昨年大怪我でシーズンを棒に振ったロビー・マキュアン(オーストラリア)が、ようやくレースに帰って来た。チームカチューシャの最年長&最多勝ライダーは今年、二つの目標を掲げている。勝つこと、そして若手のロシア人選手をサポートすることだ。

ツアー・ダウンアンダーでマキュアンのために集団のスピードを上げるカチューシャツアー・ダウンアンダーでマキュアンのために集団のスピードを上げるカチューシャ photo:Kei Tsuji「私はチームの中で最も経験豊富で、最年長のライダーだ。だが、まだまだスプリントの檜舞台で充分に闘えると信じている。それに、若いスプリンターに教えることも残っている」。イタリアのデゼンツァーノ・デル・ガルダに行なわれたカチューシャのチームプレゼンテーションで、マキュアンはそう語った。

「特に、若いロシア人選手の育成に力を注ぎたい。これまでの経験を彼らに教えることが出来れば良いと思っている」。

ツアー・オブ・ベルギーでの落車で負傷、入院したロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)ツアー・オブ・ベルギーでの落車で負傷、入院したロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ) photo:CorVosロシアのカチューシャに移籍するまで、マキュアンは常にオランダとベルギーのチームを渡り歩いて来た。ロット(現在のオメガファーマ・ロット)時代の2002年、2004年、2006年にマキュアンはツール・ド・フランスでマイヨヴェール(ポイント賞ジャージ)を獲得。カチューシャへの移籍は思い切った決断だったが、結果的にはそれまでと大差ない強いメンバーに囲まれ、伸びゆくロシアの勢いを感じている。

「アレクサンドル・ボチャロフやウラディミール・カルペツはアマチュア時代から知っている。彼らはロードレース界においてマイナー国のロシアを代表してここまで闘って来た。そんなロシアも今となってはメジャー国の一つだ」。

観客の写真にサインするロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)観客の写真にサインするロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ) photo:Kei Tsuji昨年5月28日、ツアー・オブ・ベルギーで沿道の交通標識と接触したマキュアンは、落車して膝の靭帯を痛め、頸骨を骨折した。それまでカチューシャジャージでシーズン3勝を飾っていたが、その大怪我で実質的にシーズンが終了したと言っていいだろう。

しかし37歳のマキュアンは諦めなかった。長期に渡ってリハビリに務めたマキュアンは、ツアー・ダウンアンダーでレースに復帰。勝利こそ掴めなかったものの、トップ5に入ること4回。最終的に総合4位に入った。

「昨シーズンの大半を棒に振ったので、レースに飢えていた。ツアー・ダウンアンダーで良いスタートが切れたと思っている。チームもワールドランキング2位でシーズンをスタートさせた」。

マキュアンは今週末にスペイン・マヨルカ島で開催されるチャレンジ・マヨルカにチームリーダーとして出場する。その後はボルタ・アン・アルガルヴェ、オンループ・ヘットフォルク、クールネ〜ブリュッセル〜クールネ、モンテ・パスキ・エロイカ、ティレーノ〜アドリアティコ、ミラノ〜サンレモ、GPワレヘム、そしてヘント〜ウェベルヘムに出場。2年ぶりのグランツールで再びスプリント勝利を目指す。

text:Gregor Brown in Desenzano del Garda, Italy
translation:Kei Tsuji