宇都宮の熱狂まで1ヶ月。東京都内でジャパンカップの記者発表が開催され、出場選手などの概要が発表された。ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ)やジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード)ら、今年も若手からベテランまで豪華なラインアップが出揃った。



宇都宮市のマスコット、ミヤリーと佐藤市長を囲んでのフォトセッション宇都宮市のマスコット、ミヤリーと佐藤市長を囲んでのフォトセッション photo:Makoto.AYANO
2018年10月19日(金)から21日(日)の3日間で開催されるジャパンカップサイクルロードレースまで1ヶ月。東京・恵比寿のSUBARU STAR SQUAREで記者発表会が行われ、その概要や出場選手が発表された。大会実行委員長を務める佐藤栄一宇都宮市長、日本自転車競技連盟副会長の大島研一氏、宇都宮ブリッツェンGMの廣瀬佳正氏、ツアー・オブ・ジャパンイベントディレクターの栗村修さんが出席した。

佐藤栄一宇都宮市長・大会実行委員会会長が挨拶佐藤栄一宇都宮市長・大会実行委員会会長が挨拶 photo:Makoto.AYANOMCアリーさんの進行のもと栗村修さん、廣瀬佳正さんが出場チームを発表MCアリーさんの進行のもと栗村修さん、廣瀬佳正さんが出場チームを発表 photo:Makoto.AYANO

出場チームのバイクとジャージがディスプレイされた出場チームのバイクとジャージがディスプレイされた photo:Makoto.AYANO宇都宮市のPRブースも登場した宇都宮市のPRブースも登場した photo:Makoto.AYANO


事前の発表通り、今年の参加チームは全21チーム。土曜日に開催されるクリテリウムには例年通りスペシャルチームが組まれ、合計22チームが宇都宮の熱狂の中を駆け抜ける。

海外チームはUCIワールドチームが5(BMCレーシング、ミッチェルトン・スコット、EFエデュケーションファースト・ドラパック、ロットNLユンボ、トレック・セガフレード)で、UCIプロコンチネンタルチームは3(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニとノボ ノルディスク、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア)、そしてUCIコンチネンタルチームは4(オーストラリアンサイクリングアカデミー・ライドサンシャインコースト、リュブリャナ・グスト、タイランドコンチネンタルチーム、トレンガヌ・サイクリングチーム、セブンイレブン・ロードバイクフィリピン)。

前発表段階では2チームが保留段階だったが、新たにウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリアとセブンイレブン・ロードバイクフィリピンが加わることが発表された。UCIの規則改正(HCクラスの参加人数が120名以上に)に伴って参加チームが増え、かつ各チーム1名増(5名→6名)となることで選手数は昨年比1.8倍となる。より一層の盛り上がり、あるいはチーム力を活かした例年と異なる展開に期待できそうだ。

昨年土日連続優勝したマルコ・カノラ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)昨年土日連続優勝したマルコ・カノラ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Kei Tsuji
昨年のツアー・オブ・カリフォルニアを制したジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ)昨年のツアー・オブ・カリフォルニアを制したジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ) photo:CorVos昨年大会で逃げに乗り、4位に入ったアントワン・トルホーク(オランダ、ロットNLユンボ)昨年大会で逃げに乗り、4位に入ったアントワン・トルホーク(オランダ、ロットNLユンボ) photo:CorVos


迎え撃つ国内チームは地元宇都宮ブリッツェンと那須ブラーゼンを筆頭に、キナンサイクリングチーム、チーム右京、マトリックスパワータグ、チームブリヂストンサイクリング、シマノレーシング、そして日本ナショナルチームという8チーム。なお、昨年表彰台を射止めたブリッツェンはチーム創設10年で初めて、通常とは異なる真紅のスペシャルジャージをジャパンカップのために用意する。

ディフェンディングチームのNIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニはまだ選手リストを確定させていないが、昨年土日連続優勝を飾ったマルコ・カノラ(イタリア)や、世界選手権代表入りした中根英登ら日本人選手の出場に期待。日本・イタリア混成チームとしてフルメンバーで2年連続勝利を狙ってくることは間違いない。

クリテリウム3勝目に期待が掛かる別府史之(トレック・セガフレード)クリテリウム3勝目に期待が掛かる別府史之(トレック・セガフレード) (c)CorVosツール・ド・フランスのパヴェステージで勝利したジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード)ツール・ド・フランスのパヴェステージで勝利したジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード) photo:Luca Bettini

