平均7.3%を刻む1級山岳で、ただ一人TTバイクに乗ったアルカンシエルが飛翔した。後続に2分半ものリードを稼ぎ出したアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)がステージ優勝と、総合首位浮上を叶えた。
圧倒的なスピードで登るアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) (c)CorVos
イタリアで開催中のジロ・ローザは、総合成績争いの上で非常に重要な第7ステージの登りタイムトライアルを迎えた。
九十九折りが続く1級山岳ディーガ・ディ・カンポ・モーロは標高900mから2000mまで、獲得標高1100mを登りつめる15kmの道のり。単純な平均勾配は7.3%と険しく、時折急勾配区間も続くためより一層難易度は高くなる。
ステージ2位に食い込んだアシュレー・ムールマンパシオ(南アフリカ、サーヴェロ・ビグラ) (c)CorVos
ステージ3位、ルシンダ・ブラント(オランダ、サンウェブ) (c)CorVos
メーガン・グアルニエール(アメリカ、ブールスドルマンス)はステージ4位 (c)CorVos
マリアローザのアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)はステージ5位 (c)CorVos
まず好タイムを出したのは、與那嶺恵理が所属するウィグル・ハイファイブのチームリーダー、エリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、ウィグル・ハイファイブ)だった。体調不良を抱えながら流石の走りを見せたが、総合8位のメーガン・グアルニエール(アメリカ、ブールスドルマンス)がトップタイム更新。総合5位アシュレー・ムールマンパシオ(南アフリカ、サーヴェロ・ビグラ)と総合4位のルシンダ・ブラント(オランダ、サンウェブ)もグアルニエールを上回ったが、総合3位につけるアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)の走りは圧倒的だった。
アルカンシエルを纏い、ただ一人ノーマルバイクではなくTTバイクを選択したTT世界王者は、一人別次元のスピードで登坂を駆け上がった。先行するルス・ウィンダー(アメリカ、サンウェブ)をパスし、暫定首位のムールマンパシオを2分半引き離す圧倒的タイム差でフィニッシュを切った。
ステージトップ3の表彰 (c)CorVos
マリアローザに袖を通したアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) (c)CorVos
マリアローザのアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)も好走したが、ファンフルーテンのタイムには及ばず、ファンフルーテンがステージ優勝とマリアローザを獲得することに。スプラットが総合2位となったことで、ミッチェルトン・スコットは総合ワンツーと圧倒的な戦力を見せつけている。
また、コンディション不調に見舞われている與那嶺は9分5秒遅れの48位でフィニッシュしている。以下に本人から送られたレースレポートを紹介。
ちょっと過呼吸になりかけた個人タイムトライアルでした。標高900mから2000mまでの獲得標高1100mを一気に15kmで駆け上ります。
不調に苦しんでいる與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ) (c)CorVos
登れるコンディションだったらどんなに楽しいレースだったのか。毎日、武井コーチと話しをしますが、もうこの成績はどうしようもなく。
今日は世界チャンピオンのアナミエックが驚異的に速い。彼女のみがコースを研究し尽くしてタイムトライアルバイク。そして、エリサは朝まで出走しないと言っていたのですが見事に6位。
私はとても低いパワーデータをモニタニングしながら悲しくなり、そして標高が高くなると、どうしても過呼吸の症状が出てしまい追い込みきれず、本当にどうしようもない順位でゴール。明日の第8ステージは逃げが決まりそうなレイアウト。この状況ではこれ以上の不運を呼ばないように。無事これ名馬でゴールを目指します。

イタリアで開催中のジロ・ローザは、総合成績争いの上で非常に重要な第7ステージの登りタイムトライアルを迎えた。
九十九折りが続く1級山岳ディーガ・ディ・カンポ・モーロは標高900mから2000mまで、獲得標高1100mを登りつめる15kmの道のり。単純な平均勾配は7.3%と険しく、時折急勾配区間も続くためより一層難易度は高くなる。




まず好タイムを出したのは、與那嶺恵理が所属するウィグル・ハイファイブのチームリーダー、エリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、ウィグル・ハイファイブ)だった。体調不良を抱えながら流石の走りを見せたが、総合8位のメーガン・グアルニエール(アメリカ、ブールスドルマンス)がトップタイム更新。総合5位アシュレー・ムールマンパシオ(南アフリカ、サーヴェロ・ビグラ)と総合4位のルシンダ・ブラント(オランダ、サンウェブ)もグアルニエールを上回ったが、総合3位につけるアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)の走りは圧倒的だった。
アルカンシエルを纏い、ただ一人ノーマルバイクではなくTTバイクを選択したTT世界王者は、一人別次元のスピードで登坂を駆け上がった。先行するルス・ウィンダー(アメリカ、サンウェブ)をパスし、暫定首位のムールマンパシオを2分半引き離す圧倒的タイム差でフィニッシュを切った。


マリアローザのアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)も好走したが、ファンフルーテンのタイムには及ばず、ファンフルーテンがステージ優勝とマリアローザを獲得することに。スプラットが総合2位となったことで、ミッチェルトン・スコットは総合ワンツーと圧倒的な戦力を見せつけている。
また、コンディション不調に見舞われている與那嶺は9分5秒遅れの48位でフィニッシュしている。以下に本人から送られたレースレポートを紹介。
ちょっと過呼吸になりかけた個人タイムトライアルでした。標高900mから2000mまでの獲得標高1100mを一気に15kmで駆け上ります。

登れるコンディションだったらどんなに楽しいレースだったのか。毎日、武井コーチと話しをしますが、もうこの成績はどうしようもなく。
今日は世界チャンピオンのアナミエックが驚異的に速い。彼女のみがコースを研究し尽くしてタイムトライアルバイク。そして、エリサは朝まで出走しないと言っていたのですが見事に6位。
私はとても低いパワーデータをモニタニングしながら悲しくなり、そして標高が高くなると、どうしても過呼吸の症状が出てしまい追い込みきれず、本当にどうしようもない順位でゴール。明日の第8ステージは逃げが決まりそうなレイアウト。この状況ではこれ以上の不運を呼ばないように。無事これ名馬でゴールを目指します。
ステージ結果
1位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) | 46'07" |
2位 | アシュレー・ムールマンパシオ(南アフリカ、サーヴェロ・ビグラ) | +2'28" |
3位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、サンウェブ) | +2'54" |
4位 | メーガン・グアルニエール(アメリカ、ブールスドルマンス) | +3'16" |
5位 | アマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | +3'26" |
6位 | エリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、ウィグル・ハイファイブ) | +3'27" |
7位 | カタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | +3'37" |
8位 | セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、サーヴェロ・ビグラ) | +4'05" |
9位 | アリーチェマリア・アルツッフィ(イタリア、ビスカヤ・デュランゴ) | +4'17" |
10位 | タイラー・ワイルス(アメリカ、トレック・ドロップス) | +4'29" |
48位 | 與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ) | +9'05" |
個人総合成績
1位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) | 16h25'23" |
2位 | アマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | +2'53" |
3位 | アシュレー・ムールマンパシオ(南アフリカ、サーヴェロ・ビグラ) | +2'54" |
4位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、サンウェブ) | +3'01" |
5位 | カタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | +4'21" |
6位 | メーガン・グアルニエール(アメリカ、ブールスドルマンス) | +4'33" |
7位 | セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、サーヴェロ・ビグラ) | +4'39" |
8位 | ルス・ウィンダー(アメリカ、サンウェブ) | +5'52" |
9位 | エリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、ウィグル・ハイファイブ) | +6'34" |
10位 | サブリナ・ストゥルテンス(オランダ、ワオディールス) | +6'36" |
ポイント賞
1位 | クリスティン・ウィルド(オランダ、ウィグル・ハイファイブ) | 31pt |
2位 | ジョリーン・ドール(ベルギー、ミッチェルトン・スコット) | 30pt |
3位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) | 27pt |
山岳賞
1位 | アマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | 22pt |
2位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) | 19pt |
3位 | アシュレー・ムールマンパシオ(南アフリカ、サーヴェロ・ビグラ) | 18pt |
ヤングライダー賞
1位 | ソフィア・ベルティッツォーロ(イタリア、アスタナ・ウィメンズ) | 16h36'57" |
2位 | ナディア・クァリオット(イタリア、トップガールス・ファッサボルトロ) | +0'56" |
3位 | ジュリエット・ラボウ(フランス、サンウェブ) | +6'50" |
チーム総合成績
1位 | サンウェブ | 48h55’16” |
2位 | モビスター | +7'48" |
3位 | サーヴェロ・ビグラ | +10'16" |
text:So.Isobe
photo:CorVos,Vélofocus/Wiggle High5
photo:CorVos,Vélofocus/Wiggle High5
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