ブエルタ・ア・サンフアン最終ステージのゴール勝負でサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)が勝利。普段グランツールで山岳アシストを担うウィネル・アナコナ(コロンビア、モビスター)がキャリア初のステージレース総合優勝を手にした。
スプリントに期待が掛かるサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) (c)CorVos
スタートに向かうヤングライダー賞首位のレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
紙吹雪舞う中、最終ステージの幕が切って落とされる (c)CorVos
アルゼンチンを舞台に1週間続いたブエルタ・ア・サンフアン(UCI2.1)も最終日。サンフアン市街地の環状道路(1周15.7km)を9周回する141.3kmは立体交差を除いて完全フラットのハイスピードコース。この日はカルロス・バルベロ(スペイン、モビスター)を含む5名逃げを、スプリンターチーム率いるメイン集団がコントロールする定石通りの展開で距離を消化していった。
終盤に入るとボーラ・ハンスグローエやUAEチームエミレーツなどが積極的にペースを上げ、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネの中根英登も集団牽引を担った。50km/h以上のハイペースで飛ばすメイン集団はフィニッシュまで11kmを残し逃げグループを引き戻す。
しかしスプリントチームを突き崩すべく、ペトル・ヴァコッチ(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)らを中心としたアタックが掛かるも、リードを稼ぐことなく吸収。総合首位のウィネル・アナコナ(コロンビア)擁するモビスターが状況を落ち着かせるべくコントロールを開始し、スプリント勝負に向け仕切り直しが行われた。
残り1km付近では一時マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)を引き連れたディメンションデータが先頭に上がったものの、ボーラ・ハンスグローエとロット・スーダルが主導権を掌握。ここまでステージ2勝を飾っているフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)は出遅れた。
アルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ)をサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)がパス (c)CorVos
アルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ)を下したサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) (c)CorVos
サム・ベネット(アイルランド)の発射台を務めるペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)がスプリントを始め、アルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ)が追従。勢い良く加速したホッジだったが、そのスリップストリームを使ったベネットが一気に左側から捲り上げる。ホッジの様子を確認しながらスプリントしたベネットが今期初勝利を飾った。
チームメイトのアシストを受けたアナコナは、危なげなくジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)とのタイム差35秒を守って総合優勝を達成。普段はナイロ・キンタナ(コロンビア)やミケル・ランダ(スペイン)、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)らの山岳アシストとして働くクライマーにとって初のステージレース総合優勝となった。
自身初のステージレース総合優勝を遂げたウィネル・アナコナ(コロンビア、モビスター) (c)CorVos
「フィニッシュラインを切るまで気を抜かないと決めていたのでようやく安堵できた。とても嬉しいけれど、それと同じくらいほっとしたよ。僕にとって初めての総合優勝で、オフシーズンの調整が上手くいった証でもあるので本当に嬉しい。自分個人として今年はどこかで勝つことが隠れた目標だった。(2014年)のブエルタ・ア・エスパーニャで挙げたステージ優勝と同じくらい大きなもので、強豪揃いのサンフアン、しかも誰もがゲンを担ぎたいシーズン序盤に勝てたことで、これからに向けて自信に繋がるよ」
「モビスターでの僕の役割は総合リーダーたちを山岳でアシストすること。でも自分としてはアシスト業を務めながら自身の成績もずっと大切にしていて、今回のように不意に転がり込むチャンスを必ずモノにしようと心掛けていたんだ。自分の成績が出れば、よりチームメイトをアシストする際にベストな走りができる。いつも僕を支えてくれる家族や子供たちに今回の勝利をプレゼントしたい」。数少ないチャンスを掴み、大きな優勝トロフィーを受け取ったアナコナはそう答えた。



