ツアー・オブ・クロアチア最終日に、チームメイトと逃げに乗ったパオロ・シモン(イタリア、バルディアーニCSF)が独走勝利。最後の石畳登坂でライバルを引き離したカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、バーレーン・メリダ)が総合優勝に輝いた。
スタート前インタビューに応じるカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、バーレーン・メリダ) (c)www.tourofcroatia.com
第1中間スプリント直後に生まれた6名の逃げグループ (c)www.tourofcroatia.com
クロアチアの首都ザグレブを目指す151.6kmコースが用意されたツアー・オブ・クロアチア(UCI2.HC)の最終日。基本的には平坦ながら、最後はザグレブ旧市街の石畳急勾配をこなしてフィニッシュするテクニカルなレイアウトが、ここまで900km以上を走った選手たちを待ち受けた。
スタートすると前日に1ポイント差でポイント賞リーダージャージを失ったエドゥアルド・グロス(ルーマニア)のためにNIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニが動く。3km地点の中間スプリントポイントでグロスと吉田隼人がワンツー通過し、グロスは暫定で首位返り咲きに成功した。
その時の様子を吉田はこう振り返っている。「スプリントポイントではグロスが1位通過し、僕も2位通過することで、他チームにポイントを取らせないことに成功した。 スプリントポイントが終わった直後にさらにバルディアーニの2選手がアタックするのに反応し、そのまま自分を含め6人の逃げ集団ができた」。
吉田隼人(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)を先頭に市街地コースを走る逃げグループ (c)www.tourofcroatia.com
バーレーン・メリダ率いるメイン集団から5分強のリードを得た6名は快調に逃げ続け、レースは終盤戦へと突入。ザグレブ旧市街に用意された6.5kmの周回コースに入ると、残り15km地点の最初の石畳登坂では先頭集団、1分弱まで詰め寄っていたメイン集団が共に崩壊。ここで逃げに入っていたパオロ・シモンとミルコ・マエストリ(共にイタリア、バルディアーニCSF)がタイミング良く抜け出した。
スプリントを狙うチームがメイン集団を率いたものの、快調に逃げ続けるシモンとマエストリとの差は思うように縮まらない。最終盤に単独となり、25秒差を維持したシモンが嬉しいプロキャリア初勝利。バルディアーニCSFは第4ステージに続く今大会2勝目を飾ってみせた。
独走でフィニッシュするパオロ・シモン(イタリア、バルディアーニCSF) (c)CorVos
新城幸也が総合優勝したカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、バーレーン・メリダ)を祝う (c)CorVos
労いの言葉を掛けられるカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、バーレーン・メリダ) (c)CorVos
「2日前にトネッリが勝利して、今日は自分。どちらも滑らしいチームワークあってこその美しい勝利だった。一緒に逃げたマエストリと励ましあって逃げ続けたんだ。U23カテゴリーではたくさん勝利できたけれど、プロになってから3年間勝ち星を逃し続けていたので本当に嬉しい。ここまで長かったけれど、練習は裏切らなかった。今日はたくさんのことを学んだよ」と25歳のシモンは喜びをコメントした。
バルディアーニがワンツー勝利を飾った25秒後ろでは、「チームメートが素晴らしい仕事をしてくれ、それに報いるために、どうしても区間優勝したかった」と言うグロスがスプリントで先着し、ポイント賞を決めるステージ3位に。総合首位のカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、バーレーン・メリダ)は総合2位ピーター・ウェーニング(オランダ、ルームポット・ネデランセロテリ)を3秒引き離すダメ押しの11位に滑り込み、ツアー・オブ・クロアチア第4代覇者に輝いた。
豪快にシャンパンを開けるカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、バーレーン・メリダ) (c)www.tourofcroatia.com
優勝トロフィーを受け取ったカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、バーレーン・メリダ) (c)www.tourofcroatia.com
各賞ジャージホルダーが表彰台に揃い踏み (c)www.tourofcroatia.com
隣国スロベニアの選手とスタッフを多く抱え、チームのホームレースとも言えるクロアチアを制したベテランは、「今日もまたチームが完璧な仕事を果たしてくれた。決して安全とは言えないタイム差を守るための最善策は自ら攻撃することだった。だから最後の急勾配では全力でアタック。昨年のニバリに続くチームのクロアチア2連覇を達成できて本当に良かった」と喜びを語っている。
以下は逃げに乗った吉田のコメント。シウトソウの総合優勝に貢献した新城幸也(バーレーン・メリダ)のコメントは入り次第追記します。
「結果的に、逃げグループの中から今日のステージ優勝者が出たので、自分の力不足が悔やまれるが、今日のステージで3位にグロスが入ってくれたおかげで、ポイント賞を取り返すことに成功し、チームとしていい雰囲気で、ケガなく終えたことはすごく良かったと思う。 また何より、僕自身のコンディションも日に日に上がり、今は次のレースが楽しみ。次は今回以上のパフォーマンスが出せるように引き続き準備していく」。
チーム総合表彰に向かう新城幸也とニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ) (c)CorVos


クロアチアの首都ザグレブを目指す151.6kmコースが用意されたツアー・オブ・クロアチア(UCI2.HC)の最終日。基本的には平坦ながら、最後はザグレブ旧市街の石畳急勾配をこなしてフィニッシュするテクニカルなレイアウトが、ここまで900km以上を走った選手たちを待ち受けた。
スタートすると前日に1ポイント差でポイント賞リーダージャージを失ったエドゥアルド・グロス(ルーマニア)のためにNIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニが動く。3km地点の中間スプリントポイントでグロスと吉田隼人がワンツー通過し、グロスは暫定で首位返り咲きに成功した。
その時の様子を吉田はこう振り返っている。「スプリントポイントではグロスが1位通過し、僕も2位通過することで、他チームにポイントを取らせないことに成功した。 スプリントポイントが終わった直後にさらにバルディアーニの2選手がアタックするのに反応し、そのまま自分を含め6人の逃げ集団ができた」。

バーレーン・メリダ率いるメイン集団から5分強のリードを得た6名は快調に逃げ続け、レースは終盤戦へと突入。ザグレブ旧市街に用意された6.5kmの周回コースに入ると、残り15km地点の最初の石畳登坂では先頭集団、1分弱まで詰め寄っていたメイン集団が共に崩壊。ここで逃げに入っていたパオロ・シモンとミルコ・マエストリ(共にイタリア、バルディアーニCSF)がタイミング良く抜け出した。
スプリントを狙うチームがメイン集団を率いたものの、快調に逃げ続けるシモンとマエストリとの差は思うように縮まらない。最終盤に単独となり、25秒差を維持したシモンが嬉しいプロキャリア初勝利。バルディアーニCSFは第4ステージに続く今大会2勝目を飾ってみせた。



「2日前にトネッリが勝利して、今日は自分。どちらも滑らしいチームワークあってこその美しい勝利だった。一緒に逃げたマエストリと励ましあって逃げ続けたんだ。U23カテゴリーではたくさん勝利できたけれど、プロになってから3年間勝ち星を逃し続けていたので本当に嬉しい。ここまで長かったけれど、練習は裏切らなかった。今日はたくさんのことを学んだよ」と25歳のシモンは喜びをコメントした。
バルディアーニがワンツー勝利を飾った25秒後ろでは、「チームメートが素晴らしい仕事をしてくれ、それに報いるために、どうしても区間優勝したかった」と言うグロスがスプリントで先着し、ポイント賞を決めるステージ3位に。総合首位のカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、バーレーン・メリダ)は総合2位ピーター・ウェーニング(オランダ、ルームポット・ネデランセロテリ)を3秒引き離すダメ押しの11位に滑り込み、ツアー・オブ・クロアチア第4代覇者に輝いた。



