5日間日程で開催されたスペインのステージレース、ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ(UCI2.1)をダイジェストレポート。個人TTと山岳ステージで手堅く上位に入ったヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ)が総合優勝を飾った。



シーズン初戦に望んだゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)シーズン初戦に望んだゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) (c)CorVosディレクトエネルジーに移籍したニキ・テルプストラ(オランダ)ディレクトエネルジーに移籍したニキ・テルプストラ(オランダ) (c)CorVos

第1ステージ エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)がトップタイムで優勝第1ステージ エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)がトップタイムで優勝 (c)CorVos第1ステージ エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)がリーダージャージを獲得第1ステージ エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)がリーダージャージを獲得 (c)CorVos


2月6日から10日まで開催されたボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ(UCI2.1)は、チャレンジマヨルカに続きスペインで開催される5日間のステージレース。個人TTや平坦ステージ、山岳ステージがバランス良く組み込まれるため、11のワールドチームやNIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ(初山翔出場)など多くのプロコンチネンタルチームが顔を揃えた。

ツール・ド・フランス覇者のゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)がシーズンインを迎えたほか、世界王者アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)も出場する今大会、最後に距離700m/平均勾配8.2%の登りが待ち受けるオープニングTTを制したのはエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)だった。

第2ステージ マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)が集団スプリントで先着第2ステージ マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)が集団スプリントで先着 (c)CorVos
第3ステージ グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム)が登りスプリントを制す第3ステージ グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム)が登りスプリントを制す (c)CorVos
続く第2ステージの集団スプリントではゴール前のテクニカルコーナー区間で早掛けした欧州王者マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)が先着し、翌日の登坂ゴールでは春のクラシックに照準を合わせるリオ五輪金メダリスト、グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム)が勝利。ここまでボアッソンハーゲンはタイム差ゼロの集団内フィニッシュとなり、総合首位のまま1級、2級、2級と3つの山岳が組み込まれたクイーンステージを迎えた。

このクイーンステージで主導権を握ったのはモビスターとアスタナ。フィニッシュに向かう最終山岳ではモビスターが組織的なペースアップを行い、上りの序盤でアタックしたメルハウィ・クドゥス(エリトリア、アスタナ)をキャッチ。アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)らのペースアップによってボアッソンハーゲンが脱落し、総合優勝争いはより一層活性化した。

第4ステージ 最終山岳で積極的にペースアップを行うアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)第4ステージ 最終山岳で積極的にペースアップを行うアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) (c)CorVos
第4ステージ アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)がクイーンステージで勝利第4ステージ アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)がクイーンステージで勝利 (c)CorVos
最終盤に入るとイェーツが先行し、追い上げるバルベルデを引き離して先着。苦しみながらも2秒差のステージ4位に入ったヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ)が総合リーダージャージを獲得することとなった。

そして迎えた最終ステージでは2勝目を狙うトレンティンとアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)との三つ巴勝負でディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)がわずかに先着。危なげなく走りきったイサギレが、バーレーン・メリダからアスタナへ移籍して早々、2016年のツール・ド・フランス第20ステージ以来久々の勝利を収めた。

第5ステージ 接近戦のスプリントでディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)が勝利第5ステージ 接近戦のスプリントでディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)が勝利 (c)CorVos
個人総合優勝を達成したヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ)。総合トップスリーをスペイン勢が独占した個人総合優勝を達成したヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ)。総合トップスリーをスペイン勢が独占した (c)CorVos
「信じられないくらい嬉しいけれど、僕だけじゃなくチーム一丸となっての成功だ。レースを通して上手く連携が取れたし、重要な局面で大きなサポートを得ることができた。3位には(ペリョ)ビルバオが入ったことも含めて言うことがない。今年は勝利を目指していたけれど、この時期にもう獲得してしまった。アスタナジャージで表彰台に立てたことが誇らしいよ」とイサギレは語っている。

2月6日(火)第1ステージ オリウエラ〜オリウエラ 10.3km
1位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) 12'55"
2位 ヨン・イサギーレ(スペイン、アスタナ) +05"
3位 トニ・マルティン(ドイツ、ユンボ・ヴィズマ) +07"
4位 ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ) +08"
5位 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) +10"
2月7日(水)第2ステージ アリカンテ〜アリカンテ 166km
1位 マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット) 4h10'12"
2位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)
3位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)
4位 ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
5位 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)
2月8日(木)第3ステージ クアルト・デ・ポブレット〜チェラ 191km
1位 グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム) 5h00'16"
2位 マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)
3位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)
4位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
5位 マイク・テウニッセン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)
2月9日(金)第4ステージ ヴィラ・レアル〜アルカラ・アルコセブレ 188km
1位 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 4h54'57"
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
3位 ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ) +02"
4位 ヨン・イサギーレ(スペイン、アスタナ)
5位 ダン・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ) +04"
2月10日(土)第5ステージ パテルナ〜ヴァレンシア 88.5km
1位 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) 1h50'17"
2位 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)
3位 マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)
4位 ルカ・メズゲッツ(スロベニア、ミッチェルトン・スコット)
5位 ナセル・ブアニ(フランス。コフィディス・ソルシオンクレディ)
個人総合成績
1位 ヨン・イサギーレ(スペイン、アスタナ) 16h08'44"
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +07"
3位 ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ)
4位 ダン・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ) +16"
5位 ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ) +18"
text:So.Isobe
photo:CorVos

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