ルクセンブルクで3日間にわたって開催されているフェスティバル・エルシーヤコブスの第1ステージで、バイク盗難によって借り物バイクに乗った與那嶺恵理(マースランドスターインターナショナル)が終盤まで逃げてステージ敢闘賞を獲得した。


単独逃げを試みる與那嶺恵理(マースランドスターインターナショナル)単独逃げを試みる與那嶺恵理(マースランドスターインターナショナル)

4月27日から29日まで、3日間の日程で開催されているフェスティバル・エルシーヤコブス(UCI2.1)。UCIワールドツアーチームが合計10チーム出場しているレースに、ウィグル・ハイファイブの與那嶺恵理がオランダのマースランドスターインターナショナルの一員として、そして牧瀬翼のチームメイトとして出場した。

牧瀬がステージ67位、與那嶺がステージ76位で初日のプロローグ(2.8km個人TT)を終えた翌日、第1ステージの朝にマースランドスターインターナショナルの機材トラックが車上荒らしにあい、チームバイクが全て盗難されるという事態が発生。すぐさま與那嶺らはSNSを通して機材提供を呼びかけ、他チームからバイクを借りて第1ステージをスタートした。

「いつもの朝の準備を終え、ローラーを行おうとしたところ、ホテル内の駐車場に停泊していたキャミオン(トラック)が壊されており、中にあった全てのバイクが盗難されていました。あーあ、やられたなと言う脱力感もあり、ここがヨーロッパであることを強く実感。素早く切り替える必要もありますが、しょうがないという気持ちもあり。ツイッターの力を借りて、多くのパワーも頂き、無事に借り物競走も完了しスタート地点へ。色々な思いがあり、今日は攻めようと決めてスタートしました」と與那嶺は慌ただしい朝を振り返る。

元オランダチャンピオンのアノウスカ・コスター(オランダ、ワオディールス)らと逃げる與那嶺恵理(マースランドスターインターナショナル)元オランダチャンピオンのアノウスカ・コスター(オランダ、ワオディールス)らと逃げる與那嶺恵理(マースランドスターインターナショナル)

合計5周する後半の周回コースの2周目に與那嶺はアタックしてしばらく独走。ここに2人が追いついて逃げ続けたが、残り5km地点で吸収された。集団スプリントでルクセンブルクチャンピオンのクリスティン・マジェラス(ルクセンブルク、ブールスドルマンス)が勝利し、與那嶺はトップと同タイムのステージ62位、牧瀬は49秒遅れのステージ63位でレースを終えている。

後半に果敢な走りを見せ、ステージ敢闘賞を獲得するとともに山岳賞ランキングでも2位に立った與那嶺は「何度か攻撃をして単独での逃げを決め、その後は3名で回して残り5kmで吸収。勝ちたくて逃げて、またあと一歩でしたが、これが今の私のスタイルです。明日は楽しみながら、山岳賞も狙っていきます!」と語っている。

ルクセンブルクチャンピオンのクリスティン・マジェラス(ルクセンブルク、ブールスドルマンス)が勝利ルクセンブルクチャンピオンのクリスティン・マジェラス(ルクセンブルク、ブールスドルマンス)が勝利
ステージ敢闘賞を獲得した與那嶺恵理(マースランドスターインターナショナル)がステージに上がるステージ敢闘賞を獲得した與那嶺恵理(マースランドスターインターナショナル)がステージに上がる
フェスティバル・エルシーヤコブス2018第1ステージ結果
1位 クリスティン・マジェラス(ルクセンブルク、ブールスドルマンス) 2:30:10
2位 アレクシス・ライアン(アメリカ、キャニオン・スラム)
3位 エウジェニア・ブジャク(スロベニア、BTCシティリュブリャナ)
4位 レティツィア・パテルノステル(イタリア、アスタナ)
5位 リーザ・クレイン(ドイツ、キャニオン・スラム)
6位 アグニエスカ・スカルニアク(ポーランド、エクスペルサ・フットロジックス)
62位 與那嶺恵理(マースランドスターインターナショナル)
63位 牧瀬翼(マースランドスターインターナショナル) 0:00:49
ステージ敢闘賞
1位 與那嶺恵理(マースランドスターインターナショナル)
個人総合成績
1位 クリスティン・マジェラス(ルクセンブルク、ブールスドルマンス) 2:34:03