国内ロードレースシリーズ「Jプロツアー」を主催する一般社団法人全日本実業団自転車競技連盟(JBCF)が、東京都内で2018年の活動方針発表会を開催した。Jプロツアーは初開催となる沖縄での開幕戦でスタートする全22戦。Jプロツアーチームは、新たに弱虫ペダルサイクリングチームとEQADSが加わる全21チームが発表された。



今年設立50周年を迎えたJBCFは、東京都の目黒駅前にある自転車総合ビル会議室で、2018年の活動方針を発表した。

2018年活動方針を説明するJBCF斧理事長 隣は廣瀬佳正専務理事2018年活動方針を説明するJBCF斧理事長 隣は廣瀬佳正専務理事 photo:Satoru KatoJBCFの斧理事長からは、「メジャースポーツへの挑戦」を掲げ、JBCFならではの「Japanese Way」で独自の新時代を築き、情報発信によるツアー向上と、オーガナイザー機能の充実を目指すことが説明された。

特に情報発信については、今年も行われてきたテキストライブ、ストリーミング中継、公式レポートの掲載に加え、スタートリストの配信、観戦ツアーの充実、インターネットTVなどを使用した情報番組などを検討しているという。また、会場での飲食ブースや試乗会、グッズ販売などにも力を入れ、現地観戦者を増やす試みをしていく。



Jプロツアーは全22戦

2018年Jプロツアー開幕戦となる沖縄県の金武ダム2018年Jプロツアー開幕戦となる沖縄県の金武ダム Photo:Satoru Kato
Jプロツアーは全22戦。そのうち2日間開催の「Two in One」となるのは20戦(10大会)だ。最大のトピックは沖縄県金武(きん)町で初開催される「おきなわロードレース」だろう。ツール・ド・おきなわのスタート地・名護から車で那覇方面に30分ほどの場所にある金武ダム周辺に、1周4.2kmの周回コースを設定してのロードレースが行われる。2月の開幕はJプロツアー史上最も早い時期の開幕だ。参加者には航空券と宿泊がセットのパックツアーなどの用意もあり、那覇空港からの無料送迎も予定されている。

その他に新たに開催されるレースは、3月の「修善寺ロードレース」、7月の「広島クリテリウム」、9月の「JBCFチームタイムトライアルチャンピオンシップ」、9月の「群馬CSCロードレース」、エキシビジョンレースとして東京都内で「TOKYOスーパークリテリウム」が予定されている。

3月17日、18日の「修善寺ロードレース」は日本サイクルスポーツセンター(CSC)での2日間開催のレース。CSCでのJプロツアーの開催は2014年以来。

7月1日の「広島クリテリウム」は、「西日本ロードクラシック」として広島中央森林公園で2日間行われていたうちの1日を、広島市西区商工センター周辺でのクリテリウムとするもの。1周約2kmのコースが予定されている。

日本CSCでのJプロツアー開催は4年ぶり(写真はツアー・オブ・ジャパン)日本CSCでのJプロツアー開催は4年ぶり(写真はツアー・オブ・ジャパン) photo: Satoru.KatoチームタイムトライアルがJプロツアーに復活するチームタイムトライアルがJプロツアーに復活する photo:Hideaki TAKAGI

9月1日の「JBCFチームタイムトライアルチャンピオンシップ」は、栃木県の渡良瀬遊水地での開催。個人タイムトライアルと併せて2日間のタイムトライアル大会となる。Jプロツアーでのチームタイムトライアルは2015年に白浜で行われて以来の復活だ。

9月30日に群馬CSCで行われる「群馬ロードレース」は、「赤城山ヒルクライム」に代わる大会。前日の「まえばしクリテリウム」と併せて2日間開催となる。

10月開催予定の「TOKYOスーパークリテリウム」は、調布市での開催を調整中。Jプロツアーはエキシビジョンレースとして行われるが、Jエリートツアー(JET)と女子のJフェミニンツアー(JFT)は公式戦として予定されている。

