アストゥリアス山岳3連戦となる初日、ブエルタ・ア・エスパーニャ第13ステージは、ラ・カンペローナの登坂を制した地元エウスカディ・ムリアスの23歳オスカル・ロドリゲスがブエルタ初勝利。ヘスス・エラダが2位以下に約2分ほどのタイム差でマイヨロホをキープしている。



バスク地方の山岳地帯を走るブエルタのプロトンバスク地方の山岳地帯を走るブエルタのプロトン (c)CorVos
海沿いの都市カンダスを出発し進路は内陸へ、アストゥリアス州の山岳地帯へと足を踏み入れ1級山岳ラ・カンペローナ(全長8.3km/平均7.5%)の登坂ゴールという全長174.8kmで争ったブエルタ・ア・エスパーニャ第13ステージ。スタート直後からアタックがかかり、程なくして現れる3級山岳マデラ峠の登りを機に32人もの大きな逃げ集団が形成された。

逃げにはゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)、ディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング)、マークス・ブルグハート(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)、ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)、イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)、バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)などといった豪華メンバーが入りプロトンとの差を広げていく。

また山岳賞ジャージを着るルイス・マテマルドネス(スペイン、コフィディス)と、同賞2位につけるベンジャミン・キング(アメリカ、ディメンションデータ)もポイント狙いで逃げ集団へ。そんな中、個人総合で大幅に遅れを取っているロット・スーダルが山岳賞狙いと言わんばかりに5人もの人数を逃げに送り込み、トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)の山岳ポイント獲得を組織立ってサポートしていく。

マイヨロホのヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス)を先頭に行くメイン集団マイヨロホのヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス)を先頭に行くメイン集団 (c)CorVos
逃げ集団は快調なペースを刻み、中盤に現れる1級山岳タルナ峠(全長13km/平均5.8%)の登りに差し掛かる75km地点まででプロトンに対し最大9分30秒を稼ぎ出す。逃げメンバーの中で個人総合最上位につけるベンジャミン・キング(総合7分4秒遅れ)が一時はレースのバーチャルリーダーに。

その後マイヨロホを抱えるコフィディスに加え、総合上位陣を擁するモビスターやミッチェルトン・スコット、ロットNLユンボ、EFエデュケーションファースト・ドラパックも集団牽引に加わり逃げとのタイム差を縮めていく。タルナ峠の頂上、105km地点でその差は6分となる。

この1級山岳でもデヘントが1位通過で山岳ポイントを重ね、最終的に山岳賞順位を一つ上げた4位に。対してキングとマテマルドネスも2位、3位通過でポイントを加算している。

最終山岳で膠着状態にあったというメイン集団最終山岳で膠着状態にあったというメイン集団 (c)CorVos
逃げ集団とのタイムギャップを埋めていくメイン集団だったが、ラスト8kmの登りラ・カンペローナに差し掛かる時点でその差は3分45秒。先頭メンバーの逃げ切りが濃厚となった。人数を減らしていく逃げ集団の先頭でボーラ・ハンスグローエのブルグハートとジェイ・マッカーシー(オーストラリア)がマイカのためにペースを刻むと、さらにメンバーはふるいにかけられていく。

そこから勾配がきつくなった残り2km地点でマイカがアタック。メルハウィ・クドゥス(エリトリア、ディメンションデータ)が反応するものの追いつけず、トゥーンスのみがこの動きに付いていく。ステージ優勝はこの2人に絞られたかと思った矢先、自らのペースを崩さず後ろから追ってきたオスカル・ロドリゲス(スペイン、エウスカディ・ムリアス)がそのままのペースで2人を抜き去った。

