ツール・メディテラネアンの最終第5ステージが、1級山岳モンファロンにゴールする山岳コースで行なわれ、2007年のツアー・オブ・ジャパン総合優勝者フランチェスコ・マシャレッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)が優勝。アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)が初総合優勝に輝いた。

スタート前の土井雪広とクーン・デコルト(オランダ、アスタナ)スタート前の土井雪広とクーン・デコルト(オランダ、アスタナ) photo:Cor Vos地中海一周レースを締めくくる第5ステージは、序盤から1級と2級のカテゴリー山岳が4つ連続する本格的な126kmの山岳コース。最後は1級山岳モンファロンの頂上ゴールが設定されている。この日も冷たい雨と雪が降る厳しいコンディションに見舞われたため、レース主催者はコース短縮を決めた。

レースは序盤からレミ・ディグレゴリオ(フランス、フランセーズデジュー)やブリース・フェイユ(フランス、ヴァカンソレイユ)らがアタック。土井雪広(スキル・シマノ)もアタックを仕掛けたが、どれも決まらないままレースは進行。

着込んでスタートを待つアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)着込んでスタートを待つアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ) photo:Cor Vosレース中盤でようやくディグレゴリオを含む6名の逃げグループが形成されたが、メイン集団はこの逃げに大きなアドバンテージを与えない。最後の1級山岳モンファロンの接近に伴い、最大3分あったタイム差は縮小した。

やがてモンファロンの上りが始まると、メイン集団からアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)、レミ・ポリオル(フランス、コフィディス)、フランチェスコ・マシャレッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)の3名がアタック。この3名はすぐさま先頭の逃げグループに合流し、そこからマシャレッリの一人旅が始まった。

モンファロンの頂上ゴールを制したフランチェスコ・マシャレッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)モンファロンの頂上ゴールを制したフランチェスコ・マシャレッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ) photo:Cor Vos2007年のツアー・オブ・ジャパン富士山ステージ個人タイムトライアルで41分38秒の圧倒的なタイムで優勝し、ステージ2勝&総合優勝に輝いたマシャレッリ。独走のままモンファロン頂上のゴールに飛び込んだ。

追走したバルベルデやリナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル)、ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)はマシャレッリに8秒届かずゴール。ヴィノクロフは30秒遅れでゴールした。

総合優勝に輝いたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)総合優勝に輝いたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ) photo:Cor Vosリーダージャージのユッシ・ヴェッカネン(フィンランド、フランセーズデジュー)が1分以上遅れたため、ステージ2位のバルベルデが総合優勝。前年度はルイスレオン・サンチェス(スペイン)が総合優勝に輝いており、ケースデパーニュとしては大会連覇を達成したことになる。

バルベルデはスペインのマルカ紙の中で「1週間に渡って好調が続いていたけど、今日は寒さと雨、雪の影響で調子が上がらなかった。最後のモンファロンではいつも以上に苦しんだよ。でも一生懸命働いてくれたチームメイトをガッカリさせたくなかった。上りではリズムを崩さないように心がけたんだ」とコメントしている。

土井は序盤の山岳でアタックに加わったものの、最終的に集団から大きく遅れてゴール。完走したが、順位はついていない。土井は自身のブログの中で「去年はアシストとして悔しい思いをしたステージだったけど、今年は寒さにやられて思うように走れなかった。この寒さは未知の世界でした。良い経験といえるレースだったと思います」と、厳しいレースを振り返る。

土井の次戦は、2月20日〜21日に渡って同じフランス南部で開催されるツール・ド・オートヴァール(UCI2.1)。土井は「明日からはリカバリーウィークに入って、次のレースに備えます!」と語った。

レース展開はレキップ紙、マルカ紙より。

ツール・メディテラネアン2010第5ステージ結果
1位 フランチェスコ・マシャレッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)  3h17'40"
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)          +08"
3位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル)
4位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)
5位 ジョニー・フーガーランド(オランダ、ヴァカンソレイユ)          +11"
6位 マキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)
7位 ジュリアン・エルファレ(フランス、コフィディス)             +22"
8位 アレクサンドル・ジェニエ(フランス、スキル・シマノ)           +28"
9位 アマエル・モワナール(フランス、コフィディス)              +30"
10位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)

個人総合成績
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)     14h55'17"
2位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル)    +02"
3位 マキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)         +05"
4位 ジョニー・フーガーランド(オランダ、ヴァカンソレイユ)       +09"
5位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)       +35"
6位 ヤニック・タラバルドン(フランス、ソール・ソジャサン)      +1'13"
7位 ユッシ・ヴェッカネン(フィンランド、フランセーズデジュー)    +1'18"
8位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)           +2'11"
9位 ジャンマルク・マリノ(フランス、ソール・ソジャサン)       +2'13"
10位 ジュリアン・エルファレ(フランス、コフィディス)        +2'18"

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos

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