第56回ブエルタ・ア・アンダルシア(UCI2.1 ルタ・デル・ソル)が2月21日開幕。初日の頂上ゴールで、昨年のTOJ(ツアー・オブ・ジャパン)で総合優勝を飾ったセルヒオ・パルディージャ(スペイン、カルミオーロ・NGC)が優勝を飾った。

独走でカテゴリー1級の頂上ゴールを制したセルヒオ・パルディージャ(スペイン、カルミオーロ・NGC)独走でカテゴリー1級の頂上ゴールを制したセルヒオ・パルディージャ(スペイン、カルミオーロ・NGC) photo:Cor Vosスペイン最南端のアンダルシア州を舞台に、5日間に渡って開催されるブエルタ・ア・アンダルシア。スペインで最も温暖な地域で行なわれることから、「ルタ・デル・ソル(太陽のレース)」の異名を持つ。

レースにはオメガファーマ・ロット、ラボバンク、チームHTC・コロンビア、サクソバンク、チームミルラム、チームスカイ、ランプレなどのプロツアーチームを始め、アンダルシア・カハスールやスキル・シマノなどのプロコンチネンタル/コンチネンタルチームが出場。

フランク・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)やダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)、トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ)らがこの「太陽のレース」でシーズンインした。

初日の第1ステージは、アンダルシア州北部のハエンを中心とした159kmの山岳コース。最後に1級山岳ラ・グアルディア峠(登坂距離5.3km・標高差460m)の頂上ゴールが設定されており、初日から早速クライマーたちに活躍のチャンスが回って来た。

序盤からのヘスス・ロセンド(スペイン、アンダルシア・カハスール)らの逃げは8分のリードを得たが、最後のラ・グアルディア峠までに吸収。勾配のある厳しい上りが始まるとイェンス・フォイクト(ドイツ、サクソバンク)らがアタックを仕掛けたが成功せず、ラスト2.5kmで飛び出したパルディージャが、そのまま独走で難関峠を上り切った。

真っ赤なリーダージャージに袖を通したセルヒオ・パルディージャ(スペイン、カルミオーロ・NGC)真っ赤なリーダージャージに袖を通したセルヒオ・パルディージャ(スペイン、カルミオーロ・NGC) photo:Cor Vosユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、オメガファーマ・ロット)を9秒、ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)を13秒引き離してゴールしたパルディージャは、ステージ優勝と同時にリーダージャージを獲得。強豪を打ち破っての勝利はまさに大金星だ。

パルディージャと言えば、昨年のTOJに来日し、富士山ステージで40分21秒のコースレコードを樹立して総合優勝に輝いたクライマー。TOJ最終日の会見でパルディージャは「ツール、ジロ、ブエルタなどグランツールのスタート地点に立つことを常に夢見ている」と語っていた。

パルディージャが所属するカルミオーロ・NGCは、今年コンチネンタルからプロコンチネンタル登録に昇格したイギリスチーム。2006年のブエルタ・ア・エスパーニャでステージ優勝を飾ったフランシスコホセ・ベントソ(スペイン)や、ドーピングによる出場停止期間が明けたエマヌエーレ・セッラ(イタリア)も所属。ミラノ〜サンレモへの出場が決定している。そこで好成績を残すことが出来れば、ジロ・デ・イタリア出場の可能性もあるだろう。

ブエルタ・ア・アンダルシアの開催は25日まで。連日カテゴリー山岳が登場する山岳コースが設定されており、最終日前日の第4ステージには10.9kmの個人タイムトライアルが行なわれる。

レース展開はスペイン・マルカ紙より。

ブエルタ・ア・アンダルシア2010第1ステージ結果
1位 セルヒオ・パルディージャ(スペイン、カルミオーロ・NGC)      4h11'55"
2位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、オメガファーマ・ロット)     +09"
3位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)                +13"
4位 マヌエル・バスケス(スペイン、アンダルシア・カハスール)
5位 バウク・モレマ(オランダ、ラボバンク)                 +21"
6位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームHTC・コロンビア)
7位 ハビエル・モレーノ(スペイン、アンダルシア・カハスール)        +28"
8位 ダニエル・モレーノ(スペイン、オメガファーマ・ロット)         +29"
9位 イェーレ・ファネンデルト(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
10位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ)        +31"

個人総合成績
1位 セルヒオ・パルディージャ(スペイン、カルミオーロ・NGC)      4h11'55"
2位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、オメガファーマ・ロット)     +09"
3位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)                +13"
4位 マヌエル・バスケス(スペイン、アンダルシア・カハスール)
5位 バウク・モレマ(オランダ、ラボバンク)                 +21"
6位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームHTC・コロンビア)
7位 ハビエル・モレーノ(スペイン、アンダルシア・カハスール)        +28"
8位 ダニエル・モレーノ(スペイン、オメガファーマ・ロット)         +29"
9位 イェーレ・ファネンデルト(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
10位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ)        +31"

ポイント賞
セルヒオ・パルディージャ(スペイン、カルミオーロ・NGC)

山岳賞
セルヒオ・パルディージャ(スペイン、カルミオーロ・NGC)

チーム総合成績
オメガファーマ・ロット

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos