シルヴァン・シャヴァネル(フランス、ディレクトエネルジー)を残り500mで捉えた末の集団スプリント。2連勝を狙うマグナスコルト・ニールセン(デンマーク、アスタナ)をフィニッシュ直前でパスしたマキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ)が勝利した。
各賞ジャージを先頭にリッチモンドをスタートしていく (c)www.tour-de-yorkshire.co.uk
連日大観衆の中を駆け抜けているツール・ド・ヨークシャー(UCI2.1)の3日目は、リッチモンドから海沿いのスカボローを目指す184km。70km地点にサットンバンク(距離1400m/平均勾配12%)、132.5km地点にシルフォ(1500m/8.2%)という二つの山岳ポイントが用意されるが、その前後にもノンカテゴリーの細かいアップダウンが連続する。
ノコギリ歯のようなコースに向けて、この日も地元イギリス勢が積極的にアタックに打って出る。UCIプロコンチネンタルチームとUCIコンチネンタルチームのメンバーで構成された5名の逃げは、UCIワールドチーム率いるメイン集団から3分弱のリードを得た。
2ヶ所の山岳ポイントではジョナサン・マケヴォイ(イギリス、マディソン・ジェネシス)とピーター・ウィリアムズ(イギリス、ワンプロサイクリング)が火花を散らし、それぞれ1位を1回ずつ分け合うことに。メイン集団では総合首位のマグナス・コルトニールセン(デンマーク)擁するアスタナがコントロール役を担った。
アスタナやチームスカイがメイン集団をコントロールする (c)CorVos
2つのカテゴリー山岳と、無数のアップダウンが用意された第3ステージ (c)www.tour-de-yorkshire.co.uk
北海に面したスカボロー。無数の観客が集った石畳坂「クレセント・ヒル」を走る (c)www.tour-de-yorkshire.co.uk
2回目のカテゴリー山岳シルフォではBMCレーシングがペースアップを行い、重量級スプリンターを蹴落としたいチームが加担したことで、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)やフィル・バウハウス(ドイツ、サンウェブ)らが遅れをとった。
終盤に入るとディレクトエネルジーが猛プッシュを行い、残り5km付近からシルヴァン・シャヴァネル(フランス)が単独アタック。得意パターンに持ち込んだ38歳の大ベテランだったが、ブライアン・コカール(フランス)を引き連れたヴィタルコンセプトの牽引によって残り500mで吸収されてしまう。アシストを受けたコカールが200mを残して加速し、集団スプリントが幕を開けた。
マグナスコルト・ニールセン(デンマーク、アスタナ)をパスするマキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ) (c)CorVos
スプリントで先着したマキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ) (c)CorVos
ボーナスタイムで総合リードを広げたマグナスコルト・ニールセン(デンマーク、アスタナ) (c)CorVos
ステージ表彰を受けるマキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ) (c)CorVos
初日に落車した傷が痛々しいコカールは伸び悩み、2連勝を狙ったニールセンが追い抜いていく。しかし冷静に状況を捉え、ニールセンの背後からチャージしたマキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ)がフィニッシュライン直前でリーダージャージをパス。199cm/89kgの体格から繰り出されるスプリントに、昨年までチーム右京に所属したヨン・アベラストゥリ(スペイン、エウスカディ・ムリアス)も届かなかった。
「とても厳しいステージだったけれど、チームの助けもあって登りを耐え抜くことができた。苦手なアップダウンを凌いで勝てたので今後の自信に繋がるよ」と、登りで遅れたバウハウスの代役を完璧に果たしたヴァルシャイドは言う。
また、ニールセンは勝利にこそ届かなかったものの、ボーナスタイムを得たことで総合リードを6秒拡大。2位のグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)に対して10秒差を付け、タフな登りが詰め込まれた明日の最終ステージに挑むこととなった。

連日大観衆の中を駆け抜けているツール・ド・ヨークシャー(UCI2.1)の3日目は、リッチモンドから海沿いのスカボローを目指す184km。70km地点にサットンバンク(距離1400m/平均勾配12%)、132.5km地点にシルフォ(1500m/8.2%)という二つの山岳ポイントが用意されるが、その前後にもノンカテゴリーの細かいアップダウンが連続する。
ノコギリ歯のようなコースに向けて、この日も地元イギリス勢が積極的にアタックに打って出る。UCIプロコンチネンタルチームとUCIコンチネンタルチームのメンバーで構成された5名の逃げは、UCIワールドチーム率いるメイン集団から3分弱のリードを得た。
2ヶ所の山岳ポイントではジョナサン・マケヴォイ(イギリス、マディソン・ジェネシス)とピーター・ウィリアムズ(イギリス、ワンプロサイクリング)が火花を散らし、それぞれ1位を1回ずつ分け合うことに。メイン集団では総合首位のマグナス・コルトニールセン(デンマーク)擁するアスタナがコントロール役を担った。



