5つのカテゴリー山岳を含むアップダウンコースで行なわれたブエルタ・ア・アンダルシア第3ステージ。多くのスプリンターが上りで苦戦を強いられる中、ポイント賞ジャージを着るオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)がスプリントで連勝を飾った。

カテゴリー山岳の上りを進むメイン集団カテゴリー山岳の上りを進むメイン集団 photo:Cor Vos162kmのコースに、カテゴリー山岳が3級、2級、2級、3級、2級と5つ詰め込まれた第3ステージ。総合争いに大きな影響を与えるような難易度ではないが、かと言ってスプリンター向きのステージでもない。

前日に落車したダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)、ローレンス・テンダム(オランダ、ラボバンク)、イェーレ・ファネンデルト(ベルギー、オメガファーマ・ロット)はDNS。クネゴはすでにイタリアに帰国している。

山岳ステージで逃げたブリース・フェイユ(フランス、ヴァカンソレイユ)とホセアンヘル・ゴメスマルチャンテ(スペイン、アンダルシア・カハスール)山岳ステージで逃げたブリース・フェイユ(フランス、ヴァカンソレイユ)とホセアンヘル・ゴメスマルチャンテ(スペイン、アンダルシア・カハスール) photo:Cor Vosこの日逃げに乗ったのは、昨年のツール・ド・フランス第7ステージで超級山岳アンドラ・アルカリス頂上ゴールを制したブリース・フェイユ(フランス、ヴァカンソレイユ)と、プロツアーチームから格下チームに移籍したホセアンヘル・ゴメスマルチャンテ(スペイン、アンダルシア・カハスール)の2人。脚の揃ったこの2人は、48km地点で最大4分10秒のリードを得た。

メイン集団はリーダージャージ擁するカルミオオーロ・NGCとチームミルラムがコントロールし、先頭2名とのタイム差を図りながら山岳をこなしていく。結局先頭の2人はゴール28km手前で吸収され、ここからラボバンクとチームミルラムが集団を牽いてゴールに向かった。

フレイレのためにメイン集団をひくセバスティアン・ラングヴェルト(オランダ)やフアンマヌエル・ガラーテ(スペイン、ラボバンク)フレイレのためにメイン集団をひくセバスティアン・ラングヴェルト(オランダ)やフアンマヌエル・ガラーテ(スペイン、ラボバンク) photo:Cor Vos最注目スプリンターのマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア)や、前日2位のロベルト・ワグナー(ドイツ、スキル・シマノ)が10分近く遅れて走る中、上りで縮小した集団による最後のアップヒルスプリント。力勝負ではフレイレの圧勝だった。

フレイレは前日に引き続いてのスプリント2連勝で好調ぶりをアピール。1ヶ月後に迫ったミラノ〜サンレモでは、2007年ぶり3度目の優勝に期待がかかる。

ボーレやジェランスを上りスプリントで破ったオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)ボーレやジェランスを上りスプリントで破ったオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク) photo:Cor Vos総合上位陣は集団内でゴールしたため、順位に大きな変動は無し。初日の優勝者セルヒオ・パルディージャ(スペイン、カルミオーロ・NGC)がリーダージャージを着続け、ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、オメガファーマ・ロット)が9秒差で追っている展開だ。

翌第4ステージは真っ平らな10.9kmコースで行なわれる個人タイムトライアル。苦戦が予想されるクライマーのパルディージャに対し、総合4位のマイケル・ロジャース(オーストラリア、チームHTC・コロンビア)や総合8位トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ)らが攻勢をかけてくるだろう。

レース展開はレース公式サイト、選手やスタッフのコメントは各チーム公式サイトより。

ブエルタ・ア・アンダルシア2010第3ステージ結果
1位 オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)            4h33'36"
2位 グレガ・ボーレ(スロベニア、ランプレ)
3位 サイモン・ジェランス(オーストラリア、チームスカイ)
4位 ファビアン・ウェーグマン(ドイツ、チームミルラム)
5位 アンヘル・ビシオソ(スペイン、アンダルシア・カハスール)
6位 イェンス・フォイクト(ドイツ、サクソバンク)
7位 マルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ)
8位 ポール・マルテンス(ドイツ、ラボバンク)
9位 マキシム・モンフォール(ベルギー、チームHTC・コロンビア)
10位 マルクス・フォーテン(ドイツ、チームミルラム)

個人総合成績
1位 セルヒオ・パルディージャ(スペイン、カルミオーロ・NGC)      13h38'37"
2位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、オメガファーマ・ロット)    +09"
3位 マヌエル・バスケス(スペイン、アンダルシア・カハスール)        +13"
4位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームHTC・コロンビア)      +21"
5位 バウク・モレマ(オランダ、ラボバンク)
6位 ハビエル・モレーノ(スペイン、アンダルシア・カハスール)        +28"
7位 ダニエル・モレーノ(スペイン、オメガファーマ・ロット)         +29"
8位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ)         +31"
9位 マルクス・フォーテン(ドイツ、チームミルラム)             +32"
10位 マキシム・モンフォール(ベルギー、チームHTC・コロンビア)       +37"

ポイント賞
オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)

山岳賞
ブリース・フェイユ(フランス、ヴァカンソレイユ)

チーム総合成績
オメガファーマ・ロット

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos