獲得標高差3,600mのクイーンステージで繰り広げられた山岳バトル。チーム力で他を圧倒し、エガン・ベルナル(チームスカイ)との一騎打ちを制したアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)がボルタ・ア・カタルーニャの総合首位に返り咲いた。


雪に覆われたピレネー山脈の峠道を進む雪に覆われたピレネー山脈の峠道を進む photo:Volta Ciclista a Catalunya

ボルタ・ア・カタルーニャ2018第4ステージボルタ・ア・カタルーニャ2018第4ステージ photo:Volta Ciclista a Catalunya雪で短縮された前日の第3ステージから今大会最難関のクイーンステージの座を譲り受けたボルタ・ア・カタルーニャ第4ステージ。カタルーニャ州北部のフランス国境に近いピレネー山脈を走る170.8kmコースの獲得標高差は3,600mに達する。

中盤から1級山岳エル・ジョウ峠(全長4.8km/平均8.1%)と超級山岳クレウエタ峠(全長21km/平均5.1%)をクリアし、最後はカタルーニャの定番峠である1級山岳ラ・モリーナ(全長11.6km/平均4.3%)を駆け上がってフィニッシュ。一面雪に覆われた標高1,923mの超級山岳クレウエタ峠頂上は気温が氷点下まで下がったが、予定通りレースは行われた。

レース序盤の23km地点と50km地点にスプリントポイントが設定されたため、ボーナスタイム獲得を狙うモビスターがアタックを許さないスピードで集団を牽引。最初の平均スピードが49km/hを記録するほどの高速な展開を見せ、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)がボーナスタイム3秒を獲得することに成功している。

逃げという逃げがようやく生まれたのはレース開始から2時間が経過してから。第3ステージで1分59秒のタイムを失っていたエステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)がステージ優勝を狙ってアタックし、ここにジョセフ・ロスコフ(アメリカ、BMCレーシング)やトムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード)らが追いついて1級山岳エル・ジョウ峠を越えていく。やがて先頭ではチャベスの独走が始まった。

チャベスは超級山岳クレウエタ峠の長い長い峠道を単独で登りきったが、モビスターが牽引するメイン集団とのタイム差は常に1分前後。下り区間で先頭チャベスは吸収され、下りを利用して飛び出したマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ)も最後の1級山岳ラ・モリーナまでに引き戻された。

雪を冠したピレネー山脈を目指す雪を冠したピレネー山脈を目指す photo:Volta Ciclista a Catalunya
第2スプリントポイントを通過するアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)第2スプリントポイントを通過するアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:Volta Ciclista a Catalunya
リーダージャージを着るトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)が下りで飛び出すリーダージャージを着るトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)が下りで飛び出す photo:Volta Ciclista a Catalunya
独走するエステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)独走するエステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット) photo:Volta Ciclista a Catalunya

そして始まった全長11.6km/平均4.3%の登坂勝負。まず最初に仕掛けたのはピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール)とマルク・ソレル(スペイン、モビスター)というヤングライダー賞対象選手2人で、ここにバルベルデとナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)、エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ)が追いついた。

先頭5名に3名を送り込むアドバンテージを得たモビスター。地元カタルーニャ出身のパリ〜ニース総合優勝者ソレルがアシストとして献身的な走りを見せ、アタックで揺さぶりをかけるとともにライバルたちの動きを封じる。やがて先頭からソレルとラトゥールが遅れ、先頭はバルベルデとキンタナ、ベルナルの三つ巴の戦いに。キンタナのアタックとペースメイクによって後続選手たちはタイムを失っていった。

残り1kmを切ってキンタナが役目を終えると、残り200mでバルベルデが先頭に立つ。勾配が増したタイミングを見計らってダンシングで加速したバルベルデがベルナルを押さえ込んでステージ優勝。タイム差なしのステージ2位にベルナル、6秒差のステージ3位にキンタナが入った。

モビスターが徹底的にコントロールするメイン集団モビスターが徹底的にコントロールするメイン集団 photo:Volta Ciclista a Catalunya
1級山岳ラ・モリーナでベルナルを下したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)1級山岳ラ・モリーナでベルナルを下したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:Volta Ciclista a Catalunya

「気温の低さも手伝って、とてもタフな1日だった。中盤からエステバン・チャベスが独走に持ち込んだものの、逃げ切るのは並大抵のことではないのでそれほど危機感はなかった。モビスターは今日も驚異的な走りで状況をコントロールし、落ち着いてレースを進めた。クレウエタ峠の下りでマテイ・モホリッチについていくこともできたけど、リスクを負う必要もなかったし、最後の勝負に向けて補給食をしっかり摂りながらリラックスしてリカバリーすることを優先したんだ。そしてラ・モリーナの登りではマルク・ソレルとナイロ・キンタナの連携が完璧に機能した。5人の中に3人を残すことは圧倒的なアドバンテージ。マルクとナイロが交互にアタックして、反応するライバルの動きについていくだけだった。チームメイトたちの走りは最高の中の最高だった」と、2年連続ラ・モリーナ山頂フィニッシュ制覇を果たしたバルベルデは語る。今大会ステージ2勝目で今シーズン7勝目。この日24分遅れたトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)から総合リーダージャージを奪回した。

閉幕まで3ステージを残して総合首位に返り咲いたバルベルデは総合2位ベルナルから19秒のリード。37歳のバルベルデは、16歳年下の21歳ベルナルについて「総合争いにおける最大の脅威はベルナルだ。すでに彼は高いレベルにあり、将来的にもっと成功する選手になるだろう。日曜日まで彼の動きを監視しながら走りたい」と語っている。

リーダージャージに再び袖を通したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)リーダージャージに再び袖を通したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:Volta Ciclista a Catalunya
ボルタ・ア・カタルーニャ2018第4ステージ
1位アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)4:25:54
2位エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ)
3位ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)0:00:06
4位ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール)0:00:23
5位ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)0:00:53
6位マルク・ソレル(スペイン、モビスター)
7位サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)
8位ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ)0:00:55
9位ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーションファースト・ドラパック)0:00:59
10位ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)0:01:03
個人総合成績
1位アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)17:00:58
2位エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ)0:00:19
3位ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)0:00:26
4位ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール)0:00:48
5位サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)0:01:12
6位ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)0:01:14
7位マルク・ソレル(スペイン、モビスター)0:01:18
8位ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ)0:01:20
9位ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーションファースト・ドラパック)0:01:24
10位ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ)0:01:28
山岳賞
1位アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)41pts
2位エステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)36pts
3位エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ)16pts
スプリント賞
1位ルイス・マス(スペイン、カハルーラルRGA)9pts
2位アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)5pts
3位トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)5pts
ヤングライダー賞
1位エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ)17:01:17
2位ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール)0:00:29
3位マルク・ソレル(スペイン、モビスター)0:00:59
チーム総合成績
1位モビスター51:05:08
2位EFエデュケーションファースト・ドラパック0:03:16
3位アージェードゥーゼール0:03:18