集団スプリントで締めくくられたツール・ド・フランス第1ステージ。「まだ信じることができない。この美しい瞬間を楽しみたい」と語るステージ優勝者ガビリアや、2位に甘んじたサガン、落車でタイムを失ったフルームらのコメントを紹介します。


ステージ初勝利を飾ったフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)ステージ初勝利を飾ったフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) photo:Luca Bettini

ステージ1位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)

エディ・メルクスとフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)エディ・メルクスとフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) photo:Kei Tsuji風が吹いていたので複雑なフィニッシュだったけど、チームはまるで家族のように常に塊となって走り、作戦通りにスプリントに持ち込んだんだ。

信じられない日になった。最後にコロンビア人がマイヨジョーヌを着てからとても長い年月が経っている。世界中の誰もが夢見て、15年間コロンビア人が追い求めてきたジャージを自分が着ていることをまだ信じることができない。このステージ優勝をチームメイトやスタッフ、すべてのチーム関係者に捧げたい。チームの助けがなければスプリントに加わることさえできなかった。

明日からできる限り長くこのジャージを着たいと思う。ポイント賞争いにおいて大きくリードする結果になったけど、まだマイヨヴェールについて考えるのは時期尚早。とにかく今はこの美しい瞬間を楽しんで、毎日状況に合わせて走りたい。

ステージ2位 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)

とてもハイスピードなステージだった。ピュアスプリンター向きの平坦ステージで、予想通りあっという間のスプリントフィニッシュ。ステージを通してチームメイトたちの働きは素晴らしく、かなりナーバスな終盤にもラファル・マイカと自分をトラブルから守ってくれた。まだツール・ド・フランスは始まったばかり。脚の状態は良く、落車に巻き込まれずにステージ2位という成績を残したことを嬉しく思う。

ステージ3位 マルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)

とてもハイスピードなスプリントだった。もちろんステージ優勝を狙っていたけど、ステージ3位という結果は悪くない。登り基調のスプリントだったので早めに仕掛けると失速してしまうと思った。でも結果的には待ちすぎてしまった。スプリントのパワーはしっかりと出ているし、この先のステージで優勝を狙えると思う。

追いすがるサガンやクリストフ、キッテルの位置を確認するフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)追いすがるサガンやクリストフ、キッテルの位置を確認するフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) photo:Kei Tsujiステージ3位に満足した表情のマルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)ステージ3位に満足した表情のマルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) photo:Kei Tsuji

ステージ4位 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)

サガンとガビリアを抜くことができずにステージ4位。表彰台という目標に一歩届かなかった。今日はガビリアとサガンとキッテルが自分よりも強かったということ。この先のステージでも挑戦を続けて、今日以上の成績を残したい。

ステージ7位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)

危険なステージレース初日をトム(デュムラン)と一緒に安全に乗り切ったことを嬉しく思う。落車が連続しているという情報は聞いていたものの、集団の後ろで実際に何が起こっているのか分からなかった。最後のスプリントの感触は良く、チームの状態の良さも確認できたので、明日以降に向けて自信につながるステージになった。


この日唯一の4級山岳を先頭通過したケヴィン・ルダノワ(フランス、フォルトゥネオ・サムシック)がマイヨアポワを獲得この日唯一の4級山岳を先頭通過したケヴィン・ルダノワ(フランス、フォルトゥネオ・サムシック)がマイヨアポワを獲得 photo:Kei Tsuji敢闘賞はヨアン・オフルド(フランス、ワンティ・グループゴベール)の手に敢闘賞はヨアン・オフルド(フランス、ワンティ・グループゴベール)の手に photo:Kei Tsuji

マイヨアポワ獲得 ケヴィン・ルダノワ(フランス、フォルトゥネオ・サムシック)

今日は家から4kmしか離れていない場所を通る地元ステージだったので、このチャンスを逃すわけにはいかなかった。地元で逃げるなんて素晴らしい経験だったよ。チームから許可を得てファーストアタックするとすぐに逃げが決まり、しかも3人の中で1人しか獲得できないマイヨアポワに手が届いて本当に嬉しい。とは言え獲得ポイントは1ポイントなので明日ジャージを失うかもしれない。自分にとって一番大事なのはワレン・バルギルをアシストすることだ。

ステージ敢闘賞獲得 ヨアン・オフルド(フランス、ワンティ・グループゴベール)

逃げたいという気持ちは人間の本能だと思う。一日中ずっと集団内で走るのは面白くない。逃げに乗ることで、このツール・ド・フランスが自分のためにあるような気分になる。逃げながら、この逃げがどんな大きなチャンスを生み出すのかワクワクしていた。魔法にかかったみたいだった。

落車により51秒遅れたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)落車により51秒遅れたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Luca Bettini

激しく落車したクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)

トリッキーなフィニッシュになることは想像していたので集団前方に位置していたものの、スプリンターがポジションを争う混沌とした状態だった。ロードレースでこういった落車はつきもの。怪我を免れたことにホッとしているし、まだパリまでの道のりは長い

51秒遅れたリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)

何が起こったのか分からなかった。突然目の前で落車が起こってしまった。まだツールは長く、まだ初日が終わっただけ。自分よりもタイムを失った総合狙いの選手はいるけど、大会初日にタイムを失うのは理想的な展開ではない。明日も同じことが起こらないとは言えないし、引き続きチームメイトと警戒心を解くことなく走りたい。

1分15秒遅れたナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)

残り3km手前のコーナーでコースを外れてしまい、前後のホイールが壊れて走行不能になってしまった。今日のようなことが起こることはある。明日以降のステージでタイムを挽回していくしかない。

51秒遅れたリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)やアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)51秒遅れたリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)やアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) photo:Kei Tsuji1分以上のタイムロスを被ったナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)1分以上のタイムロスを被ったナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:Luca Bettini

text&photo:Kei Tsuji in Fontenay-le-Comte, France