勾配の厳しい5つの山岳が選手らを苦しめたボルタ・ア・ヴァレンシアナ第2ステージ。アスタナのルイスレオン・サンチェス、ヤコブ・フルサングとともに30kmもの逃げ切りを決めたアレハンドロ・バルベルデがレース復帰後初勝利を飾った。
内陸の山間深いルートを行くボルタ・ア・ヴァレンシアナ第2ステージ (c)CorVos
平坦基調だった前日とは打って変わって、厳しい山岳コースが組まれたボルタ・ア・ヴァレンシアナ第2ステージ。3級山岳が3つ、1級山岳が2つの計5つの登りを含んだ154kmにて争われ、途中に現れる約20%もの勾配が選手らを苦しめる展開となった。
スタートからわずか10kmほどでプロコンチネンタルチーム選手を中心とした5名の逃げが決まり、リーダージャージを擁するロットNLユンボのコントロールの元、序盤は集団も落ち着いた様子で推移していく。
ガリコイツ・ブラボー(スペイン、エウスカディバスクカントリー・ムリアス)、ホンアンデル・インサウスティ(スペイン、エウスカディ)、ブライアン・ノロー(フランス、ディレクトエネルジー)、マティアス・ヴァンゴンペル(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)、ヘスス・アルベルト・ルビオ(スペイン、Inteja DCT)という逃げの5名は3つ目の山岳までに7分ものタイムギャップを稼ぎ出した。その中でもガリコイツ・ブラボーが山岳ポイントを果敢に狙い、3つの3級山岳全て1位通過、その後の1級山岳も2位通過で山岳賞ジャージを決めている。
リーダージャージを着用するダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNLユンボ) (c)CorVos
序盤にはプロコンチネンタルチームを中心とする5人の逃げが生まれた (c)VueltaCV
一方、最後の山岳に向けてチームスカイが集団コントロールを開始すると、登り口で逃げ集団をキャッチ。そのままヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ)やミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド)がハイペースを刻むと集団はみるみる人数を減らしていき、リーダージャージのダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNLユンボ)も脱落。最終的に20名ほどまでその数を減らすこととなった。
山頂が近づく中でチームスカイのコントロールを良しとしないアスタナから、ヤコブ・フルサング(デンマーク)がアタック。そこにアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)が単独追走、山頂通過後の下りで後ろから追いついたルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)も合わせた3名による強力な逃げが生まれた。
チームスカイが積極的に集団コントロールを行う (c)CorVos
終盤で逃げたサンチェス、バルベルデ、フルサングの3人 (c)VueltaCV
ゴールまで残り30kmとやや長い距離ながら、下り基調のコースを利用しハイペースを維持した3人は集団に対しじわじわとタイム差をつけ始める。集団内ではグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)も牽引に加わり追走を試みるものの、3人が上手く機能した逃げグループはその差を保ちながら遂に残り1kmを切った。
サンチェスのアシストとして先頭を引くフルサングの後ろに付けていたバルベルデが最後のストレートで加速。番手に付けていたサンチェスも振り切り、2対1という不利な状況ながらバルベルデがトップでフィニッシュラインを通過した。昨年のツール・ド・フランス第1ステージで落車リタイアをして以来、レース出場もなく回復に専念していたベテラン37歳が、復帰後早くも勝利を挙げる結果となった。
レース復帰後初勝利を飾ったアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) (c)VueltaCV
「最後の山岳で今日は調子が良いと判断しフルサングを追ってアタックすることにした。サンチェスも合わせた我々3人は上手く協力できたよ。トレーニングでも上がり調子だったし、先日のマヨルカでも十分に戦えたこともあり勝機はあると感じていた。レース復帰まで長かったけど、もう待つ必要はないね。しっかり回復したよ」とバルベルデはコメントしている。
また中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)は最後の山岳まで先頭集団に食らいついたものの、登り途中で足を攣ってしまい遅れを喫することに。後方集団にジョインし102位にてフィニッシュしている。「勾配がキツいほど自分にチャンスがあると思うが、やはりまだまだ力が足りない。この環境にチャレンジ出来ることに改めて感謝すると同時に、これを生かしてもっと強くならなければいけない。今日の結果をポジティブに捉えて、シーズン初めのレースで上りでの好感触が掴めたのは良かったと思う」と振り返った(チームのホームページより)。
集団内ゴールで第2ステージを終えた中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)

