11月4日(日)に行われたさいたまクリテリウムで、アルカンシエル獲得後の初勝利を飾ったアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)。翌日、シーズンオフに入ったバルベルデに東京でインタビューを行った。
インタビューに応えるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:Makoto.AYANO
レースを終えてなお続く過密スケジュールの合間を縫ってインタビューに応じてくれたバルベルデ。約束の時間になっても現れず、担当者さえ連絡がつかないという事態になったが、2時間近く遅刻しての登場となった。しかも当初は着の身着のままという私服スタイルで登場、担当者をおおいに困らせた(チーム規則で指定のウェアを着ることになっている)。場所は東京駅近くのフォーシーズンズホテルのスウィートルーム。
アルカンシェルを着てさいたまクリテリウムを走ったアレハンドロ・バルベルデ(モビスター) photo:Makoto.AYANO
世界チャンピオンを獲得した世界選手権ロードをはじめ、今季のレース、アルカンシエルを着て挑む来シーズンのレースについても聞いた。
―来年のグランツールはジロ・デ・イタリアとブエルタ・ア・エスパーニャに出ると表明していますね。ツール・ド・フランスには出ない?
さいたまクリテリウムで自作フラッグ&イラストで応援するバルベルデのファン photo:Makoto.AYANO今のところはその予定だよ。
―それはなぜでしょう?
毎年、何か変化を持たせたくて、変化を持たせるためには今年ツールに出ないことにしたんだ。ジロもブエルタも大好きだから、来年のグランツールはその2つに出場するよ。
―まだツール・ド・フランスでは総合優勝を果たしていませんが、来年はチャレンジしないのでしょうか?
(少し考えてから) ツールはすごく難しくて、正直な話、勝つことは自分にはほぼ不可能だとも思っているんだ。
インタビューに応えるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:Makoto.AYANO
―ロンド・ファン・フラーンデレン(ツール・デ・フランドル)への出場を表明しましたね。それは新しいチャレンジでしょうか。
そう。来年はロンド・ファン・フラーンデレンに挑戦する。もう来年のレースカレンダーにちゃんと入れているよ。アルカンシエルを着てフランドルを走りたいんだ。
―今までロンドには出場していませんね。パヴェ(石畳)は得意なんでしょうか? それとも不得意?
嫌いではない。結構好きだけど、正直自分よりうまい選手がいるのはわかっているし、大きくてパワーがある選手たちのほうがパヴェでは速いのもわかっている。
ー パリ〜ルーベはどうですか?
ノー! (笑)。
世界選手権優勝記念ボードを前にインタビューに応えるバルベルデ photo:Makoto.AYANO
てんげるまんさんによる「ユイの壁」に扮したハリボテの応援にバルベルデ本人も上機嫌 ―ロンド・ファン・フラーンデレンに出場するとなると、アルデンヌ・クラシックとの兼ね合いはどうしますか? 得意のフレーシュ・ワロンヌやリエージュ〜バストーニュ〜リエージュに影響するのではないですか?
それはジロ・デ・イタリアに向けてのカレンダーにもよるけれど、今のところツアー・ダウンアンダー、アブダビツアー、少し休んでボルタ・ア・カタルーニャ、ロンド・ファン・フラーンデレン、フレッシュ・ワロンヌ、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ、そしてジロと予定している。
―フレーシュ・ワロンヌでジュリアン・アラフィリップに負けました。しかし世界選手権ではアラフィリップとロマン・バルデのフランス組に勝ちましたね。その違いは何だったのでしょう?
フレーシュ・ワロンヌは距離が短かい。アラフィリップに負けたけれど2位だったし、自分も勝負に絡んでいての2位。そんなに大差があるとは思っていない。世界選手権では自分の方が彼より調子が良かったんだ。世界選は距離が260kmで獲得標高も5,000mある。レース的にも完全に違うから、それも大きかった。
―エンデュランス能力(持久力)の差だったというわけですね。フレーシュでは負けたけれどもユイの壁の上り区間だけのタイムは優勝した時と変わっていません。4度の勝利のタイムとほぼ同じ。それはアラフィリップがシンプルに強かったということを意味しますか?
今年は特にアラフィリップが強かったのはもちろんだけど、一番の原因は、例年のようには位置取りが上手くいかなかったんだ。後手を踏んでしまって、最後は結構差を縮めたけど、それが限界だった。アラフィリップのようにスピードがあって強い選手だったら2、3m離されただけでそれを縮めるのはほぼ不可能で、僕もいっぱいいっぱいだったんだ。
「アラフィリップとの差2、3mをどうしても詰めることができなかった」 photo:Makoto.AYANO
―38歳。年令を重ねても強さを保つために心がけていることはありますか?
常に精神的にいい状態にいて、自分が居心地がいい状態を保つのが大事。トレーニングはもちろん、トレーニング以外のときは家族と過ごしたり自分の生活を大事にするのがモチベーションに繋がっているんだ。
アレハンドロ・バルベルデが駆るキャニオンのバイク&エキップメント
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)が駆るキャニオンULTIMATE CF SLX photo:Makoto.AYANO
トップチューブ上には世界チャンピオン獲得を示すレターが入る
フィジークANTARESサドルには虹色のストライプが入る
愛用するカンパニョーロBORAULTRAホイールのロゴも虹色だ
ルックペダルの裏にもVALVELDE photo:Makoto.AYANO
バルベルデのサインが入れられたABUSのヘルメット
バルベルデのサインが入れられたフィジークのシューズ
interview:綾野 真/Makoto AYANO, Akane.IKENO
取材協力:キャニオン/Canyon Bicycles

