ブエルタ・ア・アンダルシア「ルタ・デル・ソル」を締めくくるのは14kmの個人タイムトライアル。未舗装路を含む特殊なコースでチームスカイ新加入のダビ・デラクルスが優勝し、ティム・ウェレンスが総合リードを守り抜いた。
木々に覆われた未舗装路を走る photo:Vuelta a Andalucia
スタートを切る初山翔(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Vuelta a Andalucia
ブエルタ・ア・アンダルシアを締めくくるのは14kmの個人タイムトライアル。コースの前半にかけて舗装されていない登り基調の砂利道を通過する。重機で固く踏み固められているため路面はスムーズだが、それでもパンクやスリップのリスクを下げるために慎重なライン選びが必須。未舗装区間終了後も路面は荒れており、選手たちはエアロポジションでタイヤの空気圧が高いTTバイクを巧みに操った。
トップタイムをマークしたダビ・デラクルス(スペイン、チームスカイ) photo:CorVos暫定トップタイムを更新し、それを最後まで守り抜いたのは総合44位のダビ・デラクルス(スペイン、チームスカイ)だった。アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター)やスタフ・クレメント(オランダ、ロットNLユンボ)の力を持ってしても、デラクルスの17分12秒のタイムは破ることはできなかった。
デラクルスはスペイン・カタルーニャ州生まれの28歳。2012年にカハルーラルでプロ入りし、翌年から2年間ネットアップ・エンデューラ(現ボーラ・ハンスグローエ)に所属。2015年から3年間所属したクイックステップフロアーズを離れて今季チームスカイに加入した。2016年ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ優勝を飾るとともに総合7位。2017年はパリ〜ニースとブエルタ・アル・パイスバスコでステージ優勝を飾っている。
「チームスカイでの初勝利は特別。昨日はチームとして結果を残せなかったので、今日最高の走りをしたいと思っていた。ウォーミングアップの時点で調子の良さを感じたので『今日は全開で行く日だ』と自分に言い聞かせたんだ。レースが終わってから1時間ずっとホットシートに座り続けるのはとてもナーバスだったけど、TTスペシャリストたちに勝ったことは自信につながる。今週はグランツールを想定したクリス(フルーム)のグループの中で走ることで多くを学んだ。チームが常にリラックスしていることに驚いたし、とても満足のいく1週間だった」。デラクルスはジロ・デ・イタリアやツール・ド・フランスで山岳アシストを担うことが期待される。
ステージ11位/27秒差 クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:CorVos
ポイント賞ジャージを着て走るサーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) photo:CorVos
日が西に傾き、時間の経過とともにスピードが乗る後半区間に向かい風が吹いたため、特に総合トップ10の選手たちはタイムを伸ばせなかった。ポジションなど様々な要因が加わるため一概には言えないものの、同じラスト1kmの平均出力を比較すると、ステージ3位のクレメントが54秒間484Wだったのに対し、最終走者のティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)は54秒間575Wを出力している。
総合上位陣の中で好走したのはマルク・ソレル(スペイン、モビスター)とワウト・プールス(オランダ、チームスカイ)の2人。それぞれソレルが総合6位から3位に、プールスが総合3位から2位に順位を上げた。その一方でミケル・ランダ(スペイン、モビスター)はステージ18位に沈み、総合2位から6位にダウンしている。
最終走者ウェレンスは安定した走りでステージ8位。「試走の段階でこのコースは自分向きだと思った。未舗装の特殊な前半区間と、スピードが出る下り基調の後半区間が組み合わさったコース。プールスとサンチェス、フルサングが危険な存在で、ここ最近はTTバイクに乗っていなかったので最後まで緊張感をもって走った」というウェレンスがプールスに対して8秒差で総合優勝に輝いた。
ステージ8位/14秒差 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) photo:Vuelta a Andalucia
ステージ18位/49秒差 ミケル・ランダ(スペイン、モビスター) photo:Vuelta a Andalucia
ステージ6位/11秒差 ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ) photo:Vuelta a Andalucia
ステージ12位/30秒差 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) photo:Vuelta a Andalucia
ステージ5位/9秒差 マルク・ソレル(スペイン、モビスター) photo:Vuelta a Andalucia
UCIワールドツアーのツール・ド・ポローニュやビンクバンクツアー、ツアー・オブ・広西に続くステージレース総合優勝を飾ったウェレンスは「本格的な山岳ステージでトップライダーと肩を並べる走りができるとは思っていなかった。とても調子が良い証拠だ」とコメント。過去4回出場したグランツールでは総合争いに絡めていないが、オールラウンダーとして着実に進化を遂げている。「明日から数日間は休息に充て、水曜日にトレーニングをこなしてからオンループ・ヘットニュースブラッドに出場するため木曜日にベルギーに移動する。調子が良いのでそこで何ができるか楽しみだ。オンループの後はパリ〜ニースに出場する予定」とウェレンスは語っている。
ステージ12位/35秒差 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ) photo:Vuelta a Andalucia
ステージ19位/50秒差 サイモン・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) photo:Vuelta a Andalucia
8秒差で総合優勝に輝いたティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) photo:Vuelta a Andalucia


