クロアチア4日目に、序盤の逃げから独走に持ち込んだアレッサンドロ・トネッリ(イタリア、バルディアーニCSF)が集団を振り切って独走勝利。現チーム4年目の25歳がプロキャリア初勝利を飾った。
トレック・セガフレードのファンとスタート前に海を眺める別府史之 (c)www.tourofcroatia.com
カンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、バーレーン・メリダ)と新城幸也 (c)CorVos
フォトジェニックな港町をスタートしていく (c)www.tourofcroatia.com
4日目を迎えたツアー・オブ・クロアチア(UCI2.HC)は、ダルマチア地方のフヴァル島にある風光明媚な港町、スタリー・グラードからアドリア海沿いに南下し、ビーチリゾートで知られるツリクヴェニツァを目指す171kmで争われた。海岸線のアップダウンをこなすため逃げ切りもチャンスがあるコースレイアウトだ。
この日はローレン・ディディエ(ルクセンブルク、トレック・セガフレード)やギヨーム・ボワヴァン(カナダ、イスラエルサイクリングアカデミー)、ヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア、アドリモービル)、ザンドス・ビジギトフ(カザフスタン、アスタナ)アレッサンドロ・トネッリ(イタリア、バルディアーニCSF)といったワールドチーム所属/元所属選手を中心にした6名がエスケープ。やがて2名が合流したことで合計8名の逃げグループが生まれた。
風光明媚なアドリア海沿いを走る集団 (c)CorVos
集団を率いたのはNIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニで、タイム差は最大5分程度で推移する。残り60kmで3分、残り50kmで2分と予定通り間隔を詰めていったが、ここから逃げグループが加速した。
強調して逃げる8名は集団から1分半差で後半のアップダウン区間に突入し、150km地点でピークを迎える3級山岳(登坂距離3.9km/平均勾配5.6%)ではディディエやブライコヴィッチら有力選手が次々と脱落。軽快なペダリングでペースを刻んだトネッリが独走に持ち込み、追走する3名に対して30秒のリードを稼ぎ出した。
残り20kmから独走体制に入ったアレッサンドロ・トネッリ(イタリア、バルディアーニCSF) (c)CorVos
バーレーン・メリダ率いるメイン集団が存在感を強める中、20kmを残して単独となったトネッリが力を見せた。TTを得意とする25歳は貯金を切り崩しながらハイペースで進み、20秒弱のリードを保ったままツリクヴェニツァに到着。スプリントを狙うメイン集団も必死で追走したが、鋭角コーナーが続く市街地コースはトネッリに味方した。
スリッピーなコーナーで前輪を滑らせながらも、最後までリズムを崩さなかったトネッリが20kmに渡って集団を抑えきっての独走勝利。トネッリが危険に陥ったコーナーではメイン集団先頭で大落車が発生し、その脇をすり抜けたチームメイトのエンリーコ・バルビン(イタリア)が単独2位。バルディアーニCSFはワンツーフィニッシュを達成した。低速での落車だったため、幸いメイン集団で大きな怪我を負った選手はいなかった。
独走勝利を飾ったアレッサンドロ・トネッリ(イタリア、バルディアーニCSF) (c)CorVos
総合リーダーを保持したカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、バーレーン・メリダ) (c)CorVos
フィニッシュラインを越える別府史之(トレック・セガフレード) (c)CorVos
プロ入りから一貫して現チームに所属しているトネッリにとっては嬉しいキャリア初勝利。「狙っていたステージで、利害の一致した強力な選手たちと逃げることができた。逃げの中で自分が一番力があると分かっていて、集団が迫ってきていたので自分が逃げ切れると思うよりも遠い距離からアタック。最後の数百メートルは人生の中で最高に美しく感動的な瞬間だったよ。ずっと夢見てきた初勝利であり、最高に嬉しい。明日からはチームのために働きたいと思っている」と喜びを語っている。
また、落車でストップしたメイン集団内でゴールした新城幸也(バーレーン・メリダ)は、「海沿いで風もあり、1時間以上もアタック合戦をしていたので、さすがに今日も脚はクタクタ。疲労困憊。ゴールは街中で危険なコーナーが連続するので、続きだったので、危険回避のために残り3kmでまで先頭で走りきった。 案の定、500mで落車があったがチームからは誰も被害に合わず、無事にリーダーを守った。明日は山岳ステージ。どこまで手伝えるか分からないが、全力で走るだけ」と一日を振り返っている。
翌日は今大会最後の山岳ステージで、最後は1級山岳の頂上フィニッシュが待ち受ける。再び激しい総合争いとなることは間違いない。



4日目を迎えたツアー・オブ・クロアチア(UCI2.HC)は、ダルマチア地方のフヴァル島にある風光明媚な港町、スタリー・グラードからアドリア海沿いに南下し、ビーチリゾートで知られるツリクヴェニツァを目指す171kmで争われた。海岸線のアップダウンをこなすため逃げ切りもチャンスがあるコースレイアウトだ。
この日はローレン・ディディエ(ルクセンブルク、トレック・セガフレード)やギヨーム・ボワヴァン(カナダ、イスラエルサイクリングアカデミー)、ヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア、アドリモービル)、ザンドス・ビジギトフ(カザフスタン、アスタナ)アレッサンドロ・トネッリ(イタリア、バルディアーニCSF)といったワールドチーム所属/元所属選手を中心にした6名がエスケープ。やがて2名が合流したことで合計8名の逃げグループが生まれた。

