2018/08/24(金) - 09:19
自転車商社として100年以上の歴史を持つフカヤの2019モデル展示会が開催された。エディ・メルクスやシディ、セッレイタリアといった定番サイクルブランドから、スミスやTIMBUK2などの勢いのある新興ブランドまでをカバーする展示会の様子をレポートします。
1911年に愛知県名古屋市で創業し、100年以上の歴史を持つフカヤ。ベルギーのロードバイクブランド、エディ・メルクスやイタリアのシューズブランド、シディを始めとする多くのサイクルブランドの販売代理店を務める日本最大級の自転車専門商社である。そんなフカヤの取り扱うブランドの新製品展示会が東京墨田区のすみだ産業会館で開催された。
会場の中心に並べられたのはエディ・メルクスのロードバイク。ロードレース史上最高の選手と言われるエディ・メルクスが起ち上げた同名のブランドだが、2019年モデルからブランドロゴを一新。レーシーな印象の字体から、よりポップで未来的なフォントに変更されている。
今回の展示会で新たに発表されたのがLavaredo68だ。このモデルは1968年のジロ・デ・イタリア第12ステージの舞台となったドロミテ山脈にある岩山郡、トレ・チーメ・ディ・ラヴァレードに由来した名前を持つバイク。昨年までラインアップされていたSallanches64に代わりミドルグレード帯のカーボンバイクとして登場した。
途中から潰しが入るシートステーや、角ばったトップチューブなど、上位モデルにも通じる高級感あるデザインを採用するLavaredo68。だが、エントリーユーザーでもロードバイクの楽しさを感じられるように、剛性やジオメトリーは扱いやすさを優先した設計となっているそうだ。
フレームカラーはかつてメルクスが所属していたチームを表現しており、ディスクブレーキモデルのホワイト/ブラックがプジョー、リムブレーキモデルのレッド/ホワイトがファエマを模したカラー。ディスクブレーキモデルはフレームセットで、リムブレーキモデルはシマノULTEGRAをアッセンブルした完成車とフレームセットで販売されるという。
また、新たにグラベルロード、Wallers73がラインアップに登場。モデル名はパリ~ルーベの石畳の一つであるアーレンベルグがある地域の名前を指しており、舗装、未舗装問わず抜群の走破性を与えられたバイクである。悪路を走るバイクとして、幅40mmまでのワイドタイヤに対応したクリアランスが与えられ、ディスクブレーキを装備。また、ボトルケージの取り付けダボが4つ付いており、幅広い用途に使えそうだ。販売はフレームセットのみとなる。
スパカズのブースでは定番のバーテープに加え、カラフルなマウンテンバイク用グリップやソックスが並ぶ。そして今年から新たにボトルケージを各種ラインアップするという。TTやトライアスロン向けのエアロタイプ、TRIFLYやフルカーボンの軽量タイプSUPALITE、アルミ製で耐久性が高く、豊富なカラーでバイクとも合わせやすいFLY CAGE ANOなど充実のラインアップとなっている。見る角度によって色が変わるOIL SLICKカラーのFLY CAGE ANOは若い人に人気があるとのこと。
クリストファー・フルームや新城幸也も愛用していることで知られるイタリアのシューズブランド、シディはトップモデルSHOTに追加カラーが登場。今までのレーシーな2色カラーリングのモデルに加えて、オールブラックとオールレッドの2色が追加された。レーシースタイルからより落ち着いたカラーデザインとなった。
シディ初のワイヤークロージャー採用モデルであるWIREはモデルチェンジを果たし、WIRE2 MATTとして新たに登場。今までのレーシーなアッパーデザインからエンボス加工の施されたシンプルなスタイルに変更された。クロージャーの位置も1つをタン上に移動するなど、細部がブラッシュアップされている。カラーはマットブラックとマットグレイのMATTモデル2色の他に、ホワイトカラーのスピードプレイ専用の4つ穴ソールモデルとウィメンズモデルが展開される。
そしてミドルグレードのERGOも新たにERGO5としてリニューアル。こちらもアッパー部分がよりシンプルなデザインに変更され、甲の部分に設置されたシディロゴのバックルが小さくなるなど、トレンドのスタイリッシュな風貌に進化を遂げている。また特徴的だったヒールカップのアジャスターが廃止されているのもトピックだろう。こちらはマットカラーのブラックとレッド、グロスカラーのホワイト、加えてワイドサイズのERGO5 MEGAにはホワイト/ブラックとマットブラックが用意される。