総合力の高いニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシング)総合力の高いニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシング) photo:Tim de Waele / TDWsport現役ラストレースにジャパンカップを選んだサイモン・ゲランス(オーストラリア、BMCレーシング)現役ラストレースにジャパンカップを選んだサイモン・ゲランス(オーストラリア、BMCレーシング) photo:Kei Tsuji


日曜日に向けてクライマーを揃えてきたのはロットNLユンボだ。5月のジロ・デ・イタリアで総合8位に入り、アシストとしてブエルタ・ア・エスパーニャを完走したジョージ・ベネット(ニュージーランド)を筆頭に、昨年大会で逃げに乗り4位となったアントワン・トルホーク、昨年のクリテリウム・デュ・ドーフィネでステージ優勝を挙げたクーン・ボウマンというオランダの若手クライマー2人が脇を固める。タフコンディションに強い元シクロクロス世界王者のラース・ボーム(オランダ)にも注目だ。

クリテリウム3勝目に期待が掛かる別府史之(日本)は、ツール・ド・フランスの石畳ステージで勝利したことも記憶に新しいジョン・デゲンコルブ(ドイツ)、登坂力とパンチ力を兼ね備えるファビオ・フェッリーネ(イタリア)らビッグネームを引き連れての凱旋となる。ビデオレターの中で別府は「今年はジョンが土曜日、パンチ力のあるフェリーネが日曜日にチャンスがあるでしょう。非常に楽しみなジャパンカップになる」とコメントをしている。

現チーム名でのラストレースとなるBMCレーシングはベテランと若手をミックスした布陣だ。総合力のあるニコラス・ロッシュ(アイルランド)やアルベルト・ベッティオール(イタリア)を中心とした展開を採るだろう。輝かしい戦績を誇る38歳のサイモン・ゲランス(オーストラリア)はこのジャパンカップを引退レースに選んでいる。ミッチェルトン・スコットの元パリ〜ルーベ覇者マシュー・ヘイマン(オーストラリア)もツアー・ダウンアンダー後の引退を発表しており、両雄の走りを目に焼き付けておきたい。

ツール・ド・ラヴニールを制したタデイ・ポガチャル(スロベニア、リュブリャナ・グスト・ザウラム)。来期はUAEチームエミレーツへの移籍を決めているツール・ド・ラヴニールを制したタデイ・ポガチャル(スロベニア、リュブリャナ・グスト・ザウラム)。来期はUAEチームエミレーツへの移籍を決めている photo:www.tourdelavenir.com
フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ・セッレイタリア)フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ・セッレイタリア) (c)CorVosツール・ド・ランカウイで総合優勝を飾ったアルチョム・オヴェチキン(ロシア、トレンガヌサイクリングチーム)ツール・ド・ランカウイで総合優勝を飾ったアルチョム・オヴェチキン(ロシア、トレンガヌサイクリングチーム) (c)www.ltdl.my


今回のダークホースはリュブリャナ・グスト・ザウラムに所属するタデイ・ポガチャル(スロベニア)だ。若手登竜門として知られるツール・ド・ラヴニールで総合優勝を飾り、6月に開催された自国最大のレース「ツアー・オブ・スロベニア」ではラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)らを上回って総合4位に。来年UAEチームエミレーツ加入を決めている19歳は、ジャパンカップ勝利をワールドツアーステップアップへの手土産にすることができるだろうか?ちなみに昨年のラヴニールではエガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ)が勝利を収めている。

またプロ31勝を飾っているベテラン、フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア)や、今年のツール・ド・ランカウイで総合優勝した現ロシアTT王者のアルチョム・オヴェチキン(トレンガヌ・サイクリングチーム)、ツール・ド・とちぎの総合優勝者マイケル・ポッター(オーストラリア、オーストラリアンサイクリングアカデミー・ライドサンシャインコースト)らも目立つ走りをしてくれることだろう。

クリテリウムスペシャルライダーズのメンバーとしてマヌエーレ・モーリの出場が発表されたクリテリウムスペシャルライダーズのメンバーとしてマヌエーレ・モーリの出場が発表された photo:Makoto.AYANO宇都宮ブリッツェンはジャパンカップ限定の特別ジャージで出場する宇都宮ブリッツェンはジャパンカップ限定の特別ジャージで出場する photo:Makoto.AYANO


