ヨーロッパ最大の有料放送企業スカイが、2019年限りで自転車競技からの撤退をアナウンスした。潤沢なバックアップを得て活動してきたチームスカイは一転、2020年以降のスポンサー探しを強いられることとなった。



チームスカイチームスカイ photo:Kei Tsuji
プレスリリースによれば、自転車競技からの撤退理由は「チームスカイとイギリスナショナルチームへの長年のパートナーシップの結果(=市場価値)に満足できなかった(スカイCEOジェレミー・ダロック氏)」ため。同じくチームの保有権を持つ21世紀フォックスもスポンサー活動を停止する。

「デイブ(ブレイルスフォード)と、彼が育て上げた才能溢れる選手たち、そしてチームスタッフに敬意を表したい。彼らの功績は数年前に夢見ていたことを上回っていたはず。私たちと共に歩んでくれたことに感謝をし、そして残る1年を共にすることを楽しみにしている(同)」。

スカイは2008年、イギリスナショナルチームへのスポンサードを皮切りに、2010年のチームスカイ創設・10年間に渡るスポンサードなどイギリス自転車競技界に深く携わってきた存在。その中でチームスカイは8度のグランツール制覇、52回のステージレース優勝、25回のワンデーレース優勝など合計322勝を収めていた。

チームスカイのGMを務めるデイヴ・ブレイルスフォード氏はプレスリリースの中で「スカイとの関係は来年で終了するが、新しいパートナーを迎える可能性も開かれている」と、新スポンサーを迎えて2020年以降も活動を継続する見込みについても言及。しかしゲラント・トーマスやクリス・フルーム(共にイギリス)というツール・ド・フランス覇者2人を抱えるチームの年間運営予算は50億円超とも言われ、2020年以降の選手放出による規模縮小、場合によってはチーム解散も考えられる。チームは9月にトーマスとの契約延長(2021年までの3年間)を発表していた。

text:So.Isobe