残り5km地点のKOMアルジサーで縮小した14名の精鋭集団によるスプリント。グレッグ・ヴァンアーヴェルマートやアレクセイ・ルツェンコを下したネイサン・ハースがカチューシャ・アルペシン移籍後初勝利を飾った。
岩に覆われた山岳地帯を走る photo:A.S.O.
ツアー・オブ・オマーン2018第2ステージ photo:A.S.O.ツアー・オブ・オマーン第2ステージはサルタン・カブース大学からアルブスタンまでの167.5km。4つのKOM(キングオブマウンテン)が設定されており、獲得標高差は1,500m強ほどある。前日にステージ優勝を飾ってリーダージャージを獲得したブライアン・コカール(フランス、ヴィタルコンセプト)が「登りで集団に食らいつきたい」と語っていたものの、最大の難所である残り5km手前のKOMアルジサー(全長2.6km/平均勾配8%)がスプリンターたちのフィニッシュラインへの侵入を拒んだ。
この日もスタートフラッグと同時に集団先頭でアタック開始。マルケル・イリサール(スペイン、トレック・セガフレード)とロイック・シェトゥ(フランス、コフィディス)、ファブリシオ・フェラーリ(ウルグアイ、カハルーラル)、かつてチームスカイやガーミンに所属していた元U23世界TT王者の38歳ダニー・ペイト(アメリカ、ラリーサイクリング)の4名が逃げを開始する。
最大4分まで広がったタイム差はヴィタルコンセプトを中心にした集団コントロールによって射程圏内に抑え込まれ、リードを失いながらも単独で逃げ続けたイリサールも最後のKOMアルジサー登坂中に吸収された。最も多くKOMポイントを稼いだシェトゥが山岳賞トップに立っている。
最大4分のアドバンテージで逃げる4名 photo:A.S.O.
ダイナミックな幹線道路のアップダウンをこなす photo:A.S.O.
リーダージャージを着て走るブライアン・コカール(フランス、ヴィタルコンセプト) photo:A.S.O.
逃げるマルケル・イリサール(スペイン、トレック・セガフレード)ら4名 photo:A.S.O.
KOMアルジサーでBMCレーシングが強力にペースメイクと集団はみるみるうちに縮小。リーダージャージのコカールを含め、ピュアスプリンターたちはここで脱落してしまう。アスタナが人数を揃えて先頭に立つとさらに集団の人数は絞られ、20名弱の状態で残り5km地点の頂上をクリアした。ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)のSTRAVAログによると、全長2.6km/平均勾配8%のKOMアルジサーを集団は5分34秒かけて平均27.6km/hで駆け上がっている。
トップスピードが90km/hを超えるその後のダウンヒルでニキ・テルプストラ(オランダ、クイックステップフロアーズ)がアタックするシーンも見られたが決まらず、決着は14名によるスプリント勝負に。平坦区間に差し掛かるとチーム新加入のアルベルト・ベッティオール(イタリア)がグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)のためにリードアウトを開始。好アシストを得たヴァンアーヴェルマートがスプリントに持ち込んだが、すでにオーストラリアレースで距離を乗り込んでいるネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン)の加速力が勝った。
精鋭集団のスプリントで勝利したネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン) photo:A.S.O.
フィニッシュラインで驚きの表情とともに右手を上げたハース。ディメンションデータからカチューシャ・アルペシンに移籍した2度(2011年と2014年)のジャパンカップ覇者が1年半ぶりの勝利を飾った。カチューシャ・アルペシンにとってもこれが今シーズン初勝利となる。
リーダージャージを手にしたハースは「チームメイトたちを信頼して、何も考えずに集団内で走るのは久しぶりの感覚。このステージでは去年5位を経験しているし、改めて登りと下りの映像を何度も見てチェック。自分は非凡な選手ではないので、人よりスマートに、人より準備して勝負に挑む必要があるんだ。昨年よりも登れている感覚があるので、最後の最後まで戦うよ」とコメントする。
ステージ2位のヴァンアーヴェルマートと3位アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)がそれぞれ4秒差の総合2位と6秒差の総合3位に。ニバリやゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)、ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)といった総合優勝候補たちは精鋭集団内でフィニッシュ。ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)やニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシング)らは38秒遅れてフィニッシュしている。
今シーズン初勝利を飾ったネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン) photo:A.S.O.
リーダージャージを手にしたネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン) photo:A.S.O.


