ツアー・コロンビア2.1の第3ステージは山岳で絞り込まれた60名のスプリント勝負に持ち込まれ、24歳のフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)が勝利。遅れたアルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ)に代わりリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファーストプロサイクリング)が首位に戻った。



総合リーダーのアルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ)総合リーダーのアルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVosスタートラインに並ぶクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)。伊藤雅和と中根英登の姿もスタートラインに並ぶクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)。伊藤雅和と中根英登の姿も (c)CorVos


熱狂的なサイクリングブームの中、大会3日目を迎えたツアー・コロンビア2.1(UCI2.1)。この日は3級山岳が組み込まれた41.8kmの周回コースを4周回する167.6kmだが、コースは絶えず標高2000m以上。3級山岳頂上は標高2348mであり、小刻みなアップダウンも多いことからサバイバルレースが展開されることとなる。

この日はなかなか逃げが決まらず、アタックと吸収を繰り返しながら距離を消化した。第1山岳ポイントではミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)が先着し、中間スプリントポイントでは前日に勝利したアルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ)が先頭通過。この際エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ)はホッジに食い下がって2位通過に成功し、ボーナスタイムを2秒稼いだことで総合順位を9位から5位までジャンプアップさせている。

中盤に入ると、チームコロンビア時代にジロ・デ・イタリアやブエルタ・ア・エスパーニャで活躍したファビオ・ドゥアルテ(コロンビア、メデリン)を含む5名の逃げグループが生まれる。5名が4分ほどのリードを得たことでレースは落ち着いたものの、終盤に入ると逃げを捉えるべくペースアップ。この動きで集団が2分割され、総合リーダーのホッジは遅れをとった。

集団前方で控えるリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファーストプロサイクリング)集団前方で控えるリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファーストプロサイクリング) (c)CorVosスプリントを狙ったジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)スプリントを狙ったジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos

終盤、リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター)やダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファーストプロサイクリング)がアタックを仕掛ける終盤、リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター)やダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファーストプロサイクリング)がアタックを仕掛ける (c)CorVos
メイン集団をコントロールしたのはリゴベルト・ウラン(コロンビア)の首位返り咲きを狙うEFエデュケーションファーストプロサイクリングやチームスカイ。残り10kmのアップダウン区間で逃げを飲み込むと、ここから総合上位陣によるアタック合戦が幕を開ける。

ウランやナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)、リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター)、ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファーストプロサイクリング)、ダイエル・キンタナ(コロンビア、ネーリソットリ・セッレイタリア・KTM)らが次々と抜け出しを試みるも決まらない。ドゥクーニンク・クイックステップが主導権を握りつつ、60名ほどの集団が一塊となって最終ストレートに到達した。

ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ドゥクーニンク・クイックステップ)が、スプリントを狙うジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)を連れてロングスパートを開始。ベルナルとディエゴ・オチョア(コロンビア、マンサナポストボン)が激しく位置取り争いを繰り広げる手前で、真っ先に仕掛けたのは今季UAEチームエミレーツに加入したフアン・モラノ(コロンビア)だった。

スプリントを制したフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)	スプリントを制したフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) (c)CorVos
メディアに取り囲まれるナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)メディアに取り囲まれるナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) (c)CorVos再び総合リーダーとなったリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファーストプロサイクリング)再び総合リーダーとなったリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファーストプロサイクリング) (c)CorVos


センターライン上を力強いスプリントで突き進んだモラノは、アラフィリップらを後ろに従えたままフィニッシュ。1994年生まれの24歳が自国コロンビアで新チーム加入後1勝目を挙げた。また、総合リーダージャージは集団内フィニッシュしたウランの元に。チームTTで勝利したEFエデュケーション勢がトップスリーを占めるものの、アラフィリップが2秒差、ベルナルが8秒差と近く、第5ステージの山岳フィニッシュは激しい展開になりそうだ。

また、中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)は3分遅れの94位でフィニッシュ「今日はコース云々よりも、プロツアーチームVS標高2000mの高地が地元のコロンビア勢というような強烈にキツいステージだった。切り替えてまた明日も頑張ろう」と自身のTwitterに書き込んでいる。この日トップ集団でフィニッシュした62名のうち、非コロンビア勢は僅か14名だった。
ツアー・コロンビア2.1 2019第3ステージ結果
1位 フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) 3h42'52"
2位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
3位 ディエゴ・オチョア(コロンビア、マンサナポストボン)
4位 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)
5位 エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ)
6位 エドウィン・アヴィラ(コロンビア、イスラエルサイクリングアカデミー)
7位 ミゲル・フロレス(コロンビア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)
8位 フアン・アランゴ(コロンビア、コロンビアナショナルチーム)
9位 リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター)
10位 エディソン・ムニョス(コロンビア、オルグリョ・パイサ)
個人総合成績
1位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファーストプロサイクリング) 7h19'37"
2位 ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファーストプロサイクリング)
3位 ローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファーストプロサイクリング)
4位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) +02"
5位 エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) +08"
6位 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ドゥクーニンク・クイックステップ)
7位 ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、チームスカイ) +09"
8位 イバン・ソーサ(コロンビア、チームスカイ) +10"
9位 クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)
10位 セバスティアン・エナオ(コロンビア、チームスカイ)
山岳賞
1位 ウィリアム・ムニョス(コロンビア、コルデポルテス・ビチクレッタ・ストロングマン) 6pts
2位 ホセ・ヘルナンデス(コロンビア) 4pts
3位 ファビオ・ドゥアルテ(コロンビア、メデリン) 4pts
ポイント賞
1位 フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) 25pts
2位 アルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ) 18ots
3位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) 12pts
ヤングライダー賞
1位 ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファーストプロサイクリング) 7h19'37"
2位 エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) +08"
3位 ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、チームスカイ) +09"
チーム総合成績
1位 EFエデュケーションファーストプロサイクリング 21h28'41"
2位 チームスカイ +10"
3位 アスタナ +22"
text:So.Isobe
photo:CorVos

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