2回目のカテゴリー山岳シルフォではBMCレーシングがペースアップを行い、重量級スプリンターを蹴落としたいチームが加担したことで、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)やフィル・バウハウス(ドイツ、サンウェブ)らが遅れをとった。
終盤に入るとディレクトエネルジーが猛プッシュを行い、残り5km付近からシルヴァン・シャヴァネル(フランス)が単独アタック。得意パターンに持ち込んだ38歳の大ベテランだったが、ブライアン・コカール(フランス)を引き連れたヴィタルコンセプトの牽引によって残り500mで吸収されてしまう。アシストを受けたコカールが200mを残して加速し、集団スプリントが幕を開けた。




初日に落車した傷が痛々しいコカールは伸び悩み、2連勝を狙ったニールセンが追い抜いていく。しかし冷静に状況を捉え、ニールセンの背後からチャージしたマキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ)がフィニッシュライン直前でリーダージャージをパス。199cm/89kgの体格から繰り出されるスプリントに、昨年までチーム右京に所属したヨン・アベラストゥリ(スペイン、エウスカディ・ムリアス)も届かなかった。
「とても厳しいステージだったけれど、チームの助けもあって登りを耐え抜くことができた。苦手なアップダウンを凌いで勝てたので今後の自信に繋がるよ」と、登りで遅れたバウハウスの代役を完璧に果たしたヴァルシャイドは言う。
また、ニールセンは勝利にこそ届かなかったものの、ボーナスタイムを得たことで総合リードを6秒拡大。2位のグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)に対して10秒差を付け、タフな登りが詰め込まれた明日の最終ステージに挑むこととなった。
ステージ結果
1位 | マキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ) | 4h10’27” |
2位 | マグナスコルト・ニールセン(デンマーク、アスタナ) | |
3位 | ヨン・アベラストゥリ(スペイン、エウスカディ・ムリアス) | |
4位 | ブライアン・コカール(フランス、ヴィタルコンセプト) | |
5位 | ロバートジョン・マッカーシー(アイルランド、JLTコンドール) | |
6位 | コナー・スウィフト(イギリス、マディソン・ジェネシス) | |
7位 | マイク・テウニッセン(オランダ、サンウェブ) | |
8位 | グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) | |
9位 | エミルス・リーペンス(ラトビア、ワンプロサイクリング) | |
10位 | コリン・ジョイス(アメリカ、ラリーサイクリング) |
個人総合成績
1位 | マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ) | 11h44’02” |
2位 | グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) | +10” |
3位 | エデュアルド・プラデス(スペイン、エウスカディ・ムリアス) | +12” |
4位 | セルジュ・パウェルス(ベルギー、ディメンションデータ) | +16” |
5位 | コリン・ジョイス(アメリカ、ラリーサイクリング) | +21” |
6位 | ロベルト・キセルロウスキー(ロシア、カチューシャ) | |
7位 | マイケル・ストーラー(オーストラリア、サンウェブ) | |
8位 | ブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシング) | +27” |
9位 | ステフ・クラス(ベルギー、カチューシャ・アルペシン) | |
10位 | アントニー・ペレス(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ) |
ポイント賞
1位 | マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ) | 27pts |
2位 | ハリー・タンフィールド(イギリス、キャニオン・アイスベルグ) | 21pts |
3位 | マキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ) | 20pts |
山岳賞
1位 | マイケル・カミング(イギリス、マディソン・ジェネシス) | 8pts |
2位 | ピーター・ウィリアムズ(イギリス、ワンプロサイクリング) | 6pts |
3位 | ジョナサン・マケヴォイ(イギリス、マディソン・ジェネシス) | 6pts |
チーム総合成績
1位 | BMCレーシング | 35h13’30” |
2位 | アクアブルースポート | +03” |
3位 | サンウェブ | +37” |
text:So.Isobe
photo:CorVos,www.tour-de-yorkshire.co.uk
photo:CorVos,www.tour-de-yorkshire.co.uk
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