2日連続の最高気温40度超え。レース中止を求める声も上がる中、終盤にKOMノートンサミットを越えるサントス・ツアー・ダウンアンダーで小集団スプリントを制したペテル・サガンが総合首位に立った。


逃げを見送った集団が渓谷に沿った山道を進む逃げを見送った集団が渓谷に沿った山道を進む photo:Kei Tsuji / TDWsport
カチューシャ・アルペシンはスタート地点でコーヒーを入れるカチューシャ・アルペシンはスタート地点でコーヒーを入れる photo:Kei Tsuji / TDWsport第4ステージからUCIのモーターチェックが開始第4ステージからUCIのモーターチェックが開始 photo:Kei Tsuji / TDWsport
「娘に貼られた」というカンガルーとコアラのステッカー付きロベルト・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)のパイオニア「娘に貼られた」というカンガルーとコアラのステッカー付きロベルト・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)のパイオニア photo:Kei Tsuji / TDWsportスタートを待つペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)スタートを待つペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Kei Tsuji / TDWsport

1月19日(金)第4ステージ ノーウッド〜ウライドラ 128.2km1月19日(金)第4ステージ ノーウッド〜ウライドラ 128.2km image:Santos Tour Down Underプロレースと同じコースを走る一般参加「ブーパチャレンジライド」がキャンセルされるほどの暑さ。最高気温が42.6度まで上がったアデレード市内のノーウッドから内陸部を巡り、定番ヒルクライムコースであるKOMノートンサミット(全長5.8km/平均5%)を越えてフィニッシュに向かう128kmでサントス・ツアー・ダウンアンダー第4ステージは行われた。登場するフィニッシュが固定化する中で、KOMノートンサミットの頂上から8kmのアップダウン区間を経てフィニッシュするレイアウトは初めての試み。単純な登坂力とスプリント力では展開が読めない刺激的なレースを予感させた。

ニュートラル走行終了とともに逃げたのは、毎年毎日ダウンアンダーでの逃げが宿命になっているUniSAオーストラリアの2人。2008年ツアー・オブ・ジャパン大阪ステージの優勝者でイスラエルサイクリングアカデミーに所属するザッカリ・デンプスターとアレックス・ポーターが「トロフェオバラッキ」のごとくローテーションしながらメイン集団に6分差をつけた。

メイン集団のコントロールを担ったのはミッチェルトン・スコットとボーラ・ハンスグローエ。北風が吹き付ける平坦区間では集団内に緊張感が走ったものの、集団が破壊されるような展開にはならず。2つのスプリントポイントでは、前日のステージ優勝者エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)が集団先頭通過(3番手通過)して合計4ポイントを稼いでいる。

逃げを見送った集団が渓谷に沿った山道を進む逃げを見送った集団が渓谷に沿った山道を進む photo:Kei Tsuji / TDWsport
逃げるザッカリ・デンプスターとアレックス・ポーター(オーストラリア、UniSAオーストラリア)逃げるザッカリ・デンプスターとアレックス・ポーター(オーストラリア、UniSAオーストラリア) photo:Kei Tsuji / TDWsport忙しくボトルとアイスを渡す選手たち忙しくボトルとアイスを渡す選手たち photo:Kei Tsuji / TDWsport
暑い中でのレースに抗議しているネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン)暑い中でのレースに抗議しているネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン) photo:Kei Tsuji / TDWsport集団から飛び出してしまったトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)とアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル)集団から飛び出してしまったトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)とアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル) photo:Kei Tsuji / TDWsport
アップダウンコースを進むプロトンアップダウンコースを進むプロトン photo:Kei Tsuji / TDWsport

やがて先頭からはポーターが遅れ、単独で逃げ続けていたデンプスターも最後のKOMノートンサミットを前に吸収される。アシストとしてボトル運びを行っていた総合首位カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)は本格的な登りを前に集団から脱落。登りに向けてポジション争いが活発化する中、新城幸也(バーレーン・メリダ)もアシストとして集団先頭に姿を見せた。

KOMノートンサミットの登りが始まるとBMCレーシングのペースメイクが始まる。過去に4度ダウンアンダーで総合優勝しているサイモン・ゲランス(オーストラリア、BMCレーシング)がアタックを許さないハイペースを刻むとメイン集団は約40名に縮小。結局KOMノートンサミットでアタックはかからず、ゲランスとリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)を先頭に頂上をクリアした。

なお、STRAVAのKOMノートンサミットによると、集団内で登りをこなしたダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)の登坂タイムは10分10秒。これはレース序盤に逃げるためのアタックがかかり続けた2016年大会の第4ステージで記録されたトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)の10分04秒よりも遅いタイムだった。

