大分県大分市でUCIクリテリウム「おおいた いこいの道クリテリウム」が開催され、大分市出身の黒枝咲哉(シマノレーシング)がスプリントを制して優勝した。



「おおいた いこいの道クリテリウム」は、今年5回目の開催。これまではJプロツアーをメインレースとした大会だったが、今年は翌日に開催されるロードレース「おおいたアーバンクラシック」と共に国際レースに昇格しての開催となった。(ちなみにこのクリテリウムはUCIクリテリウムとしての開催だが、UCIポイントは付与されない)

JR大分駅前を折り返す集団JR大分駅前を折り返す集団 photo:Satoru Kato
ニットのマイ・ウェアでパレードを走った大分市の佐藤樹一郎市長ニットのマイ・ウェアでパレードを走った大分市の佐藤樹一郎市長 photo:Satoru Kato大会アンバサダーの前園真聖氏を交えてのトークショー大会アンバサダーの前園真聖氏を交えてのトークショー photo:Satoru Kato

会場はJR大分駅から南に伸びる大通り「いこいの道」に設定された1周1kmの周回コース。大分駅前の180度折り返しと、4つのコーナーで構成される。高低差ゼロのフラットコースは、これまでもスプリントで勝負がついてきた。スタート・フィニッシュはゆるやかな右カーブの先にあり、最後の位置取りが勝敗に大きく影響する。

大分市は朝から秋晴れの青空が広がった。日中の最高気温は22度に足りないくらいだったが、日差しが強く暑さを感じるほどの1日だった。



黒枝咲哉が得意のスプリントで地元レースを制する

スタート前のチームプレゼンテーションには多くの観客が集まったスタート前のチームプレゼンテーションには多くの観客が集まった photo:Satoru Katoポディウムガールがスタート10分前を告げるポディウムガールがスタート10分前を告げる photo:Satoru Kato

クリテリウム スタートクリテリウム スタート photo:Satoru Kato
30周30kmのレースは正午すぎにスタート。序盤から大分市出身の黒枝咲哉を擁するシマノレーシングが、集団前方で主導権を握ろうとする。咲哉の兄・士揮を擁する愛三工業レーシングチームも集団前方に上がって主導権を争い、さらに他のチームも加わってレースはハイスピードで進行していく。単独で飛び出す動きもあるものの、1周続かずに吸収。集団は大きく崩れないままレースが進行していく。

レース序盤からシマノレーシングがレースの主導権を握ろうと動くレース序盤からシマノレーシングがレースの主導権を握ろうと動く photo:Satoru Katoレース中盤以降、様々なチームが主導権を争うレース中盤以降、様々なチームが主導権を争う photo:Satoru Kato

途中4回設定されたスプリント賞は、1回目を阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)、残り3回をトビー・オーチャード(オーストラリアン・サイクリング・アカデミー・ライド・サンシャイン・コースト)が獲る。

最後のスプリント賞が終わると、フィニッシュに向けて各チームが位置取り争いを開始。オーストラリアン・サイクリング・アカデミー・ライド・サンシャイン・コーストが列車を組んで最終周回に入っていく。

残り10周を切ると、オーストラリアン・サイクリング・アカデミー・ライド・サンシャイン・コーストが主導権を取りに行く残り10周を切ると、オーストラリアン・サイクリング・アカデミー・ライド・サンシャイン・コーストが主導権を取りに行く photo:Satoru Katoレース終盤、集団前方に位置取る黒枝咲哉(シマノレーシング)レース終盤、集団前方に位置取る黒枝咲哉(シマノレーシング) photo:Satoru Kato

スプリントを制した黒枝咲哉(シマノレーシング)が優勝スプリントを制した黒枝咲哉(シマノレーシング)が優勝 photo:Satoru Kato
そして残り50m、サミュエル・ウェルスフォード(オーストラリアン・サイクリング・アカデミー・ライド・サンシャイン・コースト)、ダミアーノ・チーマ(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)、黒枝士揮、黒枝咲哉らが先頭で姿を現す。緩やかな右カーブのアウト側から黒枝咲哉のスプリントが伸び、フィニッシュゲートをくぐると両手を大きく広げた。

直後にウェルスフォードとチーマが接触し、チーマが落車。それに黒枝士揮が巻き込まれてしまうアクシデントがあった。後方から集団が続いていたものの、2人以外の選手が巻き込まれなかったのは幸いだった。