イタリアの定番サドルブランド、セッレイタリアからはサドル後端が左右に分割しているSP-01のショートノーズモデル、SP-01 Boostや、オフロードモデルのX-LRなどの新製品が勢揃い。中でも、ツール・ド・フランスのグラフィックを配した特別カラーがセッレイタリアの定番5モデルに施され登場するとのこと。こちらは限定製品ではなく、通常ラインアップとして販売されるそうだ。
また、セライタリアブランドのニューモデルが登場。往年の名サドルであるTURBOやFLITEがブラウン基調の高級感ある革素材でリファインされており、クロモリバイクなどにマッチするサドルに仕上がっている。エディ・メルクスやベルナール・イノーの時代を思い起こさせるプロダクツだ。
そして忘れてはいけないのがネットだ。座面にカジュアルなデザインを施したセライタリアのコンフォートサドルブランドであるが、サドル全面にメッシュをあしらい、サドル背面も通気性の良い素材となっているため、非常に快適な乗り心地が特徴なのだ。グラフィックも毎年新しいものがリリースされており、個性的なラインアップになっている。街乗り用のクロスバイクにぜひ使ってみたいアイテムである。
フカヤが長年販売代理店を務めるグローバルジャパンブランドのミノウラからは、振動の少ない3本ローラー台が参考出品。ローラーを保持する部分に振動吸収パッドを計12ヶ所配置することで、ローラーが微妙に可動し、振動除去と静音、更には滑らかなペダリングを可能としている。こちらは製品化間近ということで、続報を待ちたい。
また、人気のハイブリッドローラー、Live Ride FG-540もFG-542としてモデルチェンジ。負荷ユニットとの接続をリブベルト方式とすることで、低負荷から高負荷まで滑らかな走行感を実現。フロントブリッジと走行ユニット接続部の剛性強化や、前後位置の調整が容易になる目盛りなど、各部をブラッシュアップしているのだ。こちらは11月末頃からの発売予定となっている。
チーム右京も使用する新興GPSコンピューターメーカー、ブライトンからは人気のミドルモデルRider410に加えて、新たにフラッグシップとなるAero60がお披露目。モデル名の通り、エアロダイナミクスを意識したディンプル加工と薄めの台座を採用したデザインとなっている。そして、ブライトンのラインアップで唯一、ルートナビが表示可能となっているのも特徴だろう。
スノースポーツにルーツを持つアメリカのヘルメットブランド、スミスはフラッグシップとして新たに2モデルをリリース。従来のトップモデルであったOvertakeのシルエットを継承したTraceと、エアロフォルムのIgnateという2モデルがダブルエースとしての役割を担う。どちらもスミス独自の振動吸収技術であるコロイドを配置し、脳への回転衝撃を抑えるMipsを標準搭載。被り心地もより日本人の頭に合うような丸型の帽体に変更されていた。
アメリカ、サンフランシスコ生まれのメッセンジャーバッグブランド、TIMBUK2は先日価格を引き下げたクラシックメッセンジャーやバックパック各種を展示。クラシックメッセンジャーはブラック・グレーのCloud、ジャーマンカラーのBookish、深めのレッドのCollegiteがニューカラーとして登場。バックルの色もそれぞれのカラーに合わせることで全体に統一感を持たせているのだとか。もちろん、優れた防水性能や収納性能は折り紙付きだ。
バックパックは日常使いに最適なニューモデル、スウィグとヴァートパックが登場。スウィグはフロントフラップ仕様で側面から内部にアクセス出来るナポレオンサイドエントリーポケットを完備しており、高い機能性でビジネスからカジュアルまで幅広く使えるモデルとなっている。ヴァートパックはスケートボードの持ち運びが可能なフロントテンションストラップを装備しており、単色のシンプルデザインで様々なファッションに合うだろう。
またサイクリストに人気なのが財布と携帯など必要最低限のものを持ち運ぶのに便利なサコッシュだという。容量2Lほどのスリムタイプのバッグとなっており、ちょっとしたサイクリングや、少し街を歩く時などに便利なアイテムとなっている。
エディ・メルクスやシディといったサイクリストにとっては定番のピュアレーシングブランドから、スミスヘルメットなどのニューブランド、TIMBUK2などのカジュアルサイクリスト向けのブランドまで幅広く取り扱うフカヤ。100年以上の歴史を持ちながらも時代に即した製品展開で我々のサイクリングを頼もしく支えてくれることだろう。
