第76回パリ〜ニース(UCIワールドツアー)が3月4日に開幕する。「太陽に向かうレース」と呼ばれる8日間のステージレースはさながら「ミニ・ツール・ド・フランス」。グランツールレーサーからトップスプリンターまで揃う大会の見どころをチェックしておきましょう。



暖かな地中海を目指す8日間の「ミニ・ツール」

プロヴァンスの乾いた山岳地帯を進むプロヴァンスの乾いた山岳地帯を進む photo: TDWsport / KT
パリ〜ニース2018コース全体図パリ〜ニース2018コース全体図 photo:A.S.O.毎年3月上旬に開催されるパリ〜ニースは、ツール・ド・フランスと同じA.S.O.(アモリー・スポール・オルガニザシオン)が主催する8日間のステージレース。3日遅れてイタリアで開幕するティレーノ〜アドリアティコとともに、春のヨーロッパを代表する中級ステージレースだ。

「パリからニースまで」という名前が示すように、レースはフランス北部のパリ近郊から地中海沿岸のニースまでひたすら南下する。まだまだ寒さの厳しいフランス内陸部をスタートし、比較的温暖な太陽を求めて地中海のコートダジュールに向かうその行程から「太陽に向かうレース(La Course au Soliel)」とも呼ばれる。

2018年大会はパリ郊外のシャトゥーからムードンに至る135kmで開幕する。主催者によるカテゴリーは「平坦」だが、フィニッシュラインが引かれているのは3級山岳に設定されたムードン天文台。セーヌ川から全長1.9km/平均勾配5.4%を駆け上がってフィニッシュを迎える。「アルデンヌクラシック」を得意とするパンチャーたちにマイヨジョーヌ獲得のチャンスだ。

真っ平らな第2ステージは完全にピュアスプリンター向き。3級山岳が組み込まれた第3ステージと第5ステージでもスプリンターチームがレースを支配するだろう。

サンテティエンヌ郊外を舞台にした第4ステージの個人タイムトライアルから総合争いは本格化する。全長18.4kmのコースは一見平坦だが、前半は勾配4%弱の緩斜面が8kmにわたって続く。ほぼ同じ勾配の下りをこなし、残り4km地点で最後の登りをクリアしてサンテティエンヌにフィニッシュする。主催者による優勝タイムは25分前後だ。

第6ステージでレースはプロヴァンスに突入。4つの2級山岳を越えた後、残り8.5km地点でピークを迎える1級山岳コル=シュル=ルー(全長1.8km/平均10%)にアタック。勾配のあるこの1級山岳で絞られた精鋭集団によるスプリントバトルが繰り広げられるはずだ。

パリ〜ニース2018第1ステージパリ〜ニース2018第1ステージ photo:A.S.O.パリ〜ニース2018第4ステージパリ〜ニース2018第4ステージ photo:A.S.O.
パリ〜ニース2018第7ステージパリ〜ニース2018第7ステージ photo:A.S.O.パリ〜ニース2018第8ステージパリ〜ニース2018第8ステージ photo:A.S.O.

終着地ニースをスタートする最終日前日の第7ステージが今大会のクイーンステージ。急峻なプロヴァンスの山岳地帯を走るコースには合計5つのカテゴリー山岳が設定されており、フィニッシュ地点は1級山岳ヴァルドゥブロール/ラ・コルミアーヌ(全長16.3km/平均6.2%)。標高1,500mのスキー場に向かう、5〜7%の勾配が淡々と続く峠道でマイヨジョーヌの持ち主は変わることになりそうだ。

最終日は例年通りニースを発着する短め(110km)のステージで、地中海を見下ろすカテゴリー1〜2級の山岳が立て続けに6つ登場する。後半の1級山岳ペイユ峠(全長6.6km/平均6.8%)と1級山岳エズ峠(全長1.6km/平均8.1%)で総合逆転を狙う選手たちが動いてくるだろう。例年であればエズ峠から高速ダウンヒルを経てニースにフィニッシュしたが、2018年はエズ峠の後に2級山岳キャトル・シュマン峠(全長5.5km/平均5.5%)が追加されている。これにより最終山岳からフィニッシュまでの距離が短くなった。なお、2016年に発生したテロ事件の影響で2017年はフィニッシュラインがケ・デ・ゼタジュニ(アメリカ海岸通り)に移されていたが、今年はプロムナード・デ・ザングレ(イギリス人の遊歩道)に戻されている。



チームスカイが大会3連覇中 ビッグスプリンターも集結

2017年の総合表彰台 2位アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)、1位セルジオルイス・エナオ(コロンビア、チームスカイ)、3位ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)2017年の総合表彰台 2位アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)、1位セルジオルイス・エナオ(コロンビア、チームスカイ)、3位ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ) photo: TDWsport / KT
スタートラインに並ぶのは18あるUCIワールドチームにコフィディス、デルコ・マルセイユプロヴァンス、ディレクトエネルジー、フォルトゥネオ・サムシックという4つのUCIプロコンチネンタルチームを加えた合計22チーム、それぞれ7名ずつ。

