インターハイ自転車競技4日目は、日本サイクルスポーツセンターの5kmサーキットでロードレースが行われた。初開催の女子は駒澤大学高校1年の渡部春雅が優勝。男子は栄北高校2年の川崎三織が優勝した。



トラック競技の3日間とはうって変わって雲が多い1日となったインターハイ・ロードレーストラック競技の3日間とはうって変わって雲が多い1日となったインターハイ・ロードレース photo:Satoru Kato
インターハイの自転車競技最終日はロードレース。日本サイクルスポーツセンターの5kmサーキットを左周り(正周り)で、男子は14周70km、女子は8周40kmのレースで争う。

前日までのトラック競技では連日30℃以上の猛暑日が続いたが、この日は朝から雲が多く、強風に混じって小雨が落ちてくる天気。女子がスタートした朝方は肌寒さを感じるほどの涼しさだったが、男子がフィニッシュした昼前には日差しが戻ってきた。それでも30℃に届かない気温の下では、過ごしやすいと思えるほどだ。



女子 後半を独走で逃げ切った渡部春雅が初代インターハイロード女王に

朝7時30分 インターハイ初の女子ロードレースがスタート朝7時30分 インターハイ初の女子ロードレースがスタート photo:Satoru Kato女子 4周目 渡部春雅(駒澤大学高校)と石上夢乃(横浜創学館高校)の2人が先行する女子 4周目 渡部春雅(駒澤大学高校)と石上夢乃(横浜創学館高校)の2人が先行する photo:Satoru Kato

女子 5周目 渡部春雅(駒澤大学高校)がアタック女子 5周目 渡部春雅(駒澤大学高校)がアタック photo:Satoru Kato
朝7時30分にスタートした女子ロードレースには40人が出走。1周目からアタックがかかるものの長く続く逃げにはならず、集団はゆっくりとしたペースで進行する。

4周目、渡部春雅(駒澤大学高校)と石上夢乃(横浜創学館高校)の2人が抜け出して先行。集団はバラバラになり10人ほどまで絞られる。さらに5周目、渡部が石上を切り離して単独先行。石上との差を30秒、40秒と広げていく。

渡部は後続との差をさらに広げながら残り周回を独走。そのままフィニッシュまで逃げ切った。

女子 レース後半を独走で逃げ切ってフィニッシュする渡部春雅(駒澤大学高校)女子 レース後半を独走で逃げ切ってフィニッシュする渡部春雅(駒澤大学高校) photo:Satoru Kato

女子ロードレース 表彰式女子ロードレース 表彰式 photo:Satoru Kato優勝した渡部は高校1年生。6月に行われた全日本選手権ではU17で優勝したが、同時出走のジュニアで優勝した石上には負けたていた。そのことを聞くと「全日本の時のことはあまり考えていなくて、終わった後にリベンジになったかなと少し思いました」と言う。

「事前にここで行こうと考えていたわけでもなく、前に前にレースして『ここだ』と思ったところで行きました。初代女王ということは特に意識せず、これからも挑戦していきたいと思います。MTBやシクロクロスも好きなので、色々な種目を楽しみながら続けていきたいです」と、渡部は語った。
女子個人ロードレース 結果(40km)
1位渡部春雅(駒沢大学高校、東京)1時間26分2秒
2位石上夢乃(横浜創学館高校、神奈川)+53秒
3位刈込奈那(敬愛学園高校、千葉)+2分50秒
4位中川由理(川越工業高校、埼玉)+2分52秒
5位阿南里奈(別府翔青高校、大分)
6位野寺 梓(伊豆総合高校、静岡)+2分54秒
男子 川崎三織が7周を単独で逃げ切って優勝

男子ロードレース スタート男子ロードレース スタート photo:Satoru Kato
男子 序盤に4人が逃げる男子 序盤に4人が逃げる photo:Satoru Kato男子 昨年優勝の日野泰静(松山城南高校)を先頭に登りを行く集団男子 昨年優勝の日野泰静(松山城南高校)を先頭に登りを行く集団 photo:Satoru Kato

男子は145人が出走。1周目から、昨年2位の日野凌羽(松山城南高校)を含む4人が逃げるが3周目までに吸収。その後は昨年優勝の日野泰静(松山城南高校)をはじめ、福田圭晃、香山飛龍(横浜高校)、U17+15の全日本チャンピオン津田悠義(三好高校)らが集団をペースアップさせていく。