優勝した弟を握手で祝福する黒枝士揮(愛三工業レーシングチーム)優勝した弟を握手で祝福する黒枝士揮(愛三工業レーシングチーム) photo:Satoru Kato「地元で勝てるなんて奇跡ですね」と言う黒枝咲哉。

「残り2周くらいから5・6番手につけて180度ターンで番手を落とさないように気をつけていました。他のチームも単騎の勝負になっていたのですが、信頼出来る兄貴の後ろにビッタリつけていました。NIPPOのチーマが強いとわかっていたので、チーマだけ前に入れて5番手で最終コーナーをクリアしました。残り200mから兄貴が発射し、そのまま伸びきれば兄貴が優勝でしたが、チーマが自分かになりました。最後は自分の持ち味であるダッシュでまくって勝てました」と、最後のスプリントまでを振り返る。

表彰式 優勝の黒枝咲哉(シマノレーシング)と、2位のサミュエル・ウェルスフォード(オーストラリアン・サイクリング・アカデミー・ライド・サンシャイン・コースト)表彰式 優勝の黒枝咲哉(シマノレーシング)と、2位のサミュエル・ウェルスフォード(オーストラリアン・サイクリング・アカデミー・ライド・サンシャイン・コースト) photo:Satoru Katoスプリント賞は、阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)と、トビー・オーチャード(オーストラリアン・サイクリング・アカデミー・ライド・サンシャイン・コースト)スプリント賞は、阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)と、トビー・オーチャード(オーストラリアン・サイクリング・アカデミー・ライド・サンシャイン・コースト) photo:Satoru Kato

「チーマを含め、他チームの動きをうまく利用できましたが。出来れば最後までチームのコントロールで行きたかったのです。それは今後の課題ですね」と、反省点も挙げる。

「会う人みんなに『頑張れよ!』って言われて、一緒にレースを走る他チームからも『今日は頑張れよ』って言われて、プレッシャーは感じていましたが、それをはね除けて勝てたので良かったです。地元大好きなので、今回は行けるんじゃないかと思っていたところもありますが。明日はハードなレースになると思うので、今日アシストしてもらった分チームメイトをアシストして、自分が残れれば上位に食い込んでいきたいです」と語った。
おおいた いこいの道クリテリウム 結果(30km)
1位 黒枝咲哉(シマノレーシング) 40分59秒
2位 サミュエル・ウェルスフォード(オーストラリアン・サイクリング・アカデミー・ライド・サンシャイン・コースト) +0秒
3位 ダミアーノ・チーマ(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)
4位 中島康晴(キナンサイクリングチーム)
5位 黒枝士揮(愛三工業レーシングチーム)
6位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
スプリント賞
10周目:阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)
15・20・25周目:トビー・オーチャード(オーストラリアン・サイクリング・アカデミー・ライド・サンシャイン・コースト)



JBCFレース 結果

JBCFレース E1フィニッシュ JBCFレース E1フィニッシュ photo:Satoru KatoJBCFレース FフィニッシュJBCFレース Fフィニッシュ photo:Satoru Kato

JBCFレース  E2表彰式JBCFレース  E2表彰式 photo:Satoru KatoJBCFレース E3表彰式JBCFレース E3表彰式 photo:Satoru Kato
E1(25km)
1位 武井 裕(アーティファクトレーシングチーム) 36分9秒
2位 雑賀大輔(湾岸サイクリングユナイテッド) +0秒
3位 八幡光哉(FORCE)
4位 石井祥平(アーティファクトレーシングチーム)
5位 小林 亮(soleil de lest) +1秒
6位 生田目修(イナーメ信濃山形-EFT)
E2(15km)
1位 川口照悟(PARABORAイワイシーガル) 22分15秒
2位 左迫間昭一(チームGINRIN熊本) +0秒
3位 水町勝彦(PARABORAイワイシーガル) +1秒
4位 服部和樹(SAUCE DEVELOPMENT) +2秒
5位 木本譲司(エイル宮崎)
6位 武富正芳(チームGINRIN熊本)
E3(10km)
1位 竹山和輝(Team Sciroco) 14分47秒
2位 中村将也(TEAM all out) +2秒
3位 松浦広明(エキップ ティラン)
4位 中村 典(VC FUKUOKA(エリート) +3秒
5位 江頭 潤(津末レーシング)
6位 中田辰朗(山口県自転車競技連盟・GRP)
F(15km)
1位 仲村陽子(竹芝サイクルレーシング) 26分2秒
2位 森本保乃花(TEAM all out) +0秒
3位 根岸恵美(チーム岡山)
text&photo:Satoru Kato

最新ニュース(全ジャンル)