ブエルタ・ア・サンフアン第3ステージは14.4kmの個人タイムトライアル。気温が34度に上る中、57番目にスタートしたライアン・ミューレン(アイルランド、トレック・セガフレード)が2位に25秒差をつけ勝利。リーダージャージはフィリッポ・ガンナ(イタリア、UAEチームエミレーツ)の手に渡った。



ライアン・ミューレン(アイルランド、トレック・セガフレード)がスタートライアン・ミューレン(アイルランド、トレック・セガフレード)がスタート (c)CorVos
ここまで2ステージを消化したブエルタ・ア・サンフアン(UCI2.1)の第3ステージは去年より距離を増した14.4kmの個人タイムトライアル。サンフアンの市街地を大きく1周するコースは標高差の全くないフルフラットコースであり、鋭角なコーナーもないため、純粋な独走力が問われることとなった。

レースは機材輸送の負担を軽減する目的からノーマルバイクのみ使用可能でTTバーの装着も許可されないルール。選手はディープリムホイールやディスクホイールのみを装着したバイクで出走した。

ヤングライダー賞ジャージを着用したフィリッポ・ガンナ(イタリア、UAEチームエミレーツ)がスタートヤングライダー賞ジャージを着用したフィリッポ・ガンナ(イタリア、UAEチームエミレーツ)がスタート (c)CorVos
163人が出走する中、57番目にスタートしたライアン・ミューレン(アイルランド、トレック・セガフレード)がトップタイムを記録。ナショナルTTチャンピオンでもあるミューレンは48.768km/hの速さでコースを駆け抜け、18分を切る17分43秒というタイムをマーク。ホットシートの着席権を獲得した。その後レミ・カヴァニャ(フランス、クイックステップフロアーズ)やグレゴリー・ダニエル(アメリカ、トレックセガフレード)が好走したがミューレンのタイムには届かず。

総合6位につけるフィリッポ・ガンナ(イタリア、UAEチームエミレーツ)や昨日のステージで活躍したラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)もタイムを更新すること無く、ライアン・ミューレンのステージ優勝が決まった。

エアロポジションでひた走るフィリッポ・ガンナ(イタリア、UAEチームエミレーツ)エアロポジションでひた走るフィリッポ・ガンナ(イタリア、UAEチームエミレーツ) (c)CorVosフロントバトンホイールを選択したラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)フロントバトンホイールを選択したラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) (c)CorVos


ホットシートに2時間座り続けたミューレンは「とても幸せな気持ち。シーズンが始まって最初のレースで勝利出来たことは非常に嬉しいよ。今までUCIレースでは2位、3位、5位というリザルトが続いていたので、勝利できて良かった。コースは僕の脚質に合っていたけど、序盤にペース配分を間違えてしまったので、ラスト4kmは苦しかった」とコメント。

リーダージャージはステージ2位につけたフィリッポ・ガンナの手に渡った。「本当は勝ちたかったけど、僕はこのリーダージャージで十分だよ。明日からはチームの助けを借りて、可能な限り長くジャージを守っていきたい」とガンナはコメントしている。

健闘を称え合うライアン・ミューレン(アイルランド、トレック・セガフレード)とフィリッポ・ガンナ(イタリア、UAEチームエミレーツ健闘を称え合うライアン・ミューレン(アイルランド、トレック・セガフレード)とフィリッポ・ガンナ(イタリア、UAEチームエミレーツ (c)CorVos
ステージ3位に付け、総合2位にジャンプアップしたラファル・マイカは「1月のレースで良い結果が出るのは喜ばしいのと同時に驚きでもあるね。総合順位では良い位置につけており、タイム差も手の内にあると思う。これからのステージには長く厳しい登りもあり、総合争いは変動するだろうけど、僕たちは最善を尽くし強い戦い方をしていくだけだ」とコメントしている。

翌第4ステージは3級、1級、1級の山岳が登場する182.8km。1級山岳のKOMポイントからは80kmにも及ぶ下り基調となっており、スプリントフィニッシュが予想される。

UCIレース初勝利となるライアン・ミューレン(アイルランド、トレック・セガフレード)UCIレース初勝利となるライアン・ミューレン(アイルランド、トレック・セガフレード) (c)CorVos
ステージ結果
1位 ライアン・ミューレン(アイルランド、トレック・セガフレード) 17'43"
2位 フィリッポ・ガンナ(イタリア、UAEチームエミレーツ) +25"
3位 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) +30"
4位 グレゴリー・ダニエル(アメリカ、トレックセガフレード) +30"
5位 オスカル・セヴィリャ(スペイン、メデリン・インデル) +36"
6位 ウィネル・アナコナ(コロンビア、モビスター) +38"
7位 オマー・メンドーザ(コロンビア、メデリン・インデル) +44"
8位 レミ・カヴァニャ(フランス、クイックステップフロアーズ) +44"
9位 エドゥアルド・セプルベダ(アルゼンチン、モビスターチーム) +50"
10位 ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、クイックステップフロアーズ) +52"
個人総合成績
1位 フィリッポ・ガンナ(イタリア、UAEチームエミレーツ) 6h58'37"
2位 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) +5"
3位 オスカル・セヴィリャ(スペイン、メデリン・インデル) +11"
4位 オマー・メンドーザ(コロンビア、メデリン・インデル) +19"
5位 エドゥアルド・セプルベダ(アルゼンチン、モビスター) +25"
6位 リカルド・エスケーラ(アルゼンチン、アグルパシオン・ビルヘンデファティマ) +27"
7位 ウィネル・アナコナ(コロンビア、モビスター) +35"
8位 ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、クイックステップフロアーズ) +43"
9位 カンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、バーレーン・メリダ) +43"
10位 マティア・カッタネーオ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク) +45"
山岳賞
1位 イグナシオヘスス・プラド(メキシコ、カネルス・スペシャライズド) 9pts
2位 ヘラルド・ティヴァニ(アルゼンチン、エキッポコンチネンタル・ムニシパリダド・デ・ポシート) 7pts
3位 カルロス・アルザテ(コロンビア、ユナイテッドヘルスケア) 4pts
ヤングライダー賞
1位 フィリッポ・ガンナ(イタリア、UAEチームエミレーツ) 6h58'37"
2位 ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、クイックステップフロアーズ) +43"
3位 ミゲル・フローレス(コロンビア、ウィリエール・トリエスティーナ・セッレイタリア) +1'57"
チーム総合成績
1位 トレック・セガフレード 20h57'01"
2位 メデリン・インデル +21"
3位 モビスター +38"
text:Kosuke.Kamata
photo:CorVos