2級山岳が4つ登場する本格的な山岳コースで行なわれたチャレンジ・マヨルカ4日目のトロフェオ・デイア(UCI1.1)は、ポルトガル期待の若手ルイ・コスタ(ケースデパーニュ)が逃げ切り勝利を飾った。

雪の積もった山岳地帯を進む雪の積もった山岳地帯を進む photo:Cor Vosマヨルカ島北部の山岳地帯を舞台に行なわれたトロフェオ・デイア。143kmのコースには、前日にも登場したプイグマヨール峠を含め、4つの2級山岳が設定されている。

この日もレースは序盤からアタックが繰り返されたが、安定した逃げグループが形成されないまま、レースはこの日最大の2級山岳プイグマヨール峠に突入。この上りで前日の優勝者リーナス・ゲルデマン(ドイツ、チームミルラム)と前日3位ラファエル・バルス(スペイン、フットオン・セルヴェット)が飛び出した。

一緒に逃げたオラクをスプリントで下したルイ・コスタ(ポルトガル、ケースデパーニュ)一緒に逃げたオラクをスプリントで下したルイ・コスタ(ポルトガル、ケースデパーニュ) photo:Cor Vos先頭のゲルデマンとバルスを追ったのは、アレクサンドル・ボチャロフ(ロシア、カチューシャ)、レイン・ ターラマエ(エストニア、コフィディス)、 マルクス・アイベガー(オーストリア、フットオン・セルヴェット)、コスタの4名。

やがてプイグマヨール峠の下りで先頭の2名が失速し、代わってコスタ、オラク、ターラマエの3名が先行。この日最後のブレダ峠でターラマエが脱落すると、コスタとオラクが後続集団を1分引き離してゴールに向かった。

ゴールまで3kmを残して先頭2名と後続集団のタイム差は30秒。最後は追撃を振り切った2人によるスプリント勝負に持ち込まれ、元チームメイトのオラクを振り切ったコスタが優勝を飾った。後続はチームメイトのホセイバン・グティエレス(スペイン)を先頭に7秒遅れでゴールしている。

コスタ(フルネーム:ルイアルベルト・ファリアダコスタ)は若干23歳のクライマー。「オラクが飛び出したとき、彼の能力の高さを知っていたから付いていったんだ。オラクはコースを知り尽くしていたからダウンヒルも速かった。一緒に逃げたのが彼じゃなかったら逃げ切れていなかったと思う」とレースを振り返る。

2008年のロード世界選手権U23ロードレースで5位、タイムトライアルで8位に入ったコスタは、昨年ケースデパーニュに合流。キャトル・ジュール・ド・ダンケルクで総合優勝を飾ると、ツール・ド・スイスで総合13位に入った。ツール・ド・フランスでグランツールデビューを飾ったが、第12ステージでDNSに終わっている。

チャレンジ・マヨルカは翌日のトロフェオ・マガルフで閉幕する。最終日は4つの2級山岳と3級山岳が設定された158kmの山岳レースだ。

レース展開と選手コメントはレース公式サイトより。

トロフェオ・デイア結果
1位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ケースデパーニュ) 3h27'21"
2位 ホアン・オラク(スペイン、カチューシャ)               +02"
3位 ホセイバン・グティエレス(スペイン、ケースデパーニュ)        +07"
4位 アイトール・ペレス(スペイン、フットオン・セルヴェット)
5位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)
6位 キム・キルシェン(ルクセンブルク、カチューシャ)
7位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、エウスカルテル)
8位 マヌエル・バスケス(スペイン、アンダルシア・カハスール)
9位 ラファエル・バルス(スペイン、フットオン・セルヴェット)
10位 エドゥアルト・ヴォルガノフ(ロシア、カチューシャ)

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos