3月3日、ベルギー西部で第41回ル・サミン(UCI1.1)が開催され、プロ1年目のルーキー、イェンス・ケウケレール(ベルギー、コフィディス)がプロ初勝利を飾った。同レースには新城幸也(Bboxブイグテレコム)も出場し、23秒遅れの43位でフィニッシュしている。

プロ初勝利を飾ったイェンス・ケウケレール(ベルギー、コフィディス) 写真はアルガルヴェ出場時のものプロ初勝利を飾ったイェンス・ケウケレール(ベルギー、コフィディス) 写真はアルガルヴェ出場時のもの photo:Cor Vos今年で開催41回目を迎えるル・サミンは、フランス国境にほど近いベルギー西部のワロン地域エノー州を舞台にしたワンディレース。

1968年に第1回大会が開催された当時は、開催地の地名をとってGPファイ・ル・フランと呼ばれていたが、現在のレース正式名称はGPホセ・サミン。これは1969年に事故死した記念すべき第1回大会の優勝者ホセ・サミンの名前に由来する。1970年以降現在まで、初代チャンピオンを讃えるメモリアルレースとして開催されている。

過去の優勝者にロビー・マキュアン(オーストラリア)やフィリップ・ジルベール(ベルギー)の名前が並ぶこの大会、今年はサクソバンク、オメガファーマ・ロット、チームミルラム、フランセーズデジュー、アージェードゥーゼルのプロツアー5チームが出場。BboxブイグテレコムやBMCレーシングチームなど、国内外のプロコンチネンタル/コンチネンタルチームが顔を合わせた。その中には新城幸也(Bboxブイグテレコム)の姿も。

7つの急坂を含む191kmのレースは序盤からアタックの応酬。最大5分のリードを得たストゥヴ・シェネル(フランス、Bboxブイグテレコム)らの逃げもラスト25kmで吸収され、連続するアタックを封じ込めながら集団はゴールへ。決定的な逃げは最後まで生まれず、40名ほどの縮小した集団によるスプリント勝負に。ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、フランセーズデジュー)らが先頭で競り合う中、一人だけ違うラインで突進したケウケレールが優勝を飾った。

ケウケレールは今年コフィディスでプロデビューしたばかりの21歳。これまでチャレンジ・マヨルカのトロフェオ・カラミヨールで6位、トロフェオ・マガルフで5位。更にヴォルタ・アン・アルガルヴェでも第1ステージ10位、第2ステージ4位という好成績を残している。

ケウケレールは身長183cm・体重69kgという恵まれた体格の持ち主。「マヨルカやアルガルヴェのスプリントに絡んだことはあっても、まさかプロ入りすぐの早い時期に、ル・サミンのようなレベルのレースで勝てるとは思っていなかった。スプリントでは一人だけ左のラインを選んで、そのまま単独でゴールした。驚きの勝利だ」と、プロ初勝利を喜んだ。

ユキヤは先頭集団から少し遅れて43位でフィニッシュ。悪天候に見舞われたクールネ〜ブリュッセル〜クールネ以降少し調子を落としているユキヤ。ミラノ〜サンレモを始めとする目標レースに向け、早期の復調に期待したい。

レース展開と選手コメントはベルギーのSport.beより。

ル・サミン2010結果
1位 イェンス・ケウケレール(ベルギー、コフィディス)          4h34'35"
2位 グレゴリー・ジョゼフ(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
3位 セドリック・ピノー(フランス、ルーベ・リール)
4位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、フランセーズデジュー)
5位 クリストフ・ホダールト(ベルギー、アージェードゥーゼル)
6位 マルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ)
7位 ヨナス・ヨルゲンセン(デンマーク、サクソバンク)
8位 ステファン・トロネ(フランス、ルーベ・リール)
9位 ロイド・モンドリー(フランス、アージェードゥーゼル)
10位 ステフェン・カエトホフェン(ベルギー、ルーベ・リール)
43位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)                 +23"

text:Kei Tsuji