00:43 |
text:Kei Tsuji
photo:CorVos, A.S.O.
photo:CorVos, A.S.O.
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