男子 4周目 横に広がって登り区間を行く集団男子 4周目 横に広がって登り区間を行く集団 photo:Satoru Kato男子 5周目 集団をペースアップさせる津田悠義(三好高校)男子 5周目 集団をペースアップさせる津田悠義(三好高校) photo:Satoru Kato

男子 8周目 単独先行する川崎三織(栄北高校)男子 8周目 単独先行する川崎三織(栄北高校) photo:Satoru Kato
集団の人数が20人弱まで絞られた8周目、川崎三織(栄北高校)が単独アタック。集団との差は1分まで開く。「逃げ切るつもりはなく、捨て身のアタックだった」と言う川崎の逃げに対し、「追いつけると思っていたが、10人以上いる集団でも4、5人ぐらいしか回してなくて、追走がまとまらなかった」と日野泰静が言う通り、レース終盤になっても40秒以上の差が縮まる気配はない。

男子 古谷田貴斗(南大隅高校)が単独で川崎三織(栄北高校)を追う男子 古谷田貴斗(南大隅高校)が単独で川崎三織(栄北高校)を追う photo:Satoru Kato男子 横に広がって牽制状態のまま最終周回に入るメイン集団男子 横に広がって牽制状態のまま最終周回に入るメイン集団 photo:Satoru Kato

残り3周となる12周目、古谷田貴斗(南大隅高校)が単独で追走。逃げる川崎との差を少しずつ詰め、30秒差で最終周回の14周目に入る。その後ろの集団は牽制して追走の足並みが揃わず50秒後方。古谷田が最後は10秒差まで差を詰めるがそこまで。川崎が30km以上を逃げ切ってフィニッシュに飛び込んだ。

男子 川崎三織(栄北高校)が優勝男子 川崎三織(栄北高校)が優勝 photo:Satoru Kato
男子 ガッツポーズを繰り返す川崎三織(栄北高校)男子 ガッツポーズを繰り返す川崎三織(栄北高校) photo:Satoru Kato男子 日野泰静(松山城南高校)は3位男子 日野泰静(松山城南高校)は3位 photo:Satoru Kato

男子ロードレース 表彰式男子ロードレース 表彰式 photo:Satoru Kato「4月のチャレンジロードを走って、逃げが決まりやすいコースだと感じていました。それで今日のレースの途中で公式戦で初めて逃げてみようと思って飛び出してみました。自分の力が全国でどのくらいなのかを試してみたかったので、捕まってもよいと考えていました。勝ちを意識したのは残り3周あたり。後ろとの差が50秒前後あったので、このまま行けると考えました。

実は、足つり対策で摂った補給食のゼリーが多すぎたのか、レース終盤に気持ち悪くなってペースを落としました。下り区間でもどしてしまったのですが、その後スッキリしてペースを上げなおしました。

ポイントレースも走ったのですが、調子があまり良くなくて結果がダメダメだったので、ロードで挽回したいと思っていました。うまく力が出せて良かったです」と話す川崎は2年生。「11月のナショナルチームの合宿で強い先輩方と一緒に走ってさらに強くなりたい」と、今後の目標を語った。

トラック競技とロードレースを合わせた自転車競技総合優勝は松山城南高校が連覇トラック競技とロードレースを合わせた自転車競技総合優勝は松山城南高校が連覇 photo:Satoru Kato松山城南高校が総合優勝 昨年に続き連覇達成

一方、連覇とならなかった日野泰静は「勝てるチャンスはあったけれど、マークがきつくて逃げきれない状態が続いているところで逃げを行かせてしまい、それが決まってしまいました。最後まで牽制していたので、追いかけた時にはもう先頭に届かない距離になっていました」と、悔しさを滲ませる。松山城南高校としては、トラックとロードを合算した総合優勝は連覇したものの、「ロードも勝って完全優勝したかった」と言う。「インターハイは今年が最後になりますが、この3年間で自分の力は出しきれたと思います」と、振り返った。
男子個人ロードレース 結果(70km)
1位川崎三織(栄北高校、埼玉)2時間3分5秒
2位古谷田貴斗(南大隅高校、鹿児島)+10秒
3位日野泰静(松山城南高校、愛媛)+18秒
4位馬越裕之(榛生昇陽、奈良)
5位香山飛龍(横浜高校、神奈川)+27秒
6位仮屋和駿(和歌山北高校、和歌山)+44秒
7位山内慶悟(法政大学第二高校、神奈川)
8位福田圭晃(横浜高校、神奈川)
text&photo:Satoru Kato