3月28日、ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャの最終第7ステージが平坦コースで行なわれ、フアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク)が最終スプリントバトルを制した。総合優勝は、第3ステージで逃げ切り、総合リードを最後まで守り抜いたホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)。

最終スプリントバトルを制したフアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク)最終スプリントバトルを制したフアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク) photo:www.voltacatalunya.cat最終日はF1スペインGPが開催されるシルクイート・デ・カタルーニャ(カタロニア・サーキット)にゴールする117kmの平坦ステージ。4.8kmのフラットサーキットを8周してゴールを迎える。

レースは序盤からアタックが繰り返され、クリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)らが飛び出しては吸収。53km地点でジェレミー・ロワ(フランス、フランセーズデジュー)が飛び出すと、アイマル・スベルディア(スペイン、レディオシャック)が合流した。

総合表彰台、左から3位レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)、優勝ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)、2位シャビエル・トンド(スペイン、サーヴェロ・テストチーム)総合表彰台、左から3位レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)、優勝ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)、2位シャビエル・トンド(スペイン、サーヴェロ・テストチーム) photo:www.voltacatalunya.catロワ=スベルディアの2人は、最大3分のリードを得てシルクイート・デ・カタルーニャに突入。しかしスプリンターチームの集団牽引によって、逃げグループのリードは縮小して行く。結局先頭の2人はゴールまで8kmを残して捕らえられ、大集団によるスプリント勝負に持ち込まれた。

積極的に集団を牽いたのはチームミルラム。しかし弟ルーカスセバスティアン・アエドに発射された兄フアンホセ・アエドが、ロベルト・フェルスター(ドイツ、チームミルラム)らを打ち破って勝利。サクソバンクが第4ステージに続く大会2勝目を飾った。

チーム総合成績トップに輝いたカチューシャチーム総合成績トップに輝いたカチューシャ photo:www.voltacatalunya.catサクソバンクのダン・フロスト監督はチーム公式サイトの中で「パーフェクトなフィニッシュだった。レース終盤に落車が発生したが、アエド兄弟は集団前方に位置していたので問題無し。最後の数百メートルはJJ(フアンホセ・アエド)が最速だった。サクソバンクはステージ2勝でステージ2位が1回。素晴らしい1週間だった。選手たちは快適に、そしてリラックスして次のレースに挑むことだろう」と語っている。

サクソバンクはこの1週間のうちに、カタルーニャ第4ステージドワーズ・ドア・フラーンデレントラック世界選手権スクラッチE3プライス・フラーンデレン、そしてこのカタルーニャ最終ステージで優勝。今シーズンの通算勝利数を7に伸ばした。

総合優勝は、第3ステージで逃げ切りを成功させ、そこで築いた総合リードを最後まで守り抜いたホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)。スペインのケースデパーニュからロシアのカチューシャに移籍したロドリゲスが、大会初制覇を達成した。プロツアー/ヒストリカルレースでの勝利は2009年のティレーノ〜アドリアティコ第4ステージぶり。

ロドリゲスは「この勝利に大きな幸せを感じている。ステージレースで総合優勝するのはキャリアで2度目なんだ。次の目標レースはブエルタ・アル・パイス・バスコ。ステージ優勝と総合成績を狙って出場するよ。そしてその後にアルデンヌ・クラシックが続く。特にフレーシュ・ワロンヌに狙いを定めている」とコメント。高い登坂力が武器のロドリゲスは、起伏のあるワンディクラシックも得意としており、昨年リエージュ〜バストーニュ〜リエージュで2位、ロード世界選手権で3位に。今年はセルゲイ・イワノフ(ロシア)やキム・キルシェン(ルクセンブルク)、アレクサンドル・コロブネフ(ロシア)らと共にアルデンヌ・クラシック制覇を目指す。

レース展開はレース公式サイト、選手コメントは各チーム公式サイトより。

ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2010第7ステージ結果
1位 フアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク)       2h32'21"
2位 ロベルト・フェルスター(ドイツ、チームミルラム)
3位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル)
4位 ダヴィデ・ヴィガーノ(イタリア、チームスカイ)
5位 ルーカスセバスティアン・アエド(アルゼンチン、サクソバンク)
6位 アイトール・ガルドス(スペイン、エウスカルテル)
7位 マヌエル・カルドソ(ポルトガル、フットオン・セルヴェット)
8位 ポール・ヴォス(ドイツ、チームミルラム)
9位 アンドレアス・スタウフ(ドイツ、クイックステップ)
10位 ダヴィド・ロースリ(スイス、ランプレ)

個人総合時間
1位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)        25h16'03"
2位 シャビエル・トンド(スペイン、サーヴェロ・テストチーム)     +10"
3位 レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)          +43"
4位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)      +45"
5位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル)    +1'20"
6位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・トランジションズ)
7位 ミシェル・クレダー(オランダ、ガーミン・トランジションズ)   +1'21"
8位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)          +1'22"
9位 ヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア、レディオシャック)    +1'25"
10位 レミ・ディグレゴリオ(フランス、フランセーズデジュー)    +1'26"

山岳賞
ダビド・グティエレスグティエレス(スペイン、フットオン・セルヴェット)

チーム総合成績
カチューシャ

text:Kei Tsuji
photo:www.voltacatalunya.cat