この日もスタートフラッグと同時に集団先頭でアタック開始。マルケル・イリサール(スペイン、トレック・セガフレード)とロイック・シェトゥ(フランス、コフィディス)、ファブリシオ・フェラーリ(ウルグアイ、カハルーラル)、かつてチームスカイやガーミンに所属していた元U23世界TT王者の38歳ダニー・ペイト(アメリカ、ラリーサイクリング)の4名が逃げを開始する。
最大4分まで広がったタイム差はヴィタルコンセプトを中心にした集団コントロールによって射程圏内に抑え込まれ、リードを失いながらも単独で逃げ続けたイリサールも最後のKOMアルジサー登坂中に吸収された。最も多くKOMポイントを稼いだシェトゥが山岳賞トップに立っている。




KOMアルジサーでBMCレーシングが強力にペースメイクと集団はみるみるうちに縮小。リーダージャージのコカールを含め、ピュアスプリンターたちはここで脱落してしまう。アスタナが人数を揃えて先頭に立つとさらに集団の人数は絞られ、20名弱の状態で残り5km地点の頂上をクリアした。ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)のSTRAVAログによると、全長2.6km/平均勾配8%のKOMアルジサーを集団は5分34秒かけて平均27.6km/hで駆け上がっている。
トップスピードが90km/hを超えるその後のダウンヒルでニキ・テルプストラ(オランダ、クイックステップフロアーズ)がアタックするシーンも見られたが決まらず、決着は14名によるスプリント勝負に。平坦区間に差し掛かるとチーム新加入のアルベルト・ベッティオール(イタリア)がグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)のためにリードアウトを開始。好アシストを得たヴァンアーヴェルマートがスプリントに持ち込んだが、すでにオーストラリアレースで距離を乗り込んでいるネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン)の加速力が勝った。

フィニッシュラインで驚きの表情とともに右手を上げたハース。ディメンションデータからカチューシャ・アルペシンに移籍した2度(2011年と2014年)のジャパンカップ覇者が1年半ぶりの勝利を飾った。カチューシャ・アルペシンにとってもこれが今シーズン初勝利となる。
リーダージャージを手にしたハースは「チームメイトたちを信頼して、何も考えずに集団内で走るのは久しぶりの感覚。このステージでは去年5位を経験しているし、改めて登りと下りの映像を何度も見てチェック。自分は非凡な選手ではないので、人よりスマートに、人より準備して勝負に挑む必要があるんだ。昨年よりも登れている感覚があるので、最後の最後まで戦うよ」とコメントする。
ステージ2位のヴァンアーヴェルマートと3位アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)がそれぞれ4秒差の総合2位と6秒差の総合3位に。ニバリやゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)、ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)といった総合優勝候補たちは精鋭集団内でフィニッシュ。ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)やニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシング)らは38秒遅れてフィニッシュしている。


ツアー・オブ・オマーン2018第2ステージ
1位 | ネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン) | 4:22:15 |
2位 | グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) | |
3位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | |
4位 | ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップフロアーズ) | |
5位 | メルハウィ・クドゥス(エリトリア、ディメンションデータ) | |
6位 | ニキ・テルプストラ(オランダ、クイックステップフロアーズ) | |
7位 | ゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) | |
8位 | ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス) | |
9位 | ファビオ・フェリーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
10位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) |
個人総合成績
1位 | ネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン) | 8:20:46 |
2位 | グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) | 0:00:04 |
3位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | 0:00:06 |
4位 | メルハウィ・クドゥス(エリトリア、ディメンションデータ) | 0:00:10 |
5位 | ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
6位 | ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップフロアーズ) | |
7位 | オドクリスティアン・エイキング(ノルウェー、エフデジ) | |
8位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | |
9位 | ファビオ・フェリーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
10位 | ファビアン・デュベ(フランス、ワンティ・グループゴベール) |
ポイント賞
1位 | ネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン) | 15pts |
2位 | ブライアン・コカール(フランス、ヴィタルコンセプト) | 15pts |
3位 | グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) | 12pts |
ヤングライダー賞
1位 | メルハウィ・クドゥス(エリトリア、ディメンションデータ) | 8:20:56 |
2位 | オドクリスティアン・エイキング(ノルウェー、エフデジ) | |
3位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) |
チーム総合成績
1位 | アスタナ | 25:03:26 |
2位 | クイックステップフロアーズ | |
3位 | コフィディス |
text:Kei Tsuji
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