2日連続の集団スプリントに持ち込まれたツール・ド・ランカウイ(UCI2.HC)で、アスタナのリカルド・ミナーリ(イタリア)がプロ初勝利。遅れたアンドレア・グアルディーニ(イタリア、バルディアーニCSF)に代わり総合首位に立っている。



バク横断注意バク横断注意 (c)CorVos
ゲリクからタイとの国境地域を進み、マレー語で「新しい町」を意味するコタバルまでの208.3kmで争われたツール・ド・ランカウイ第2ステージ。前半区間に4級、標高1000mオーバーの1級山岳を超えた後は平坦が続くスプリンター向けステージだ。

レースは6人の逃げが生まれたものの、1級山岳では重量級スプリンターをふるい落とすためのペースアップが発生する。登りを苦手にする前日勝者で総合リーダーのアンドレア・グアルディーニ(イタリア、バルディアーニCSF)がたまらず遅れ、チャンスを得たライバルチームが復帰を拒むべくペースアップを続けた。

一度遅れたリカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナ)はチームメイトのアシストを受けて復帰したものの、大きく遅れたグアルディーニは山本元喜や中西健児(キナンサイクリングチーム)と共にグルペット入りを強いられた。

レース序盤、バルディアーニCSFが集団をコントロールするレース序盤、バルディアーニCSFが集団をコントロールする (c)CorVosグアルディーニの脱落でペースアップするアスタナ勢グアルディーニの脱落でペースアップするアスタナ勢 (c)CorVos

スイカ売りの露店を横目に見ながら集団が走るスイカ売りの露店を横目に見ながら集団が走る (c)CorVos
メイン集団では強風を利用した集団分断やアタックが生まれるものの、決定的な動きには繋がらず、ディメンションデータやマンサナ・ポストボン主導で逃げを飲み込んで集団スプリントへ。最後はエフゲニー・ギディッチ(カザフスタン)の完璧なリードアウトから解き放たれたミナーリが大差で先着。プロ初勝利をここランカウイで挙げた。

「とても苦しい1日だった。暑かったし、登りも長くて途中脱落しかけてしまったけれど、チームメイトの力を借りて何とかメイン集団に復帰できたんだ。終盤でのチームの働きはスーパーだったし、そのおかげで初勝利を飾れたよ。最高に嬉しい気分だ」と語るミナーリは、昨年アスタナに加入した1995年生まれの22歳。ドバイツアー入賞などビッグスプリンターたちと対等に渡り合っていた新鋭は、17分遅れたグアルディーニからリーダージャージをも奪い取った。

スプリントを制したリカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナ)スプリントを制したリカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナ) (c)CorVos
また、キナン勢はサルバドール・グアルディオラ、マルコス・ガルシア(共にスペイン)、トマ・ルバ(フランス)の3名が集団内フィニッシュ。いずれもトップから11秒差につけ、チーム総合成績を前日から5つ上げて13位とした。
ステージ結果
1位 リカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナ) 5h18’20”
2位 マッテーオ・マルチェッリ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)
3位 パオロ・シモン(イタリア、バルディアーニCSF)
4位 エフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナ)
5位 マルコ・クンプ(スロベニア、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)
6位 ルカ・パチオーニ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)
7位 ケイデン・グローヴス(オーストラリア、セントジョージ・コンチネンタルサイクリングクラブ)
8位 エリック・ヤング(アメリカ、ラリーサイクリング)
9位 ソー・ジョンヨン(韓国、KSPOビアンキアジアプロサイクリング)
10位 ディラン・ペイジ(スイス、チームセプラサイクリング)
個人総合成績
1位 リカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナ) 8h47’13”
2位 ソー・ジョンヨン(韓国、KSPOビアンキアジアプロサイクリング) +05”
3位 マッテーオ・マルチェッリ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)
4位 メクセブ・ドゥバサイ(エリトリア、ディメンションデータ) +07”
5位 パオロ・シモン(イタリア、バルディアーニCSF)
6位 エフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナ)
7位 ニクモハド・アズワン・ズルキフリ(マレーシア、フォルカ・アムスキンズ)
8位 フェリペ・マルセロ(フィリピン、セブンイレブンロードバイクフィリピン) +08”
9位 ニウ・イクイ(中国、ミッチェルトン・バイクエクスチェンジ)
10位 フアンセバスティアン・モラノ(コロンビア、マンサナ・ポストボン)
ポイント賞
1位 リカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナ) 23pts
2位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、バルディアーニCSF) 19pts
3位 エフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナ) 14pts
山岳賞
1位 ベルナルド・スアサ(コロンビア、マンサナ・ポストボン) 19pts
2位 フェリペ・マルセロ(フィリピン、セブンイレブンロードバイクフィリピン) 18pts
3位 ムハンマド・アブドゥッラフマーン(インドネシア、KFCサイクリング) 11pts
チーム総合成績
1位 アンドローニジョカトリ・シデルメク 26h22’12”
2位 アスタナ
3位 ベネロング・スイスウェルネスサイクリングチーム
text:So.Isobe
photo:CorVos

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