ブエルタ・ア・アンダルシアを締めくくるのは14kmの個人タイムトライアル。コースの前半にかけて舗装されていない登り基調の砂利道を通過する。重機で固く踏み固められているため路面はスムーズだが、それでもパンクやスリップのリスクを下げるために慎重なライン選びが必須。未舗装区間終了後も路面は荒れており、選手たちはエアロポジションでタイヤの空気圧が高いTTバイクを巧みに操った。

デラクルスはスペイン・カタルーニャ州生まれの28歳。2012年にカハルーラルでプロ入りし、翌年から2年間ネットアップ・エンデューラ(現ボーラ・ハンスグローエ)に所属。2015年から3年間所属したクイックステップフロアーズを離れて今季チームスカイに加入した。2016年ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ優勝を飾るとともに総合7位。2017年はパリ〜ニースとブエルタ・アル・パイスバスコでステージ優勝を飾っている。
「チームスカイでの初勝利は特別。昨日はチームとして結果を残せなかったので、今日最高の走りをしたいと思っていた。ウォーミングアップの時点で調子の良さを感じたので『今日は全開で行く日だ』と自分に言い聞かせたんだ。レースが終わってから1時間ずっとホットシートに座り続けるのはとてもナーバスだったけど、TTスペシャリストたちに勝ったことは自信につながる。今週はグランツールを想定したクリス(フルーム)のグループの中で走ることで多くを学んだ。チームが常にリラックスしていることに驚いたし、とても満足のいく1週間だった」。デラクルスはジロ・デ・イタリアやツール・ド・フランスで山岳アシストを担うことが期待される。


日が西に傾き、時間の経過とともにスピードが乗る後半区間に向かい風が吹いたため、特に総合トップ10の選手たちはタイムを伸ばせなかった。ポジションなど様々な要因が加わるため一概には言えないものの、同じラスト1kmの平均出力を比較すると、ステージ3位のクレメントが54秒間484Wだったのに対し、最終走者のティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)は54秒間575Wを出力している。
総合上位陣の中で好走したのはマルク・ソレル(スペイン、モビスター)とワウト・プールス(オランダ、チームスカイ)の2人。それぞれソレルが総合6位から3位に、プールスが総合3位から2位に順位を上げた。その一方でミケル・ランダ(スペイン、モビスター)はステージ18位に沈み、総合2位から6位にダウンしている。
最終走者ウェレンスは安定した走りでステージ8位。「試走の段階でこのコースは自分向きだと思った。未舗装の特殊な前半区間と、スピードが出る下り基調の後半区間が組み合わさったコース。プールスとサンチェス、フルサングが危険な存在で、ここ最近はTTバイクに乗っていなかったので最後まで緊張感をもって走った」というウェレンスがプールスに対して8秒差で総合優勝に輝いた。





UCIワールドツアーのツール・ド・ポローニュやビンクバンクツアー、ツアー・オブ・広西に続くステージレース総合優勝を飾ったウェレンスは「本格的な山岳ステージでトップライダーと肩を並べる走りができるとは思っていなかった。とても調子が良い証拠だ」とコメント。過去4回出場したグランツールでは総合争いに絡めていないが、オールラウンダーとして着実に進化を遂げている。「明日から数日間は休息に充て、水曜日にトレーニングをこなしてからオンループ・ヘットニュースブラッドに出場するため木曜日にベルギーに移動する。調子が良いのでそこで何ができるか楽しみだ。オンループの後はパリ〜ニースに出場する予定」とウェレンスは語っている。



ブエルタ・ア・アンダルシア2018第5ステージ結果
1位 | ダビ・デラクルス(スペイン、チームスカイ) | 0:17:11 |
2位 | アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター) | 0:00:06 |
3位 | スタフ・クレメント(オランダ、ロットNLユンボ) | 0:00:07 |
4位 | アレクシ・グジャール(フランス、アージェードゥーゼール) | 0:00:08 |
5位 | マルク・ソレル(スペイン、モビスター) | 0:00:09 |
6位 | ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ) | 0:00:11 |
7位 | ディラン・ファンバーレ(オランダ、チームスカイ) | 0:00:12 |
8位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) | 0:00:14 |
9位 | ヤン・トラトニク(スロベニア、CCCスプランディ・ポルコウィチェ) | 0:00:24 |
10位 | ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ) | |
11位 | クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) | 0:00:27 |
12位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | 0:00:30 |
13位 | ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ) | 0:00:35 |
18位 | ミケル・ランダ(スペイン、モビスター) | 0:00:49 |
87位 | 小林海(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ) | 0:02:05 |
124位 | 初山翔(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ) | 0:02:58 |
個人総合成績
1位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) | 17:41:50 |
2位 | ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ) | 0:00:08 |
3位 | マルク・ソレル(スペイン、モビスター) | 0:00:27 |
4位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | 0:00:30 |
5位 | ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ) | |
6位 | ミケル・ランダ(スペイン、モビスター) | 0:00:42 |
7位 | ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ) | 0:01:19 |
8位 | サイモン・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | 0:01:41 |
9位 | アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター) | 0:01:51 |
10位 | クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) | 0:01:57 |
ポイント賞
1位 | ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ) | 50pts |
2位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) | 49pts |
3位 | サーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | 45pts |
山岳賞
1位 | ルイス・マス(スペイン、カハルーラル) | 29pts |
2位 | アルバロ・クアドロス(スペイン、カハルーラル) | 18pts |
3位 | マルコ・ミナールト(オランダ、ワンティ・グループゴベール) | 16pts |
text:Kei Tsuji
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