ブエルタ・ア・アンダルシア第3ステージは今大会2回目の集団スプリント勝負に。大会初日にチャンスを逃したサーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)が勝利でチームメイトの働きに応えた。


アンダルシア州の内陸部を西に向かうアンダルシア州の内陸部を西に向かう photo:Vuelta a Andalucia

ブエルタ・ア・アンダルシア2018第3ステージブエルタ・ア・アンダルシア2018第3ステージ photo:Vuelta a Andaluciaブエルタ・ア・アンダルシア第3ステージはアンダルシア州内陸部のマンチャレアルからエレーラまでの165.1km。中盤にかけて2つの3級山岳を含むアップダウンが組み込まれており、平坦ステージに分類されるが獲得標高差は2,000mを超える。

スタートフラッグが下されると同時にマルコ・ミナールト(オランダ、ワンティ・グループゴベール)らUCIプロコンチネンタルチームのメンバーで構成された4名逃げが形成された。アルバロ・クアドロス(スペイン、カハルーラル)がチームメイトの山岳賞ジャージを守るために積極的に山岳ポイントを加算している。

前半からメイン集団のコントロールを担ったのは赤いリーダージャージを着るワウト・プールス(オランダ)擁するチームスカイで、後半に入るとスプリント狙いのEFエデュケーションファースト・ドラパックとディレクトエネルジーが先頭へ。スプリンターチームが牽引するメイン集団は逃げを残り12km地点で吸収した。

逃げるマルコ・ミナールト(オランダ、ワンティ・グループゴベール)ら4名逃げるマルコ・ミナールト(オランダ、ワンティ・グループゴベール)ら4名 photo:Vuelta a Andaluciaチームスカイがメイン集団をコントロールするチームスカイがメイン集団をコントロールする photo:Vuelta a Andalucia
後半にかけてメイン集団を牽引するディレクトエネルジーとEFエデュケーションファースト・ドラパック後半にかけてメイン集団を牽引するディレクトエネルジーとEFエデュケーションファースト・ドラパック photo:Vuelta a Andalucia

アージェードゥーゼールが先頭に陣取り、ハイスピードでフィニッシュに向かって突き進む大集団。残り5kmを切るとディレクトエネルジーやアスタナも先頭へ。幅広い幹線道路で多くのスプリンターチームが隊列を組んで前に上がる。残り1.3km地点のラウンドアバウトを先頭で抜けたEFエデュケーションファースト・ドラパックが主導権を握った。

落車も発生した最終コーナーを抜けて、ベランダスヴィレムスのマイケル・ホーラールツ(ベルギー)が最終リードアウトしたがエースのアイディス・クルオピス(リトアニア)は後方に沈む。ホーラールツのスリップストリームから抜けたサーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)が先頭でスプリント。早すぎるガッツポーズで第1ステージの勝利を僅差で逃したモードロがカルロス・バルベロ(スペイン、モビスター)を振り切った。

緩い登り斜面を57.5km/hで駆け抜けたモードロは14秒間にわたって平均965Wを出力(5秒間1,129W)。対してステージ2位のバルベロは16秒間938W(5秒間1,055W)、ステージ5位のモレノ・ホフラント(オランダ、ロット・スーダル)は20秒間978W(5秒間1,127W)だった。つまりモードロの出力が抜きん出て高いわけではなく、ポジション取りとスプリント開始のタイミング、ライン取りが勝利につながったと言える。3時間48分17秒に及ぶステージ全体のモードロの平均出力は203W(NP277W)。

集団スプリントで先頭に立つサーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)集団スプリントで先頭に立つサーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) photo:Vuelta a Andalucia
集団スプリントを制したサーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)集団スプリントを制したサーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) photo:Vuelta a Andalucia

「チームメイトの動きは完璧だった。ジョー・ドンブロウスキーが集団を率いて逃げグループを引き戻してくれた。残り1kmからチームが主導権を握り、下り基調の直線を先頭で駆け抜けて残り400mの最終コーナーをクリア。3番手のパーフェクトなポジションでスプリントに備えたんだ。初日は自分のミスで勝利を逃したので、チームへの申し訳なさから眠れなかった。彼らの働きに勝利で恩返しできてよかったよ」と、今シーズン初勝利を飾ったモードロ。30歳のイタリアンスプリンターはセップ・ヴァンマルク(ベルギー)らとタッグを組んで春のクラシックを狙う。

総合首位を守ったプールスは「全体的にスピードが速く、終盤は混沌としていたけど、状況はコントロール下にあった。クリスティアン・クネースが一日中メイン集団の先頭で風除けになってくれて、最後はチーム一丸となって自分を守ってくれた」と語る。翌日の第4ステージは残り1.3km地点から高低差137mを駆け上がる登りフィニッシュ。勾配が10%を超えるフィニッシュについてプールスは「またステージ優勝のチャンスになるかもしれない」と語っている。

今シーズン初勝利を飾ったサーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)今シーズン初勝利を飾ったサーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) photo:Vuelta a Andaluciaリーダージャージを守ったワウト・プールス(オランダ、チームスカイ)リーダージャージを守ったワウト・プールス(オランダ、チームスカイ) photo:Vuelta a Andalucia
ブエルタ・ア・アンダルシア2018第3ステージ結果
1位 サーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) 3:48:17
2位 カルロス・バルベロ(スペイン、モビスター)
3位 ネルソンアンドレス・ソト(コロンビア、カハルーラル)
4位 オスカル・ガット(イタリア、アスタナ)
5位 モレノ・ホフラント(オランダ、ロット・スーダル)
6位 ヨン・アベラストゥリ(スペイン、エウスカディ・ムリアス)
7位 エドゥアルド・グロス(ルーマニア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
8位 コーエン・フェルメルトフォールト(オランダ、ルームポット)
9位 アンドレア・パスクアロン(イタリア、ワンティ・グループゴベール)
10位 コリン・ジョイス(アメリカ、ラリーサイクリング)
94位 小林海(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ)
134位 初山翔(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ) 0:03:47
139位 内間康平(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ)
個人総合成績
ポイント賞
1位 サーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) 45pts
2位 トマ・ボダ(フランス、ディレクトエネルジー) 30pts
3位 カルロス・バルベロ(スペイン、モビスター) 30pts
山岳賞
1位 ルイス・マス(スペイン、カハルーラル) 29pts
2位 アルバロ・クアドロス(スペイン、カハルーラル) 18pts
3位 シルヴァン・ディリエ(スイス、アージェードゥーゼール) 15pts
text:Kei Tsuji

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