2012年の全日本王者、土井雪広(マトリックスパワータグ)が現役引退を発表。ヨーロッパと日本を中心に15年間走り続けてきたベテランがプロ生活にピリオドを打った。



土井雪広(マトリックスパワータグ)土井雪広(マトリックスパワータグ) photo:Makoto.AYANO
1983年生まれ、現在35歳の土井は2004年にシマノとプロ選手契約を結び、翌年チームシマノメモリーコープでプロデビュー。スキルシマノ、アルゴス・シマノと名称を変えたチームに2012年まで在籍し、その中で全日本選手権優勝(2012年)と日本人初のブエルタ・ア・エスパーニャ出場・完走(2011年、2012年)を叶えるなど日本トップクラスの選手として名を轟かせた。

2013年からは活躍の場を国内に移し、チーム右京とマトリックスパワータグに3年ずつ籍を置きつつチームのJプロツアー総合優勝や、後進の育成にも力を注いできた。プロキャリアは15年に及び、最終勝利は昨年のJプロツアー第21戦おおいたサイクルロードレースだった。

2012年の全日本選手権で勝利した土井雪広(当時アルゴス・シマノ)2012年の全日本選手権で勝利した土井雪広(当時アルゴス・シマノ) photo:Hideaki.TAKAGI2011年と2012年にはブエルタ・ア・エスパーニャに出場し完走2011年と2012年にはブエルタ・ア・エスパーニャに出場し完走 photo:Kei Tsuji


引退の理由について土井は「高いモチベーションを保つことの難しさや体力の低下を2018年シーズンは強く感じることとなりました。それに伴い、2019年シーズン以降トップ選手として走り続けるのは厳しいと判断し、引退を決断しました」とコメントしている。

土井雪広(マトリックスパワータグ)土井雪広(マトリックスパワータグ) (c)Doichan.cycling土井雪広のコメント

自転車のレースに出始めてから26年、プロ選手としては15年の時間を自転車に費やしてきました。まずは関わった皆さまに心から感謝を申し上げたいと思います。

日本へ帰国してから、日本の若手選手の育成や所属チームの結果を第一に考え、まだまだ出来ると自分に言い聞かせて走ってきました。

Team UKYO、マトリックスパワータグではジャパンプロツアーの年間総合チャンピオンチームになることができました。しかし高いモチベーションを保つことの難しさや体力の低下を2018年シーズンは強く感じることとなりました。それに伴い、2019年シーズン以降トップ選手として走り続けるのは厳しいと判断し、引退を決断しました。

今まで数々のワールドツアー、ヨーロッパツアー、アジアツアー、アメリカツアー、オセアニアツアーと世界中のトップカテゴリーで走り続けられたのは、これまで関わった全ての皆さまあってのことです。皆さまには感謝しかありません。

今後の活動は現時点では発表は出来ませんが、2019年以降もレース会場で、ファンの皆さまと目線を揃え、今後の日本の自転車ロードレースを応援し、盛り上げていきたいと思っています。

皆さま長い間沢山の応援ありがとうございました。



土井雪広プロフィール
自転車ロードレース選手
生年月日:1983年9月18日
出身:山形県
身長/体重:169cm/60kg

経歴
2004年 株式会社シマノとプロ選手契約
2005年 チームシマノメモリーコープ
2006年-2011年 スキルシマノプロフェッショナルサイクリングチーム
2012年 チームアルゴス・シマノ
2013年-2015年 Team UKYO
2016年-2018年 チームマトリックスパワータグ

戦歴
2001年 全日本選手権自転車競技大会ロードレースジュニア 優勝
2003年 門田杯U-23ロードレース 優勝
2003年 全日本学生選手権個人ロードレース 優勝
2003年 全日本大学対抗選手権 自転車ロードレース(インカレロード) 優勝
2003年 ツール・ド・北海道 新人賞
2003年 全日本選手権自転車競技大会ロードレース U-23 2位
2003年・2004年 チャレンジサイクルロードレース U-23 優勝

2006年 UCIアジアツアー2.2 Tour of Siam 個人総合2位
2007年 UCIアジアツアー2.HC Tour of Langkawi 個人総合8位
2008年 ジャパンカップサイクルロードレース アジア人最優秀賞
2010年 UCIヨーロッパツアー2.HC Presidential Cycling Tour of Turkey 個人総合6位
2010年 世界選手権自転車ロードレース オーストラリア大会 完走
2010年 UCIアジアツアー2.HC Tour of Hainan 個人総合8位

2011年 UCIワールドツアー ブエルタ・ア・エスパーニャ (ツール・ド・スペイン)
 ※日本人として初出場・完走
2012年 全日本選手権自転車競技大会ロードレース エリート 優勝
2012年 UCIワールドツアー ブエルタ・ア・エスパーニャ (ツール・ド・スペイン)
※2年連続出場・完走

2013年 UCIアジアツアー2.2 ツール・ド・熊野 個人総合5位
2013年 UCIアジアツアー2.2 Tour of East Java 個人総合4位
2013年 ジャパンプロツアー 年間個人総合ポイントランキング2位
2014年 UCIアジアツアー2.1 Tour of Iran 個人総合10位
2014年 世界選手権自転車ロードレース スペイン大会 出場
2014年 アジア選手権自転車ロードレース カザフスタン大会 出場
2015年 UCIアジアツアー2.1 ツール・ド・台湾 個人総合6位
2017年 UCIアジアツアー2.2 ツール・ド・栃木 個人総合10位
2017年 ジャパンプロツアー大分大会 優勝
2017年 ジャパンプロツアー 年間個人総合ポイントランキング4位