隣国スロベニアの選手とスタッフを多く抱え、チームのホームレースとも言えるクロアチアを制したベテランは、「今日もまたチームが完璧な仕事を果たしてくれた。決して安全とは言えないタイム差を守るための最善策は自ら攻撃することだった。だから最後の急勾配では全力でアタック。昨年のニバリに続くチームのクロアチア2連覇を達成できて本当に良かった」と喜びを語っている。
以下は逃げに乗った吉田のコメント。シウトソウの総合優勝に貢献した新城幸也(バーレーン・メリダ)のコメントは入り次第追記します。
「結果的に、逃げグループの中から今日のステージ優勝者が出たので、自分の力不足が悔やまれるが、今日のステージで3位にグロスが入ってくれたおかげで、ポイント賞を取り返すことに成功し、チームとしていい雰囲気で、ケガなく終えたことはすごく良かったと思う。 また何より、僕自身のコンディションも日に日に上がり、今は次のレースが楽しみ。次は今回以上のパフォーマンスが出せるように引き続き準備していく」。

ステージ結果
1位 | パオロ・シモン(イタリア、バルディアーニCSF) | 3h21'39" |
2位 | ミルコ・マエストリ(イタリア、バルディアーニCSF) | +11" |
3位 | エドゥアルド・グロス(ルーマニア、NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ) | +25" |
4位 | ファビアン・ラインハルド(スイス、ホロウェスコ・シタデル) | |
5位 | ソンドレ・ホルストエンゲル(ノルウェー、イスラエルサイクリングアカデミー) | +28" |
6位 | アレックス・キルシュ(ルクセンブルク、WBアクアプロテクト・ヴェランクラシック) | |
7位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ) | |
8位 | フアンホセ・ロバト(スペイン、NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ) | |
9位 | ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、バルディアーニCSF) | +32" |
10位 | エンリーコ・バルビン(イタリア、バルディアーニCSF) | |
43位 | 新城幸也(バーレーン・メリダ) | +1’08” |
44位 | 吉田隼人(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ) | |
100位 | 内間康平(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ) | +7’02” |
101位 | 西村大輝(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ) | |
DNF | 別府史之(トレック・セガフレード) |
個人総合成績
1位 | カンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、バーレーン・メリダ) | 26h51’12” |
2位 | ピーター・ウェーニング(オランダ、ルームポット・ネデランセロテリ) | +11” |
3位 | エフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナ) | +1’01” |
4位 | ラドスラフ・ロジーナ(クロアチア、アドリアモービル) | +1’18” |
5位 | 二クラス・イーグ(デンマーク、トレック・セガフレード) | +1’27” |
6位 | ダニエル・ピアソン(イギリス、アクアブルースポート) | +2’19” |
7位 | アルテム・ニッチ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ) +3’27” | |
8位 | ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード) +3’37” | |
9位 | ヨナタン・ラストラ(スペイン、カハルーラル・セグロスRGA) | +4’23” |
10位 | ドメン・ノヴァク(スロベニア、バーレーン・メリダ) | +4’38” |
ポイント賞
1位 | エドゥアルド・グロス(ルーマニア、NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ) | 67pts |
2位 | アレッサンドロ・トネッリ(イタリア、バルディアーニCSF) | 47pts |
3位 | カンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、バーレーン・メリダ) | 37pts |
山岳賞
1位 | ピーター・コーニング(オランダ、アクアブルースポート) | 35pts |
2位 | ルーカサス・オウシャン(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコウィチェ) | 26pts |
3位 | カンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、バーレーン・メリダ) | 20pts |
ヤングライダー賞
1位 | エフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナ) | 26h52’13” |
2位 | ダリオ・アコスタ(コロンビア、ビチクレッタ・ストロングマンコロンビア・コルデポルテス) | +3’40” |
3位 | タデイ・ポガカル(スロベニア、リュブリャナ・グスト) | +4’48” |
チーム総合成績
1位 | バーレーン・メリダ | 80h52’22” |
2位 | ビチクレッタ・ストロングマンコロンビア・コルデポルテス | +5’17” |
3位 | アスタナ | +7’39” |
text:So.Isobe
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