絶え間ないアタック合戦とエステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)の脱落で混沌とした休息日明けのジロ選手コメント集。逃げ切ったマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ)、チャベス、総合勢らの言葉で振り返ります。



逃げ切り勝利を挙げたマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ)

スプマンテを開けるマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ)スプマンテを開けるマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ) photo:Kei Tsuji
特別で、かつ完璧な1日になった。とても長く厳しい逃げ向きのステージだったので、最初にコースマップを見た時に目星をつけていたんだ。逃げに乗ろうとトライして17名のエスケープに入れたけれど、メイン集団でチャベスが遅れたので復帰を拒むチームが猛烈にペースアップして一度キャッチされてしまった。でも終盤にもう一度チャンスを感じたので、ポッツォヴィーヴォに逃げて良いか聞いてアタック。総合エースがいながら、ステージ優勝を狙うことを容認してくれたチームに感謝している。

ニコ・デンツにスプリントで勝てるかどうか自信がなかったので、距離を残して何度かアタックした。そして最後のスプリントではフルガスで踏み込んで、何とか先頭を守り抜いたんだ。ステージ優勝はチームとしての目標でもあったので本当に嬉しい。これから数日はドメニコを守る立場に回りたいと思う。

マッチスプリントで敗れたニコ・デンツ(ドイツ、アージェードゥーゼール)

スプリントで敗れたニコ・デンツ(ドイツ、アージェードゥーゼール)スプリントで敗れたニコ・デンツ(ドイツ、アージェードゥーゼール) photo:Kei Tsuji
最後はモホリッチの方が強かった。彼の後ろからスプリントのタイミングを待ったけれど、結局追い抜くことはできなかった。あの時右から風が吹いていて、彼は風下の左側をずっとキープするクレバーな戦略をとっていた。僕はスリップスットリームを与えてしまっていたんだ。僕には平坦でも山場でもアシストとしての仕事があるけれど、またチャンスが巡ってきたらためらわずに狙うよ。

逃げから遅れたダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、アスタナ)

残り40kmでチャンスを感じたのでアタックした。合流してきたモホリッチと協調体制を築いてフラッポルティを捉えたけれど、追いかける集団のペースも速かった。最後の登りでエネルギー切れを起こしてモホリッチとの距離を空けてしまったんだ。追いつくために全力で踏み続けたけど不可能だった。今日の序盤はクレイジーすぎる展開だったので、総合リーダーのロペスを守るためにかなり力を使っていたことも影響したと思う。

34秒遅れの集団はサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)が先頭34秒遅れの集団はサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)が先頭 photo:Kei Tsuji
追いつかなかったサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)

2名を逃してしまい、3位より上を狙う術がなかった。アタックが常に掛かり続ける厳しい展開の中、ボーラ・ハンスグローエはチームとしてとてもうまく機能したし、それを誇りに思いたい。結果には繋がらなかったものの総合メンバーも遅れなかったし、次のチャンスでは僕が勝利で報いたい。

マリアローザのサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)

マリアローザはサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)がキープマリアローザはサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)がキープ photo:Kei Tsuji
ここ最近こんなにアグレッシブなステージを走ったことが無いよ。まるで短距離ステージのような最初から厳しい展開だった。休息日の翌日は身体がどうレース強度に反応するかわからない。チャベスは最初の登りで苦しんでいた。彼がどれだけこのジロのために準備をしてきたか知っているので、彼の脱落は残念でならない。

これからの山岳ステージは問題なくこなせるだろうけれど、個人TTが不安だ。どうしてもタイムを失うだろうからトム・デュムランから少しでもタイムを奪おうと決めて中間スプリントでしっかりとボーナスタイムを稼いだ。この先のステージでももっとボーナスタイムを稼ぎたいと思う。僕には心強いチームが付いてくれているけれど、ライバル勢も強力で最終的なマリアローザ獲得は簡単じゃない。自分を信じてトライしていきたい。

再び総合2位となったトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)

スタートサインに向かうトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)スタートサインに向かうトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) (c)CorVos
強力な働きを見せてくれたチームに感謝したい。チャベスを復帰させないための動きも素晴らしかったし、最終盤の落車から引き上げてくれたサム(オーメン)に助けられたよ。落車はメイン集団先頭で進入スピードを読み間違えて突っ込んだ選手たちの影響で起こった。僕はブレーキが間に合わずクラッシュしてしまったよ。擦過傷を作ってしまったのでシャワーが痛むはず。とりあえず大きなダメージがないので良かった。イェーツは中間スプリントを楽々先着するほど強かった。信じられないほど強いよ。チャベスが脱落したことには驚かされたけれど、バッドデイは誰にも起こりうる。

大きく遅れたエステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)

遅れてフィニッシュしたエステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)遅れてフィニッシュしたエステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット) (c)CorVos
僕の総合争いを賭けたジロは終わってしまった。残念でならない。差を詰めるために力を尽くしてくれたチームメイトに感謝を。けれど全てのライバルチームが牙を剥いた逆境の中でできることは無かった。脚に全く力が入らず、最初の2級山岳で早くも集団から脱落してしまった。とてもタフな1日だった。幸いサイモンは強力でマリアローザを守っている。僕らの戦略は多少変わるだろうけれど、最終的な目標は変わらない。早く復調して彼をサポートしたい。

text:So.Isobe

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