一方、長野県宮田村での2戦と、大分市での2戦はJET、JFTのレースのみとなる(大分市では新たにUCIレースが開催されるため)。



Jプロツアーは21チーム 10月に入れ替え戦を実施

弱虫ペダルサイクリングチームがJプロツアーに昇格する弱虫ペダルサイクリングチームがJプロツアーに昇格する photo:Satoru Kato
Jプロツアーライセンスが与えられたチームは21。2017年から引き続きの19チームに加え、昨年Jエリートツアーで団体総合優勝した弱虫ペダルサイクリングチームと、EQADSが新たにJプロツアーチームとなる。また、2018年は入れ替え戦を実施。9月30日の群馬CSCロードレース終了時のチームランキングで、Jプロツアーの16位以下のチームと、JET上位5チームによるプレーオフを南魚沼ロードレースで実施する。経済産業大臣旗ロードレースはJプロツアー上位15チームで行う。



2019年からJプロツアーチームは運営法人を義務化

2017年は個人・団体2冠達成のマトリックスパワータグ2017年は個人・団体2冠達成のマトリックスパワータグ photo:Satoru Katoまた、2019年のJプロツアー加盟規定も発表された。Jプロツアーチームは2019年から運営法人を設立することが必須とされる。このタイミングでの発表は、2018年を準備期間としてもらうためだ。その概要は以下の通り。

・2019年のJプロツアーチームは最大20チームとする。
・チームは運営法人が行い、法人登記(株式会社、社団法人、財団法人、特定非営利活動法人など)を必須とする
・運営法人の本社所在地をチームのホームタウンとする
・チーム登録料は年間200万円
・外国人選手の出走は1チーム2名まで
・1チーム2名以上の選手に月15万円(年180万円)以上の報酬を支払う
・チーム運営を専任で行うマネージャーを1人以上置く

いずれも他のプロスポーツでは課されている内容であり、日本のロードレースをプロスポーツとして定着させていくための条件と言えるだろう。
2018年 Jプロツアー(2017年12月9日時点・予定含む)
2月24日 (新)おきなわロードレース Day-1
2月25日 (新)おきなわロードレース Day‐2
3月17日 (新)修善寺ロードレース Day-1
3月18日 (新)修善寺ロードレース Day-2
4月28日 東日本ロードクラシック群馬大会 Day-1
4月29日 東日本ロードクラシック群馬大会 Day-2
5月12日 宇都宮クリテリウム
5月13日 宇都宮ロードレース
6月9日 那須高原クリテリウム
6月10日 那須地域ロードレース(仮称)
6月30日 西日本ロードクラシック広島大会・JBCF女子チャンピオンシップ
7月1日 (新)広島クリテリウム
7月15日 石川サイクルロードレース・ジュニアユースロードチャンピオンシップ
7月21日 大田原クリテリウム
7月22日 やいた片岡ロードレース
8月26日 まつりつくばクリテリウム(予定・エキシビジョン)
9月1日 (新)JBCFチームタイムトライアルチャンピオンシップ
9月2日 JBCFタイムトライアルチャンピオンシップ
9月15日 秋吉台カルストロードレース
9月16日 維新やまぐちクリテリウム
9月29日 まえばしクリテリウム
9月30日 (新)群馬ロードレース(群馬CSC)
10月6日 南魚沼ロードレース
10月7日 南魚沼ロードレース・JBCF経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ
10月28日 JBCF TOKYOスーパークリテリウム(予定・エキシビジョン 東京都調布市)
11月10日 幕張新都心クリテリウム(エキシビジョン)
2018年 Jプロツアーチーム (チーム名は12月9日時点のもの)
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マトリックスパワータグ
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<P>
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シエルヴォ奈良レーシングチーム
TEAM BRIDGESTONE Cycling
弱虫ペダルサイクリングチーム(新)
EQADS(新)
なお、JET、JFT、トラックレースなどJBCF全レースの予定表は下記リンクのPDFを参照頂きたい(提供:一般社団法人 全日本実業団自転車競技連盟)。今回発表された内容は12月9日時点の予定であり、今後変更される場合がある。詳しくはJBCF公式サイトへ。

text & photo: Satoru Kato
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