レースを終えてなお続く過密スケジュールの合間を縫ってインタビューに応じてくれたバルベルデ。約束の時間になっても現れず、担当者さえ連絡がつかないという事態になったが、2時間近く遅刻しての登場となった。しかも当初は着の身着のままという私服スタイルで登場、担当者をおおいに困らせた(チーム規則で指定のウェアを着ることになっている)。場所は東京駅近くのフォーシーズンズホテルのスウィートルーム。

世界チャンピオンを獲得した世界選手権ロードをはじめ、今季のレース、アルカンシエルを着て挑む来シーズンのレースについても聞いた。
―来年のグランツールはジロ・デ・イタリアとブエルタ・ア・エスパーニャに出ると表明していますね。ツール・ド・フランスには出ない?

―それはなぜでしょう?
毎年、何か変化を持たせたくて、変化を持たせるためには今年ツールに出ないことにしたんだ。ジロもブエルタも大好きだから、来年のグランツールはその2つに出場するよ。
―まだツール・ド・フランスでは総合優勝を果たしていませんが、来年はチャレンジしないのでしょうか?
(少し考えてから) ツールはすごく難しくて、正直な話、勝つことは自分にはほぼ不可能だとも思っているんだ。

―ロンド・ファン・フラーンデレン(ツール・デ・フランドル)への出場を表明しましたね。それは新しいチャレンジでしょうか。
そう。来年はロンド・ファン・フラーンデレンに挑戦する。もう来年のレースカレンダーにちゃんと入れているよ。アルカンシエルを着てフランドルを走りたいんだ。
―今までロンドには出場していませんね。パヴェ(石畳)は得意なんでしょうか? それとも不得意?
嫌いではない。結構好きだけど、正直自分よりうまい選手がいるのはわかっているし、大きくてパワーがある選手たちのほうがパヴェでは速いのもわかっている。
ー パリ〜ルーベはどうですか?
ノー! (笑)。


それはジロ・デ・イタリアに向けてのカレンダーにもよるけれど、今のところツアー・ダウンアンダー、アブダビツアー、少し休んでボルタ・ア・カタルーニャ、ロンド・ファン・フラーンデレン、フレッシュ・ワロンヌ、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ、そしてジロと予定している。
―フレーシュ・ワロンヌでジュリアン・アラフィリップに負けました。しかし世界選手権ではアラフィリップとロマン・バルデのフランス組に勝ちましたね。その違いは何だったのでしょう?
フレーシュ・ワロンヌは距離が短かい。アラフィリップに負けたけれど2位だったし、自分も勝負に絡んでいての2位。そんなに大差があるとは思っていない。世界選手権では自分の方が彼より調子が良かったんだ。世界選は距離が260kmで獲得標高も5,000mある。レース的にも完全に違うから、それも大きかった。
―エンデュランス能力(持久力)の差だったというわけですね。フレーシュでは負けたけれどもユイの壁の上り区間だけのタイムは優勝した時と変わっていません。4度の勝利のタイムとほぼ同じ。それはアラフィリップがシンプルに強かったということを意味しますか?
今年は特にアラフィリップが強かったのはもちろんだけど、一番の原因は、例年のようには位置取りが上手くいかなかったんだ。後手を踏んでしまって、最後は結構差を縮めたけど、それが限界だった。アラフィリップのようにスピードがあって強い選手だったら2、3m離されただけでそれを縮めるのはほぼ不可能で、僕もいっぱいいっぱいだったんだ。

―38歳。年令を重ねても強さを保つために心がけていることはありますか?
常に精神的にいい状態にいて、自分が居心地がいい状態を保つのが大事。トレーニングはもちろん、トレーニング以外のときは家族と過ごしたり自分の生活を大事にするのがモチベーションに繋がっているんだ。
アレハンドロ・バルベルデが駆るキャニオンのバイク&エキップメント







interview:綾野 真/Makoto AYANO, Akane.IKENO
取材協力:キャニオン/Canyon Bicycles
Amazon.co.jp