第47回トロフェオ・ライグエリア(UCI1.1)が2月20日、風光明媚なイタリア北部のリグーリア海を舞台に開催された。ランプレ勢を打ち破ったフランチェスコ・ジナンニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)が連覇を達成。日本人選手5名がシーズンデビューし、新城幸也(Bboxブイグテレコム)が71位でレースを終えている。

リグーリア海に面したライグエリアをスタートリグーリア海に面したライグエリアをスタート photo:Cor Vos今年で開催47回目を迎えるトロフェオ・ライグエリアは、1964年にスタートした伝統のワンデーレース。過去の優勝者リストにはエディ・メルクス(ベルギー)やジュゼッペ・サロンニ(イタリア)、ランス・アームストロング(アメリカ)らの名前が並ぶ。

レースのメイン舞台となるのは、ミラノ〜サンレモでも通過するリグーリア海岸。海沿いの田舎町ライグエリアをスタートし、カテゴリー山岳を含む大小3つの周回コースを駆け回る。後半にかけて標高500mクラスの山岳が3つ連続し、ラスト15kmは海沿いの平坦路だ。

リグーリア海沿いの平坦路を進むリグーリア海沿いの平坦路を進む photo:Cor Vosレースにはリクイガス、アスタナ、ランプレ、フランセーズデジュー、アージェードゥーゼル、カチューシャのプロツアー6チームを含む21チームが出場。注目のアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ)はウィルス性の体調不良によって欠場した。

Bboxブイグテレコムの新城幸也は、ヨーロッパでの2シーズン目をこのライグエリアでスタート。チームNIPPOから井上和郎、佐野淳哉、中島康晴、菊池誠晃の4名も出場し、日本人選手5名が顔を合わせた。

スプリントで大会連覇を達成したフランチェスコ・ジナンニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)スプリントで大会連覇を達成したフランチェスコ・ジナンニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ) photo:Cor Vosレースはアレクサンドル・ピショ(フランス、Bboxブイグテレコム)を含む9名が先行し、メイン集団から6分30秒のリードを得て逃げる展開。しかしスプリンター擁するメイン集団を振り切ることが出来ず、ゴール手前で逃げは全て吸収された。

ゴールスプリントを争ったのは、連続する山岳で縮小した60名ほどの集団。ランプレがスプリントに向けて積極的にリードしたが、その隙を突いてスプリントしたジナンニが優勝。フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア)とダニエーレ・ピエトロポッリ(イタリア)のランプレコンビはジナンニに敗れ去った。

2位ガヴァッツィ(ランプレ)、優勝ジナンニ(アンドローニ・ジョカトーリ)、3位ピエトロポッリ(ランプレ)2位ガヴァッツィ(ランプレ)、優勝ジナンニ(アンドローニ・ジョカトーリ)、3位ピエトロポッリ(ランプレ) photo:Cor Vosジナンニは昨年大会でも優勝を飾っており、史上3人目の連覇を達成。大会連覇は2003年と2004年のフィリッポ・ポッツァート(イタリア、当時ファッサボルトロ)ぶりだ。

プロ通算7勝目のジナンニはガゼッタ紙とのインタビューの中で「この勝利を故フランコ・バッレリーニに捧げたい。次はミラノ〜サンレモだ。昨年はこのライグエリアでの勝利の後、少しリラックスしすぎた。今年こそクラッシチッシマ(サンレモの呼称)で夢を果たしたい」と語る。

この日は出走者162名のうち、完走者は87名。日本勢は新城幸也が4分遅れの集団でゴールし、チームNIPPOの4名はDNFに終わっている。

レース展開、ならびに選手コメントはガゼッタ紙より。


トロフェオ・ライグエリア2010結果
1位 フランチェスコ・ジナンニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)   4h48'15"
2位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ)
3位 ダニエーレ・ピエトロポッリ(イタリア、ランプレ)
4位 エンリーコ・ロッシ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)
5位 マッテーオ・モンタグティ(イタリア、 デローザ・スタックプラスチック)
6位 ルーカ・パオリーニ(イタリア、リクイガス)
7位 ユーレ・コチャン(スロベニア、カルミオオーロ・NGC)
8位 シリル・デッセル(フランス、アージェードゥーゼル)
9位 ルーカ・マッツァンティ(イタリア、カチューシャ)
10位 エンリーコ・ゼン(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
71位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)                +4'03"
DNF 井上和郎(日本、チームNIPPO)
DNF 佐野淳哉(日本、チームNIPPO)
DNF 中島康晴(日本、チームNIPPO)
DNF 菊池誠晃(日本、チームNIPPO)

(※当初「チームNIPPOから3名が出場」とお伝えしましたが、正確には井上、佐野、中島、菊池の4名でした。該当部分の訂正をさせていただくと共に、お詫び申し上げます。)

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos