オランダで6日間の女子ワールドツアーレース「ブールス・レディースツアー」が開幕し、アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)がプロローグで優勝。現チーム最後のレースとなる與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)は38秒遅れで初日を終えている。



フィニッシュに飛び込むアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)フィニッシュに飛び込むアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) (c)CorVos
昨日から開幕したブールス・レディースツアーは、ブールス・ドルマンスレディースチームを支える重機レンタルサービス会社が冠スポンサーを務めるステージレース。昨年から女子ワールドツアーレースに昇格し、昨年大会の第2ステージでは100km逃げを打った與那嶺が敢闘賞を獲得している。

開幕ステージはライン川に沿う美しい街、アーネムを舞台にした3.3kmのプロローグ。基本的には川沿いの直線コースだが、前半は市街地らしい直角コーナーが続き、石畳、道幅の狭いサイクリングロードなどの区間でいかにスピードを維持できるかもが問われた。

ステージ2位のアンナ・ファンデルブレヘン(オランダ、ブールス・ドルマンス)ステージ2位のアンナ・ファンデルブレヘン(オランダ、ブールス・ドルマンス) (c)CorVos3位はヨーロッパ王者のエレン・ファンダイク(オランダ、サンウェブ)3位はヨーロッパ王者のエレン・ファンダイク(オランダ、サンウェブ) (c)CorVos


このテクニカルコースで最速タイムをマークしたのは、地元オランダのTT世界王者アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)だった。「コーナーは安全にクリアして平坦で踏み続けた」と言う走りを見せ平均スピード45.344km/hでフィニッシュし、現ワールドツアーラインキング首位のアンナ・ファンデルブレヘン(オランダ、ブールス・ドルマンス)やエレン・ファンダイク(オランダ、サンウェブ)も及ばず優勝。優勝候補最右翼の一人がリーダージャージに袖を通した。

1月のサントス・ウィメンズツアーからコンスタントに出場を続け、1週間前のUCI1.1レースで優勝してから乗り込んできたファンフルーテン。「通常1秒、2秒くらいの差になるプロローグを7秒差で勝てたのは調子が良い証。地元だし総合優勝を狙っていきたい」と語っている。

優勝したアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)優勝したアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) (c)CorVos
アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)ら、各賞受賞選手が表彰台に並ぶアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)ら、各賞受賞選手が表彰台に並ぶ (c)CorVos
また、ウィグル・ハイファイブのメンバーとして最後のレースとなる與那嶺恵理は、安全にレースを進めて38秒遅れの85位でフィニッシュ。「世界選手権に向けてコンディションを上げていきたい」と語っている。以下は本人からのコメント。

「アジア競技大会を終え、中3日。このチームでのレースも最後。あっという間のシーズン終盤。アジア競技大会で使用した機材が全てロストバゲージし、かなりヒヤヒヤしましたが、そこは武井コーチに任せて。ゴリゴリと回収と機材調整をしてくれました。こうして無事にスタートラインに立て、第2の母国のオランダでレースをスタートできたこと。色々があったこのチームでのレースも最後。久しぶりにチームメートに会い、いろいろ話をして、そしてレースへ。ありがとうございます。

ウィグル・ハイファイブで最後のレースとなる與那嶺恵理ウィグル・ハイファイブで最後のレースとなる與那嶺恵理 (c)Wiggle High5
とにかく「無事これ名馬」でこの6日間のワールドツアーを終え、世界選手権に向け、コンディションを上げていきたいと思います。今日のプロローグ、タイムトライアルは3km。路面はかなり悪く、凸凹のサイクリングロードや、石畳。とにかく転ばないように、抑えて抑えてレースをしました。エースのリサ・ブレナウアーは今年のドイツチャンピオン。5位と好位置でのスタートです! 明日からロードレース。エースのリサのために、しっかりと仕事ができるように」。


プロローグ結果
1位 アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) 4'22"
2位 アンナ・ファンデルブレヘン(オランダ、ブールス・ドルマンス) +07"
3位 エレン・ファンダイク(オランダ、サンウェブ) +08"
4位 リア・キルヒマン(カナダ、サンウェブ) +09"
5位 リサ・ブレナウアー(ドイツ、ウィグル・ハイフィブ)
6位 ルシンダ・ブラント(オランダ、サンウェブ) +10"
7位 リサ・クレイン(ドイツ、キャニオン・スラム) +11"
8位 アミー・ピーテルス(オランダ、ブールス・ドルマンス)
9位 サラ・ロイ(オーストリア、ミッチェルトン・スコット) +12"
10位 エウジェニア・ブヤーク(スロバキア、BTCシティリュブリャナ) +13"
85位 與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ) +38"
個人総合成績
1位 アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) 4'22"
2位 アンナ・ファンデルブレヘン(オランダ、ブールス・ドルマンス) +07"
3位 エレン・ファンダイク(オランダ、サンウェブ) +08"
4位 リア・キルヒマン(カナダ、サンウェブ) +09"
5位 リサ・ブレナウアー(ドイツ、ウィグル・ハイフィブ)
6位 ルシンダ・ブラント(オランダ、サンウェブ) +10"
7位 リサ・クレイン(ドイツ、キャニオン・スラム) +11"
8位 アミー・ピーテルス(オランダ、ブールス・ドルマンス)
9位 サラ・ロイ(オーストリア、ミッチェルトン・スコット) +12"
10位 エウジェニア・ブヤーク(スロバキア、BTCシティリュブリャナ) +13"
ポイント賞
1位 アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) 25pts
2位 アンナ・ファンデルブレヘン(オランダ、ブールス・ドルマンス) 20pts
3位 エレン・ファンダイク(オランダ、サンウェブ) 16pts
ヤングライダー賞
1位 リサ・クレイン(ドイツ、キャニオン・スラム)
2位 ペルニール・マティエセン(デンマーク、サンウェブ)
3位 ジャンヌ・コレヴァール(オランダ、ワオディールス・プロサイクリング)
チーム総合成績
1位 ミッチェルトン・スコット
2位 サンウェブ
3位 ブールス・ドルマンス
text:So.Isobe
photo:CorVOs

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