ロンドン市内を駆けるツアー・オブ・ブリテン最終日にカレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)が待望の勝利。ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)は危なげなく総合首位を守りきった。
ロンドン中心部で開催された最終ステージ。各賞受賞選手が最前列に並ぶ photo:www.tourofbritain.co.uk
8日間に渡り開催されたツアー・オブ・ブリテン(UCI2.HC)もいよいよフィナーレ。ロンドン市内を駆け抜ける1周5.5kmの特設サーキットコースを14周回、合計77kmの短距離平坦ステージでスプリンターが火花を散らした。
ビッグ・ベンやトラファルガー広場、王立博物館、サマセット・ハウスといったロンドンを象徴する観光地前を駆け巡るコースでは、イギリス王者のコナー・スウィフト(マディソン・ジェネシス)や、シルヴァン・シャヴァネル(フランス、ディレクトエネルジー)らお馴染みのアタッカーに加え、クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)も逃げにトライ。しかし短距離ステージとあって集団の追撃も止まらず、45kmを残して抜け出したヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ)がようやくこの日最初の逃げらしい逃げを決めた。
スタート直後からアタック合戦が頻発。イギリス王者のコナー・スウィフト(マディソン・ジェネシス)が先頭に立つ photo:www.tourofbritain.co.uk
集団を牽引するクイックステップフロアーズ photo:www.tourofbritain.co.uk
沿道には無数のファンが集まった photo:www.tourofbritain.co.uk
TT巧者らしい一定ペースで逃げたキリエンカだったが、中間スプリントポイント賞を掛けたアレックス・ペイトン(イギリス、キャニオン・アイスベルグ)とマシュー・ホルムズ(イギリス、マディソン・ジェネシス)が集団を活性化させたことで吸収される。この時点で残りフィニッシュラインは残すところ10kmまで迫っており、抜け出しが生まれることなく集団一丸となってスプリントフィニッシュになだれ込んでいった。
クイックステップフロアーズやミッチェルトン・スコット、そしてボーナスタイム10秒を得て総合3位浮上を狙うパトリック・ベヴィン(ニュージーランド、BMCレーシング)らが先頭を固めて残り1.5km。先頭牽きから飛び出す形となったボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)は吸収され、ベヴィンの発射台を務めるジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク、BMCレーシング)先頭で最終コーナーをクリアした。
チームスカイ先頭でロンドンの目抜き通りを駆け抜ける photo:www.tourofbritain.co.uk
待望のスプリント勝利を挙げたカレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) photo:www.tourofbritain.co.uk
しかしドリュケールの後ろにベヴィンはおらず、理想的なラインを突っ切ったカレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)がスプリントを開始。フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)とアンドレ・グライペル(ベルギー、ロット・スーダル)は距離を空け、追撃したものの届かない。ここまで2位を重ねてきた”ポケットロケット”が待望の勝利を飾った。
フィニッシュライン上で顔を覆い、喜びを爆発させたユアンは「今季は正直上手くいかず、どうしても勝ちが欲しかった。モチベーションは高かったし、長い距離をもがききるだけの脚が今日の僕にはあった。混戦の中最高のポジションに導いてくれたチームには感謝しなければいけない。終盤はリードアウト役の選手も少なく、ドリュケールの番手について最高のラインを選ぶことができた。今回の勝利の意味は大きく、今後の僕の自信になってくれるはずだよ」と語っている。
キャリア2度目のステージレース総合優勝を飾ったジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) photo:www.tourofbritain.co.uk
各賞受賞選手やチームがステージ上に勢揃い photo:www.tourofbritain.co.uk
また、危なげなく走りきったジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)は総合優勝を達成。ステージレースにおけるアラフィリップの総合奪取は2016年のツアー・オブ・カリフォルニア以来キャリア2度目の出来事だ。
「レースに勝つのはいつだって最高。特に総合優勝はなおさらだ。今季は素晴らしいシーズンを過ごせていて、さらに今回勝てたのは最高に嬉しいよ。ツールの後はサンセバスティアンとクリテリウム数戦しか走っていないのに身体のパフォーマンスが良くて自分でも驚いているよ。この後のツール・ド・スロバキアと世界選手権、そしてロンバルディアに向けて良い自信になる」とアラフィリップは語っている。

8日間に渡り開催されたツアー・オブ・ブリテン(UCI2.HC)もいよいよフィナーレ。ロンドン市内を駆け抜ける1周5.5kmの特設サーキットコースを14周回、合計77kmの短距離平坦ステージでスプリンターが火花を散らした。
ビッグ・ベンやトラファルガー広場、王立博物館、サマセット・ハウスといったロンドンを象徴する観光地前を駆け巡るコースでは、イギリス王者のコナー・スウィフト(マディソン・ジェネシス)や、シルヴァン・シャヴァネル(フランス、ディレクトエネルジー)らお馴染みのアタッカーに加え、クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)も逃げにトライ。しかし短距離ステージとあって集団の追撃も止まらず、45kmを残して抜け出したヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ)がようやくこの日最初の逃げらしい逃げを決めた。