また、クリテリウムスペシャルチームにはマヌエーレ・モーリ(UAEチームエミレーツ)の参加が決まっている。2007年の本戦で勝利しているが、2016年のクリテリウムで3位に入るなどスプリント力も抜群。競輪のスター選手たちとの共演に期待したい。
H3
2018ジャパンカップ出場チーム&選手(2018年9月19日現在)
☆=ロードレースのみ出場 ★=クリテリウムのみ出場
ワールドチーム
■BMCレーシング ■ミッチェルトン・スコット
アルベルト・ベッティオール(イタリア) マシュー・ヘイマン(オーストラリア)
アレクサンダー・エヴァンス(オーストラリア) ロブ・パワー(オーストラリア)
サイモン・ゲランス(オーストラリア) ジャック・ヘイグ(オーストラリア)
フレディ・オヴェット(オーストラリア) スヴェイン・タフト(カナダ)
ニコラス・ロッシュ(アイルランド) ブラヤン・チャベス(コロンビア)
ジョセフ・ロスコフ(アメリカ) ロバート・スタナード(オーストラリア)
■EFエデュケーションファースト・ドラパック ■ロットNLユンボ
ネイサン・ブラウン(アメリカ) ジョージ・ベネット(ニュージーランド)
ジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ) ラルス・ボーム(オランダ)
ローガン・オーウェン(アメリカ) クーン・ボウマン(オランダ)
ダニエル・モレーノ(スペイン) ダーン・オリヴィエ(オランダ)
サイラス・モンク(オーストラリア) フローリス・デティエ(ベルギー)
ホセ・フェルナンデス(ポーランド) アントワン・トルホーク(オランダ)
■トレック・セガフレード
エウジェニオ・アラファーチ(イタリア)
別府史之(日本)
クーン・デコルト(オランダ)
ジョン・デゲンコルプ(ドイツ)
ローラン・ディディエ(ルクセンブルク)
ファビオ・フェッリーネ(イタリア)
プロコンチネンタルチーム
■NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ ■ノボ ノルディスク
未定 ファビオ・カラブリア(オーストラリア)
ヨナス・ヘンッタラ(フィンランド)
ダヴィ・ロサノ(スペイン)
シャルル・プラネ(フランス)
ウンベルト・ポリ(イタリア)
クリストファー・ウィリアムズ(オーストラリア)
■ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア
フィリッポ・ポッツァート(イタリア)
ジュゼッペ・フォンツィ(イタリア)
ルーカ・ラッジオ(イタリア)
エドアルド・ザルディーニ(イタリア)
エウゲルト・ズパ(イタリア)
セバスチャン・ショーンベルゲル(オーストリア)
海外コンチネンタルチーム
■セブンイレブン・ロードバイクフィリピン ■オーストラリアンサイクリングアカデミー・ライドサンシャインコースト
未定 マイケル・ポッター(オーストラリア)
トビー・オーチャード(オーストラリア)
アシュリー・マカイ(オーストラリア)
ジョナソン・ノーブル(オーストラリア)
サム・ウェルスフォード(オーストラリア)
キャメロン・スコット(オーストラリア)
■リュブリャナ・グスト・ザウラム ■トレンガヌ・サイクリングチーム
タデイ・ポガチャル(スロベニア) モハメドシャルゥ・マットアミン(マレーシア)
ジガ・イエルマン(スロベニア) ヌルアミル・ファルディンマズキ(マレーシア)
ベンジャミン・ヒル(オーストラリア) マラルエルデネ・バトムンフ(モンゴル)
ジガ・ルチガイ(スロベニア) ゴー・チュンファン(シンガポール)
ヴィクトル・ポトチキ(クロアチア) アルチョム・オヴェチキン(ロシア)
ティモシー・ガイ(オーストラリア) メッケル・エヨブ(エリトリア)
■タイランド・コンチネンタルサイクリングチーム
アリヤ・フンサヴァト(ラオス)
ピーラボル・チャウチャンクワン(タイ)
ナブティ・リーフォンユー(タイ)
プーチョン・サイウドンシン(タイ)
サラウト・シリロンナチャイ(タイ)
スラキット・ブーンラタナタコーン(タイ)
国内コンチネンタルチーム
ナショナルチーム
■ジャパンナショナルチーム
未定
クリテリウム・スペシャルライダーズ
マヌエーレ・モーリ(UAEチームエミレーツ)
他未定

最新ニュース(全ジャンル)