アルゼンチンを舞台に1週間続いたブエルタ・ア・サンフアン(UCI2.1)も最終日。サンフアン市街地の環状道路(1周15.7km)を9周回する141.3kmは立体交差を除いて完全フラットのハイスピードコース。この日はカルロス・バルベロ(スペイン、モビスター)を含む5名逃げを、スプリンターチーム率いるメイン集団がコントロールする定石通りの展開で距離を消化していった。
終盤に入るとボーラ・ハンスグローエやUAEチームエミレーツなどが積極的にペースを上げ、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネの中根英登も集団牽引を担った。50km/h以上のハイペースで飛ばすメイン集団はフィニッシュまで11kmを残し逃げグループを引き戻す。
しかしスプリントチームを突き崩すべく、ペトル・ヴァコッチ(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)らを中心としたアタックが掛かるも、リードを稼ぐことなく吸収。総合首位のウィネル・アナコナ(コロンビア)擁するモビスターが状況を落ち着かせるべくコントロールを開始し、スプリント勝負に向け仕切り直しが行われた。
残り1km付近では一時マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)を引き連れたディメンションデータが先頭に上がったものの、ボーラ・ハンスグローエとロット・スーダルが主導権を掌握。ここまでステージ2勝を飾っているフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)は出遅れた。


サム・ベネット(アイルランド)の発射台を務めるペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)がスプリントを始め、アルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ)が追従。勢い良く加速したホッジだったが、そのスリップストリームを使ったベネットが一気に左側から捲り上げる。ホッジの様子を確認しながらスプリントしたベネットが今期初勝利を飾った。
チームメイトのアシストを受けたアナコナは、危なげなくジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)とのタイム差35秒を守って総合優勝を達成。普段はナイロ・キンタナ(コロンビア)やミケル・ランダ(スペイン)、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)らの山岳アシストとして働くクライマーにとって初のステージレース総合優勝となった。

「フィニッシュラインを切るまで気を抜かないと決めていたのでようやく安堵できた。とても嬉しいけれど、それと同じくらいほっとしたよ。僕にとって初めての総合優勝で、オフシーズンの調整が上手くいった証でもあるので本当に嬉しい。自分個人として今年はどこかで勝つことが隠れた目標だった。(2014年)のブエルタ・ア・エスパーニャで挙げたステージ優勝と同じくらい大きなもので、強豪揃いのサンフアン、しかも誰もがゲンを担ぎたいシーズン序盤に勝てたことで、これからに向けて自信に繋がるよ」
「モビスターでの僕の役割は総合リーダーたちを山岳でアシストすること。でも自分としてはアシスト業を務めながら自身の成績もずっと大切にしていて、今回のように不意に転がり込むチャンスを必ずモノにしようと心掛けていたんだ。自分の成績が出れば、よりチームメイトをアシストする際にベストな走りができる。いつも僕を支えてくれる家族や子供たちに今回の勝利をプレゼントしたい」。数少ないチャンスを掴み、大きな優勝トロフィーを受け取ったアナコナはそう答えた。
ブエルタ・ア・サンフアン2019第7ステージ
1位 | サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 2h54'26" |
2位 | アルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
3位 | エリック・バスカ(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | マヌエル・ベレッティ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク) | |
5位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
6位 | ルディ・バルビエ(フランス、イスラエルサイクリングアカデミー) | |
7位 | イメリオ・チーマ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) | |
8位 | マッテオ・マルチェッリ(イタリア、カハルーラル・セグロスRGA) | |
9位 | リカルド・エスケーラ(アルゼンチン、アグルパシオン・ビルヘンデファティマ) | |
10位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) |
個人総合成績
1位 | ウィネル・アナコナ(コロンビア、モビスター) | 22h09'21" |
2位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | +35" |
3位 | オスカル・セヴィリャ(スペイン、メデリン) | +57" |
4位 | ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | +1'03" |
5位 | フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | +1'13" |
6位 | リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター) | +1'20" |
7位 | ニコラス・ペレデス(コロンビア、メデリン) | +1'24" |
8位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | +1'29" |
9位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | +1'36" |
10位 | ティシュ・ベノート(ベルギー、ロット・スーダル) | +1'38" |
山岳賞
1位 | ダニエル・ザモラ(アルゼンチン、アグルパシオン・ビルヘンデファティマ) | 30pts |
2位 | ニコラス・ペレデス(コロンビア、メデリン) | 26pts |
3位 | マティアス・カタパン(アルゼンチン、モニシィパリダッド・デ・ラウソン・ソモトドス) | 16pts |
ヤングライダー賞
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 22h10'57" |
2位 | ジーノ・マーダー(スイス、ディメンションデータ) | +2" |
3位 | アレハンドロ・オソリオ(コロンビア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) | +54" |
チーム総合成績
1位 | モビスター | 66h31'02" |
2位 | メデリン | +1'01" |
3位 | アグルパシオン・ビルヘンデファティマ | +3'35" |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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