クラシックカーを横目に進むクラシックカーを横目に進む photo:Kei Tsuji / TDWsport
「前夜に体調を崩した」というリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)「前夜に体調を崩した」というリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) photo:Kei Tsuji / TDWsportリーダージャージにボトルを詰め込むカレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)リーダージャージにボトルを詰め込むカレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) photo:Kei Tsuji / TDWsport
ミッチェルトン・スコットがメイン集団をコントロールミッチェルトン・スコットがメイン集団をコントロール photo:Kei Tsuji / TDWsportミッチェルトン・スコットとボーラ・ハンスグローエがメイン集団をコントロールミッチェルトン・スコットとボーラ・ハンスグローエがメイン集団をコントロール photo:Kei Tsuji / TDWsport
最高気温42度のアデレードヒルズを走る最高気温42度のアデレードヒルズを走る photo:Kei Tsuji / TDWsport
KOMノートンサミットで集団のペースを作るサイモン・ゲランス(オーストラリア、BMCレーシング)KOMノートンサミットで集団のペースを作るサイモン・ゲランス(オーストラリア、BMCレーシング) photo:Kei Tsuji / TDWsport

比較的平穏にKOMの登りを終えた小集団は、その後のアップダウン区間でアタックを連発する。ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ)やドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)、ラルスイティング・バク(デンマーク、ロット・スーダル)、そして大会連覇のかかったポートらがアタックを仕掛けたが決まらない。ハイスピードダウンヒルとその後の短い登りを利用して飛び出したペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)も引き戻され、最終的に勝負は35名の小集団によるスプリントに。

下り基調の最終ストレートでタイミングよく加速したインピーが先頭に立ったものの、その後ろから世界チャンピオンジャージが迫る。フィニッシュラインまで加速を続け、インピーを抜き去ったサガンが両手を挙げた。

「すでにクリテリウム(ピープルズチョイスクラシック)で勝っているけど、ダウンアンダー本戦での勝利はまた別物。毎日違う選手がステージ優勝することは主催者にとってもファンにとっても良いことだと思う」。サガンは今シーズンUCIレース初勝利を喜ぶ。サガンの勝利は2017年9月24日のUCIロード世界選手権ぶりだ。

「とても暑いのでタフだけど、キャリアの中で一番暑いかと言うとそうでもない。数年前のカリフォルニアでもっと暑いステージを経験している」とサガン。この点では別府史之(トレック・セガフレード)も「カリフォルニアのほうが暑かった」と同じ見解。

サガンはボーナスタイムによって総合首位に立ったが、ボーラ・ハンスグローエの総合エースは総合3位のジェイ・マッカーシー(オーストラリア)だと念を押している。「ウィランガヒルにフィニッシュする明日の第5ステージはまた別の話。今日リーダージャージを手にしたものの、チームはジェイ(マッカーシー)のために走っている。彼の地元レースであり、より厳しい登坂勝負になると彼の出番だ」。

小集団スプリントで競り合うダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)とペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)小集団スプリントで競り合うダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)とペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Kei Tsuji / TDWsport先頭でスプリントするダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)とペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)先頭でスプリントするダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)とペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Kei Tsuji / TDWsport
インピーを下したペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)インピーを下したペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Kei Tsuji / TDWsport

ディフェンディングチャンピオンのポートは集団内でフィニッシュし、サガンと14秒差の総合20位につけている。「昨晩少し体調を崩した影響で絶好調とは言えず、厳しい戦いになった。連日の暑さが影響しているのかもしれない。明日までにしっかり回復して、ローハン・デニスとともにウィランガヒル決戦に挑みたい。ウィランガヒルは決して長い登りではないので、調子の良いサガンは十分に危険な存在になると思う」と、飄々と登りで立ち回る世界チャンピオンを警戒している。

翌日のクイーンステージは最高気温34度の予報。総合タイム差14秒以内に33名がひしめく総合争いはKOMオールドウィランガヒル(全長3.0km/平均7.5%)で決する。

今シーズンUCIレース初勝利を飾ったペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)今シーズンUCIレース初勝利を飾ったペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Kei Tsuji / TDWsportボーナスタイムにより総合首位に立ったペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)ボーナスタイムにより総合首位に立ったペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Kei Tsuji / TDWsport
3分56秒遅れでフィニッシュする新城幸也(バーレーン・メリダ)と別府史之(トレック・セガフレード)3分56秒遅れでフィニッシュする新城幸也(バーレーン・メリダ)と別府史之(トレック・セガフレード) photo:Kei Tsuji / TDWsport
ステージ成績
1位ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)3:21:07
2位ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)
3位ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)
4位ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)
5位ジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)
6位ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップフロアーズ)
7位ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)
8位ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)
9位ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール)
10位ローラン・ディディエ(ルクセンブルク、トレック・セガフレード)
44位別府史之(日本、トレック・セガフレード)0:03:56
46位新城幸也(日本、バーレーン・メリダ)
個人総合成績
1位ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)14:19:49
2位ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)0:00:02
3位ジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)0:00:09
4位ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)0:00:10
5位ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)0:00:14
6位ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)
7位ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)
8位ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ)
9位ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップフロアーズ)
10位エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ)
ポイント賞
1位ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)51pts
2位カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)42pts
3位エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)41pts
山岳賞
1位ニコラス・ドラミニ(南アフリカ、ディメンションデータ)36pts
2位リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)20pts
3位スコット・ボーデン(オーストラリア、UniSAオーストラリア)18pts
ヤングライダー賞
1位エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ)14:20:03
2位ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール)
3位サム・オーメン(オランダ、サンウェブ)
チーム総合成績
1位バーレーン・メリダ43:00:09
2位クイックステップフロアーズ
3位サンウェブ
text&photo:Kei Tsuji in Adelaide, Australia
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