TT巧者らしい一定ペースで逃げたキリエンカだったが、中間スプリントポイント賞を掛けたアレックス・ペイトン(イギリス、キャニオン・アイスベルグ)とマシュー・ホルムズ(イギリス、マディソン・ジェネシス)が集団を活性化させたことで吸収される。この時点で残りフィニッシュラインは残すところ10kmまで迫っており、抜け出しが生まれることなく集団一丸となってスプリントフィニッシュになだれ込んでいった。
クイックステップフロアーズやミッチェルトン・スコット、そしてボーナスタイム10秒を得て総合3位浮上を狙うパトリック・ベヴィン(ニュージーランド、BMCレーシング)らが先頭を固めて残り1.5km。先頭牽きから飛び出す形となったボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)は吸収され、ベヴィンの発射台を務めるジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク、BMCレーシング)先頭で最終コーナーをクリアした。


しかしドリュケールの後ろにベヴィンはおらず、理想的なラインを突っ切ったカレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)がスプリントを開始。フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)とアンドレ・グライペル(ベルギー、ロット・スーダル)は距離を空け、追撃したものの届かない。ここまで2位を重ねてきた”ポケットロケット”が待望の勝利を飾った。
フィニッシュライン上で顔を覆い、喜びを爆発させたユアンは「今季は正直上手くいかず、どうしても勝ちが欲しかった。モチベーションは高かったし、長い距離をもがききるだけの脚が今日の僕にはあった。混戦の中最高のポジションに導いてくれたチームには感謝しなければいけない。終盤はリードアウト役の選手も少なく、ドリュケールの番手について最高のラインを選ぶことができた。今回の勝利の意味は大きく、今後の僕の自信になってくれるはずだよ」と語っている。


また、危なげなく走りきったジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)は総合優勝を達成。ステージレースにおけるアラフィリップの総合奪取は2016年のツアー・オブ・カリフォルニア以来キャリア2度目の出来事だ。
「レースに勝つのはいつだって最高。特に総合優勝はなおさらだ。今季は素晴らしいシーズンを過ごせていて、さらに今回勝てたのは最高に嬉しいよ。ツールの後はサンセバスティアンとクリテリウム数戦しか走っていないのに身体のパフォーマンスが良くて自分でも驚いているよ。この後のツール・ド・スロバキアと世界選手権、そしてロンバルディアに向けて良い自信になる」とアラフィリップは語っている。
ステージ結果
1位 | カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | 1h38'33" |
2位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) | |
3位 | アンドレ・グライペル(ベルギー、ロット・スーダル) | |
4位 | アンドレア・パスクァロン(イタリア、ワンティ・グループゴベール) | |
5位 | エイサン・ハイター(イギリス、イギリスナショナルチーム) | |
6位 | ディオン・スミス(ニュージーランド、ワンティ・グループゴベール) | |
7位 | ジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク、BMCレーシング) | |
8位 | ニルス・エークホフ(オランダ、サンウェブ) | |
9位 | パオロ・シモン(イタリア、バルディアーニCSF) | |
10位 | パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、BMCレーシング) |
個人総合成績
1位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) | 26h25'58" |
2位 | ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ) | +17" |
3位 | プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) | +33" |
4位 | パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、BMC レーシング) | +42" |
5位 | ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ) | +51" |
6位 | ヤシャ・ズッタリン(ドイツ、モビスター) | +58" |
7位 | ニールソン・ポーレス(アメリカ、ロットNLユンボ) | +1'10" |
8位 | ドミトリ・ストラコフ(ロシア、カチューシャ・アルペシン) | +1'21" |
9位 | クリス・ハミルトン(オーストラリア、サンウェブ) | +1'28" |
10位 | パスカル・エーンクホーン(オランダ、ロットNLユンボ) | +1'34" |
ポイント賞
1位 | パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、BMC レーシング) | 67pts |
2位 | エイサン・ハイター(イギリス、イギリスナショナルチーム) | 46pts |
3位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) | 44pts |
山岳賞
1位 | ニコラス・ドラミニ(南アフリカ、ディメンションデータ) | 49pts |
2位 | マシュー・ホームズ(イギリス、マディソン・ジェネシス) | 43pts |
3位 | コナー・スイフト(イギリス、マディソン・ジェネシス) | 39pts |
チーム総合成績
1位 | ロットNLユンボ | 78h42'01" |
2位 | モビスター | +05" |
3位 | クイックステップフロアーズ | +4'10" |
text:So.Isobe
photo:www.tourofbritain.co.uk
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