集団を率いたのはNIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニで、タイム差は最大5分程度で推移する。残り60kmで3分、残り50kmで2分と予定通り間隔を詰めていったが、ここから逃げグループが加速した。
強調して逃げる8名は集団から1分半差で後半のアップダウン区間に突入し、150km地点でピークを迎える3級山岳(登坂距離3.9km/平均勾配5.6%)ではディディエやブライコヴィッチら有力選手が次々と脱落。軽快なペダリングでペースを刻んだトネッリが独走に持ち込み、追走する3名に対して30秒のリードを稼ぎ出した。

バーレーン・メリダ率いるメイン集団が存在感を強める中、20kmを残して単独となったトネッリが力を見せた。TTを得意とする25歳は貯金を切り崩しながらハイペースで進み、20秒弱のリードを保ったままツリクヴェニツァに到着。スプリントを狙うメイン集団も必死で追走したが、鋭角コーナーが続く市街地コースはトネッリに味方した。
スリッピーなコーナーで前輪を滑らせながらも、最後までリズムを崩さなかったトネッリが20kmに渡って集団を抑えきっての独走勝利。トネッリが危険に陥ったコーナーではメイン集団先頭で大落車が発生し、その脇をすり抜けたチームメイトのエンリーコ・バルビン(イタリア)が単独2位。バルディアーニCSFはワンツーフィニッシュを達成した。低速での落車だったため、幸いメイン集団で大きな怪我を負った選手はいなかった。



プロ入りから一貫して現チームに所属しているトネッリにとっては嬉しいキャリア初勝利。「狙っていたステージで、利害の一致した強力な選手たちと逃げることができた。逃げの中で自分が一番力があると分かっていて、集団が迫ってきていたので自分が逃げ切れると思うよりも遠い距離からアタック。最後の数百メートルは人生の中で最高に美しく感動的な瞬間だったよ。ずっと夢見てきた初勝利であり、最高に嬉しい。明日からはチームのために働きたいと思っている」と喜びを語っている。
また、落車でストップしたメイン集団内でゴールした新城幸也(バーレーン・メリダ)は、「海沿いで風もあり、1時間以上もアタック合戦をしていたので、さすがに今日も脚はクタクタ。疲労困憊。ゴールは街中で危険なコーナーが連続するので、続きだったので、危険回避のために残り3kmでまで先頭で走りきった。 案の定、500mで落車があったがチームからは誰も被害に合わず、無事にリーダーを守った。明日は山岳ステージ。どこまで手伝えるか分からないが、全力で走るだけ」と一日を振り返っている。
翌日は今大会最後の山岳ステージで、最後は1級山岳の頂上フィニッシュが待ち受ける。再び激しい総合争いとなることは間違いない。
ステージ結果
1位 | アレッサンドロ・トネッリ(イタリア、バルディアーニCSF) | 3h56’57” |
2位 | エンリーコ・バルビン(イタリア、バルディアーニCSF) | +12” |
3位 | ヤン・トラトニク(スロベニア、CCCスプランディ・ポルコウィチェ) | |
4位 | ファビアン・ラインハルド(スイス、ホロウェスコ・シタデル) | |
5位 | ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
6位 | ジガ・リュシガイ(スロベニア、リュブリャナ・グスト) | |
7位 | フェデリコ・ズルロ(イタリア、Msティナ・フォーカス) | |
8位 | アドリアン・クレク(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコウィチェ) | |
9位 | ヨナタン・ラストラ(スペイン、カハルーラル・セグロスRGA) | |
10位 | クリスティアン・ズバラーリ(イタリア、イスラエルサイクリングアカデミー) | |
23位 | 吉田隼人(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ) | |
27位 | 別府史之(トレック・セガフレード) | |
39位 | 新城幸也(バーレーン・メリダ) | |
93位 | 西村大輝(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ) | +7’30” |
100位 | 内間康平(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)+13’38” |
個人総合成績
1位 | カンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、バーレーン・メリダ) | 19h12’19” |
2位 | ピーター・ウェーニング(オランダ、ルームポット・ネデランセロテリ) | +08” |
3位 | エフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナ) | +47” |
4位 | ラドスラフ・ロジーナ(クロアチア、アドリアモービル) | +1’06” |
5位 | 二クラス・イーグ(デンマーク、トレック・セガフレード) | +1’48” |
6位 | ダニエル・ピアソン(イギリス、アクアブルースポート) | +2’11” |
7位 | ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード) | +2’33” |
8位 | ダリオ・アコスタ(コロンビア、ビチクレッタ・ストロングマンコロンビア・コルデポルテス) | +2’52” |
9位 | アルテム・ニッチ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ) | +3’01” |
10位 | ヨナタン・ラストラ(スペイン、カハルーラル・セグロスRGA) | +3’48” |
ポイント賞
1位 | エドゥアルド・グロス(ルーマニア、NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ) | 41pts |
2位 | ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 37pts |
3位 | ジョン・ボジッチ(スロベニア、アドリアモービル) | 33pts |
山岳賞
1位 | カンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、バーレーン・メリダ) | 20pts |
2位 | ピーター・ウェーニング(オランダ、ルームポット・ネデランセロテリ) | 15pts |
3位 | エフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナ) | 10pts |
ヤングライダー賞
1位 | エフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナ) | 19h13’06” |
2位 | ダリオ・アコスタ(コロンビア、ビチクレッタ・ストロングマンコロンビア・コルデポルテス) | +2’05” |
3位 | タデイ・ポガカル(スロベニア、リュブリャナ・グスト) | +5’23” |
チーム総合成績
1位 | アスタナ | 57h55’22” |
2位 | バーレーン・メリダ | +50” |
3位 | ビチクレッタ・ストロングマンコロンビア・コルデポルテス | +1’31” |
text:So.Isobe
photo:Miwa.Iijima,www.tourofcroatia.com
photo:Miwa.Iijima,www.tourofcroatia.com
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