text&photo:Kosuke.Kamata
1911年に愛知県名古屋市で創業し、100年以上の歴史を持つフカヤ。ベルギーのロードバイクブランド、エディ・メルクスやイタリアのシューズブランド、シディを始めとする多くのサイクルブランドの販売代理店を務める日本最大級の自転車専門商社である。そんなフカヤの取り扱うブランドの新製品展示会が東京墨田区のすみだ産業会館で開催された。
会場の中心に並べられたのはエディ・メルクスのロードバイク。ロードレース史上最高の選手と言われるエディ・メルクスが起ち上げた同名のブランドだが、2019年モデルからブランドロゴを一新。レーシーな印象の字体から、よりポップで未来的なフォントに変更されている。
今回の展示会で新たに発表されたのがLavaredo68だ。このモデルは1968年のジロ・デ・イタリア第12ステージの舞台となったドロミテ山脈にある岩山郡、トレ・チーメ・ディ・ラヴァレードに由来した名前を持つバイク。昨年までラインアップされていたSallanches64に代わりミドルグレード帯のカーボンバイクとして登場した。
途中から潰しが入るシートステーや、角ばったトップチューブなど、上位モデルにも通じる高級感あるデザインを採用するLavaredo68。だが、エントリーユーザーでもロードバイクの楽しさを感じられるように、剛性やジオメトリーは扱いやすさを優先した設計となっているそうだ。
フレームカラーはかつてメルクスが所属していたチームを表現しており、ディスクブレーキモデルのホワイト/ブラックがプジョー、リムブレーキモデルのレッド/ホワイトがファエマを模したカラー。ディスクブレーキモデルはフレームセットで、リムブレーキモデルはシマノULTEGRAをアッセンブルした完成車とフレームセットで販売されるという。
また、新たにグラベルロード、Wallers73がラインアップに登場。モデル名はパリ~ルーベの石畳の一つであるアーレンベルグがある地域の名前を指しており、舗装、未舗装問わず抜群の走破性を与えられたバイクである。悪路を走るバイクとして、幅40mmまでのワイドタイヤに対応したクリアランスが与えられ、ディスクブレーキを装備。また、ボトルケージの取り付けダボが4つ付いており、幅広い用途に使えそうだ。販売はフレームセットのみとなる。
スパカズのブースでは定番のバーテープに加え、カラフルなマウンテンバイク用グリップやソックスが並ぶ。そして今年から新たにボトルケージを各種ラインアップするという。TTやトライアスロン向けのエアロタイプ、TRIFLYやフルカーボンの軽量タイプSUPALITE、アルミ製で耐久性が高く、豊富なカラーでバイクとも合わせやすいFLY CAGE ANOなど充実のラインアップとなっている。見る角度によって色が変わるOIL SLICKカラーのFLY CAGE ANOは若い人に人気があるとのこと。
クリストファー・フルームや新城幸也も愛用していることで知られるイタリアのシューズブランド、シディはトップモデルSHOTに追加カラーが登場。今までのレーシーな2色カラーリングのモデルに加えて、オールブラックとオールレッドの2色が追加された。レーシースタイルからより落ち着いたカラーデザインとなった。
シディ初のワイヤークロージャー採用モデルであるWIREはモデルチェンジを果たし、WIRE2 MATTとして新たに登場。今までのレーシーなアッパーデザインからエンボス加工の施されたシンプルなスタイルに変更された。クロージャーの位置も1つをタン上に移動するなど、細部がブラッシュアップされている。カラーはマットブラックとマットグレイのMATTモデル2色の他に、ホワイトカラーのスピードプレイ専用の4つ穴ソールモデルとウィメンズモデルが展開される。
そしてミドルグレードのERGOも新たにERGO5としてリニューアル。こちらもアッパー部分がよりシンプルなデザインに変更され、甲の部分に設置されたシディロゴのバックルが小さくなるなど、トレンドのスタイリッシュな風貌に進化を遂げている。また特徴的だったヒールカップのアジャスターが廃止されているのもトピックだろう。こちらはマットカラーのブラックとレッド、グロスカラーのホワイト、加えてワイドサイズのERGO5 MEGAにはホワイト/ブラックとマットブラックが用意される。