過去6年間で5度パリ〜ニースを制しているのはチームスカイ。2015年にリッチー・ポート(オーストラリア)を、2016年にゲラント・トーマス(イギリス)を、そして2017年にセルジオルイス・エナオ(コロンビア)を総合優勝に導いて現在3連覇中のイギリスチームは、連覇がかかったエナオの他にもワウト・プールス(オランダ)やダビ・デラクルス(スペイン)を揃えての出場。2017年大会の最終ステージで勝利したチームスカイ新加入のデラクルスはブエルタ・ア・アンダルシアの個人TTで優勝。オールラウンダーとして開花しつつある。

2017年大会アシストとして走りながら個人TT優勝&総合5位&ポイント賞獲得&ヤングライダー賞獲得という好成績を残したジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)は、1週間程度のステージレースを得意とするオールラウンダー。地元フランス勢としては他にも、サンウェブから地元UCIプロコンチネンタルチームのフォルトゥネオ・サムシックに移籍したワレン・バルギルや、ロット・スーダルからアージェードゥーゼールに移籍したトニー・ガロパンらが有力だ。

ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ)ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ) photo:Vuelta a Andaluciaワレン・バルギル(フランス、フォルトゥネオ・サムシック)ワレン・バルギル(フランス、フォルトゥネオ・サムシック) photo:Satoru Kato

ダニエル・マーティン(アイルランド)とルイ・コスタ(ポルトガル)をそろえるUAEチームエミレーツ、サイモン・イェーツ(イギリス)とエステバン・チャベス(コロンビア)をそろえるミッチェルトン・スコット、ゴルカとヨンのイサギレ兄弟(スペイン)をそろえるバーレーン・メリダも数の利を生かして山岳で動くはず。

イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)やバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)、ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)といったオールラウンダーや、今シーズン好調のマルク・ソレル(スペイン、モビスター)やティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)も総合上位に絡んでくるだろう。2013年と2015年に総合優勝を飾りながら、ティレーノ〜アドリアティコへの出場を選択したポートに代わって、ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ)がBMCレーシングのエースを担う。なお、ポートは上気道感染によりティレーノも欠場予定だ。

ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) photo:Vuelta a Andalucia ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) photo:Vuelta a Andalucia
エステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)エステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット) photo:Tim de Waele / TDWsportイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン) photo:Tim de Waele / TDWsport

同時期開催のティレーノ〜アドリアティコと出場選手は二分されるが、それでも世界トップクラスのスプリンターが揃うといって言い。ティレーノを選択したのはマルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)やカレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)、フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)ら。出場レースに関係なく、多くのスプリンターが3月17日のミラノ〜サンレモに照準を合わしている。

並み居るスプリンターの中で今シーズン好調なのは、すでに5勝を飾っているエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)と、今シーズン4勝のディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)。チーム移籍後快進撃が続いているヴィヴィアーニは再びファビオ・サバティーニ(イタリア)という心強い相棒リードアウトマンに導かれてスプリントに挑む。

アルノー・デマール(フランス、FDJ)とナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)はともに今シーズン未勝利。デマールは2017年大会の開幕ステージで勝利し、マイヨジョーヌを3日間着用。新スポンサーを獲得したFDJはこのパリ〜ニースから名称をグルパマFDJに変更する。アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル)やジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード)といったジャーマンスプリンターや、ヨーロッパチャンピオンのアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)、オリカ・スコットから移籍して中東レースで力を見せたマグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ)、フォルトゥネオから移籍したダニエル・マクレー(イギリス、EFエデュケーションファースト・ドラパック)らも平坦ステージでスプリントに絡んでくるだろう。

エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) photo: LaPresse - Ferrari / Paoloneディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)とアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)とアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) (c)CorVos
アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル)アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル) photo:Kei Tsuji / TDWsportアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) photo:LaPresse - Ferrari / Paolone
パリ〜ニース2018ステージリスト
3月4日(日)第1ステージシャトゥー〜ムードン135km
3月5日(月)第2ステージオルソンヴィル〜ヴィエルゾン187.5km
3月6日(火)第3ステージブールジュ〜シャテル=ギヨン210km
3月7日(水)第4ステージラ・フイユーズ〜サンテティエンヌ18.5km(個人TT)
3月8日(木)第5ステージサロン・ド・プロヴァンス〜シストロン165km
3月9日(金)第6ステージシストロン〜ヴァンス198km
3月10日(土)第7ステージニース〜ヴァルドゥブロール/ラ・コルミアーヌ175km
3月11日(日)第8ステージニース〜ニース110km
text:Kei.Tsuji
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