平坦基調だった前日とは打って変わって、厳しい山岳コースが組まれたボルタ・ア・ヴァレンシアナ第2ステージ。3級山岳が3つ、1級山岳が2つの計5つの登りを含んだ154kmにて争われ、途中に現れる約20%もの勾配が選手らを苦しめる展開となった。
スタートからわずか10kmほどでプロコンチネンタルチーム選手を中心とした5名の逃げが決まり、リーダージャージを擁するロットNLユンボのコントロールの元、序盤は集団も落ち着いた様子で推移していく。
ガリコイツ・ブラボー(スペイン、エウスカディバスクカントリー・ムリアス)、ホンアンデル・インサウスティ(スペイン、エウスカディ)、ブライアン・ノロー(フランス、ディレクトエネルジー)、マティアス・ヴァンゴンペル(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)、ヘスス・アルベルト・ルビオ(スペイン、Inteja DCT)という逃げの5名は3つ目の山岳までに7分ものタイムギャップを稼ぎ出した。その中でもガリコイツ・ブラボーが山岳ポイントを果敢に狙い、3つの3級山岳全て1位通過、その後の1級山岳も2位通過で山岳賞ジャージを決めている。


一方、最後の山岳に向けてチームスカイが集団コントロールを開始すると、登り口で逃げ集団をキャッチ。そのままヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ)やミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド)がハイペースを刻むと集団はみるみる人数を減らしていき、リーダージャージのダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNLユンボ)も脱落。最終的に20名ほどまでその数を減らすこととなった。
山頂が近づく中でチームスカイのコントロールを良しとしないアスタナから、ヤコブ・フルサング(デンマーク)がアタック。そこにアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)が単独追走、山頂通過後の下りで後ろから追いついたルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)も合わせた3名による強力な逃げが生まれた。


ゴールまで残り30kmとやや長い距離ながら、下り基調のコースを利用しハイペースを維持した3人は集団に対しじわじわとタイム差をつけ始める。集団内ではグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)も牽引に加わり追走を試みるものの、3人が上手く機能した逃げグループはその差を保ちながら遂に残り1kmを切った。
サンチェスのアシストとして先頭を引くフルサングの後ろに付けていたバルベルデが最後のストレートで加速。番手に付けていたサンチェスも振り切り、2対1という不利な状況ながらバルベルデがトップでフィニッシュラインを通過した。昨年のツール・ド・フランス第1ステージで落車リタイアをして以来、レース出場もなく回復に専念していたベテラン37歳が、復帰後早くも勝利を挙げる結果となった。

「最後の山岳で今日は調子が良いと判断しフルサングを追ってアタックすることにした。サンチェスも合わせた我々3人は上手く協力できたよ。トレーニングでも上がり調子だったし、先日のマヨルカでも十分に戦えたこともあり勝機はあると感じていた。レース復帰まで長かったけど、もう待つ必要はないね。しっかり回復したよ」とバルベルデはコメントしている。
また中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)は最後の山岳まで先頭集団に食らいついたものの、登り途中で足を攣ってしまい遅れを喫することに。後方集団にジョインし102位にてフィニッシュしている。「勾配がキツいほど自分にチャンスがあると思うが、やはりまだまだ力が足りない。この環境にチャレンジ出来ることに改めて感謝すると同時に、これを生かしてもっと強くならなければいけない。今日の結果をポジティブに捉えて、シーズン初めのレースで上りでの好感触が掴めたのは良かったと思う」と振り返った(チームのホームページより)。

第2ステージ結果
1位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 3:53:55 |
2位 | ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ) | |
3位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | |
4位 | ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、バーレーン・メリダ) | +0:19 |
5位 | グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) | |
6位 | メルハウィ・クドゥス(エリトリア、ディメンションデータ) | |
7位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ) | |
8位 | アレクシー・ヴィエルモーズ(フランス、アージェードゥーゼール) | |
9位 | ベン・ヘルマンス(ベルギー、イスラエルサイクリングアカデミー) | |
10位 | アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) |
個人総合成績
1位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 8:27:58 |
2位 | ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ) | +0:04 |
3位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | +0:06 |
4位 | ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ) | +0:29 |
5位 | ディエゴ・ローザ(イタリア、チームスカイ) | |
6位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ) | |
7位 | グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) | |
8位 | ダビ・デラクルス(スペイン、チームスカイ) | |
9位 | プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) | |
10位 | ブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシング) |
ヤングライダー賞
1位 | メルハウィ・クドゥス(エリトリア、ディメンションデータ) | 8:28:27 |
2位 | ハイメ・ロソン(スペイン、モビスター) | |
3位 | ニールソン・ポーレス(アメリカ、ロットNLユンボ) |
山岳賞
1位 | ガリコイツ・ブラボー(スペイン、エウスカディバスクカントリー・ムリアス) | 17pt |
2位 | マティアス・ヴァンゴンペル(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ) | 14pt |
3位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 10pt |
チーム総合成績
1位 | アスタナ | 25:24:43 |
2位 | チームスカイ | 0:38 |
3位 | BMCレーシング |
text:Yuto.Murata
photo:CorVos,VueltaCV
photo:CorVos,VueltaCV