イタリアの定番サドルブランド、セッレイタリアからはサドル後端が左右に分割しているSP-01のショートノーズモデル、SP-01 Boostや、オフロードモデルのX-LRなどの新製品が勢揃い。中でも、ツール・ド・フランスのグラフィックを配した特別カラーがセッレイタリアの定番5モデルに施され登場するとのこと。こちらは限定製品ではなく、通常ラインアップとして販売されるそうだ。
また、セライタリアブランドのニューモデルが登場。往年の名サドルであるTURBOやFLITEがブラウン基調の高級感ある革素材でリファインされており、クロモリバイクなどにマッチするサドルに仕上がっている。エディ・メルクスやベルナール・イノーの時代を思い起こさせるプロダクツだ。
そして忘れてはいけないのがネットだ。座面にカジュアルなデザインを施したセライタリアのコンフォートサドルブランドであるが、サドル全面にメッシュをあしらい、サドル背面も通気性の良い素材となっているため、非常に快適な乗り心地が特徴なのだ。グラフィックも毎年新しいものがリリースされており、個性的なラインアップになっている。街乗り用のクロスバイクにぜひ使ってみたいアイテムである。
フカヤが長年販売代理店を務めるグローバルジャパンブランドのミノウラからは、振動の少ない3本ローラー台が参考出品。ローラーを保持する部分に振動吸収パッドを計12ヶ所配置することで、ローラーが微妙に可動し、振動除去と静音、更には滑らかなペダリングを可能としている。こちらは製品化間近ということで、続報を待ちたい。
また、人気のハイブリッドローラー、Live Ride FG-540もFG-542としてモデルチェンジ。負荷ユニットとの接続をリブベルト方式とすることで、低負荷から高負荷まで滑らかな走行感を実現。フロントブリッジと走行ユニット接続部の剛性強化や、前後位置の調整が容易になる目盛りなど、各部をブラッシュアップしているのだ。こちらは11月末頃からの発売予定となっている。
チーム右京も使用する新興GPSコンピューターメーカー、ブライトンからは人気のミドルモデルRider410に加えて、新たにフラッグシップとなるAero60がお披露目。モデル名の通り、エアロダイナミクスを意識したディンプル加工と薄めの台座を採用したデザインとなっている。そして、ブライトンのラインアップで唯一、ルートナビが表示可能となっているのも特徴だろう。
スノースポーツにルーツを持つアメリカのヘルメットブランド、スミスはフラッグシップとして新たに2モデルをリリース。従来のトップモデルであったOvertakeのシルエットを継承したTraceと、エアロフォルムのIgnateという2モデルがダブルエースとしての役割を担う。どちらもスミス独自の振動吸収技術であるコロイドを配置し、脳への回転衝撃を抑えるMipsを標準搭載。被り心地もより日本人の頭に合うような丸型の帽体に変更されていた。
アメリカ、サンフランシスコ生まれのメッセンジャーバッグブランド、TIMBUK2は先日価格を引き下げたクラシックメッセンジャーやバックパック各種を展示。クラシックメッセンジャーはブラック・グレーのCloud、ジャーマンカラーのBookish、深めのレッドのCollegiteがニューカラーとして登場。バックルの色もそれぞれのカラーに合わせることで全体に統一感を持たせているのだとか。もちろん、優れた防水性能や収納性能は折り紙付きだ。
バックパックは日常使いに最適なニューモデル、スウィグとヴァートパックが登場。スウィグはフロントフラップ仕様で側面から内部にアクセス出来るナポレオンサイドエントリーポケットを完備しており、高い機能性でビジネスからカジュアルまで幅広く使えるモデルとなっている。ヴァートパックはスケートボードの持ち運びが可能なフロントテンションストラップを装備しており、単色のシンプルデザインで様々なファッションに合うだろう。
またサイクリストに人気なのが財布と携帯など必要最低限のものを持ち運ぶのに便利なサコッシュだという。容量2Lほどのスリムタイプのバッグとなっており、ちょっとしたサイクリングや、少し街を歩く時などに便利なアイテムとなっている。
エディ・メルクスやシディといったサイクリストにとっては定番のピュアレーシングブランドから、スミスヘルメットなどのニューブランド、TIMBUK2などのカジュアルサイクリスト向けのブランドまで幅広く取り扱うフカヤ。100年以上の歴史を持ちながらも時代に即した製品展開で我々のサイクリングを頼もしく支えてくれることだろう。
text&photo:Kosuke.Kamata
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