最終山岳で独走するオスカル・ロドリゲス(スペイン、エウスカディ・ムリアス)最終山岳で独走するオスカル・ロドリゲス(スペイン、エウスカディ・ムリアス) (c)CorVos
劇的な大金星をあげたオスカル・ロドリゲス(スペイン、エウスカディ・ムリアス)劇的な大金星をあげたオスカル・ロドリゲス(スペイン、エウスカディ・ムリアス) (c)CorVos
途中何度も後ろを振り返り2人の位置を確認しつつも力強いペダリングで進み続けたロドリゲスが、追いすがる2人を寄せ付けずフィニッシュに飛び込みステージ優勝を飾った。ロドリゲスは2016年からエウスカディ・ムリアスに所属する23歳の若手選手。チームは今年からプロコンチネンタルチームへ昇格し、ようやくワールドツアーレースに参戦できるようになったばかり。ブエルタへの初出場で初勝利を飾った。

ロドリゲスは「マイカが最後の上りで仕掛けた時は、頂上までに追いつくことは出来ない、負けると考えていたんだ。しかし、マイカとトゥーンスに追いつくことができた時、彼らの表情は辛そうだった。そこで少しだけ自分を追い込み、2人を抜き去ったんだ。この勝利を非常に嬉しく思うよ」とコメント。

トップを追うラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)とディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング)トップを追うラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)とディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング) (c)CorVos
レース終盤つばぜり合いを繰り広げるナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)とサイモン・イエーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)レース終盤つばぜり合いを繰り広げるナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)とサイモン・イエーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) (c)CorVos
総合争いを繰り広げるメイン集団ではサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)とナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)が互いに譲らず最後の登りをこなしていく。最終的にトップから2分32秒差でキンタナがゴール。その6秒後にイェーツ、17秒後にアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)とティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)、20秒後にミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)などが続いた。

総合トップのヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス)はロドリゲスから4分18秒遅れでゴール。大逃げを決め3分以上のタイム差を付けた前日からはそのタイムを削ったものの、2位以下に約2分近いリードを保ちマイヨロホをキープしている。トップ10争いはキンタナが1つ順位を上げ3位に、ロペスやリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)が前日から3つ順位を上げている。

表彰台でチームメートと握手を交わすステージ優勝のオスカル・ロドリゲス(スペイン、エウスカディ・ムリアス)表彰台でチームメートと握手を交わすステージ優勝のオスカル・ロドリゲス(スペイン、エウスカディ・ムリアス) (c)A.S.Oマイヨロホをキープしたヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス)マイヨロホをキープしたヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス) (c)A.S.O

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018第13ステージ結果
1位オスカル・ロドリゲス(スペイン、エウスカディ・ムリアス)4:17:05
2位ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)0:19
3位ディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング)0:30
4位ビョルグ・ランブレヒト(ベルギー、ロット・スーダル)0:38
5位ローレンス・デプルス(ベルギー、クイックステップフロアーズ)0:43
6位メルハウィ・クドゥス(エリトリア、ディメンションデータ)1:00
7位イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)1:12
8位ピーター・セリー(ベルギー、クイックステップフロアーズ)1:21
9位エドワルド・ラヴァージ(イタリア、UAEチームエミレーツ)1:25
10位ベンジャミン・キング(アメリカ、ディメンションデータ)1:27
個人総合成績
1位ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス)54:50:19
2位サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)1:42
3位ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)1:50
4位アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)1:54
5位ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)2:23
6位リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)2:33
7位ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)2:35
8位トニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼール)2:40
9位ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ)2:44
10位エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)2:47
ポイント賞
1位アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)85pt
2位ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)83pt
3位ベンジャミン・キング(アメリカ、ディメンションデータ)68pt
山岳賞
1位ルイス・マテマルドネス(スペイン、コフィディス)64pt
2位ベンジャミン・キング(アメリカ、ディメンションデータ)40pt
3位バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)34pt
複合賞
1位アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)15pt
2位ベンジャミン・キング(アメリカ、ディメンションデータ)20pt
3位ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)36pt
チーム総合成績
1位バーレーン・メリダ164:25:16
2位ディメンションデータ11:17
3位モビスター13:32
text:Yuto.Murata
photo:CorVos
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