ジロ・デ・イタリアのコースプレゼンテーションに出席した有力選手たちのコメントを紹介。第100回大会を制したトム・デュムランは「出場は未定だけど、初日の個人TTはマリアローザを着るチャンス」と語っている。


プレゼンテーションに出席したコンタドール、アル、ニーバリ、デュムランプレゼンテーションに出席したコンタドール、アル、ニーバリ、デュムラン photo:RCS sport
トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)

タイムトライアルが得意なので、個人TTで開幕するグランツールは大歓迎。再びマリアローザを着るチャンスだ。山岳ステージはどれも用心すべき存在で、モンテゾンコランだけでなくその翌日の第15ステージも厳しい。今回のジロのコースは好きだけど、まだ出場するかどうか明言することはできない。まずはコースを入念にチェックしたい。2017年は自分が最強だったけど2018年がそうなるとは限らない。フルームは屈強なライダーであり、彼の出場によってレースはよりハードで興味深いものになる。

ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)

シチリア島のステージは自分があまり知らない地域を走るし、今回のエトナ山の登り方も未経験。でも地元でのレースは特別。これまでずっと支えてくれた地元のみんなが大声援を送ってくれるんだ。モンテゾンコランはミケーレ・スカルポーニと一緒に登りたかった。前回モンテゾンコランを登ったのはコンタドールと戦っていた時だったと思う。ライバルになるフルームの走り方はよく知っている。数ヶ月前にブエルタで彼と戦ったばかりで、彼だけでなくチームも強力なので厳しい戦いになるはず。

トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) photo:Kei Tsuji / TDWsportヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) photo:Tim de Waele / TDWsport

ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)

レース序盤の山岳には良い状態で挑まなければならない。そこで数秒や数分を失ってしまうと取り返しがつかないから極めて重要なんだ。自分が出場するかどうかは未定だけど、フルームが大きなライバルになるのは間違いない。彼の出場によってジロがスペシャルなものになる。

アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)

すでにイスラエルに行ってコースを見てきた。初日の個人タイムトライアルは非常にテクニカルで、もし雨が降れば大きなタイム差がつくはず。(ミケーレ・スカルポーニのことを聞かれて)今でも彼のことを思い出す。そして思い出すたびに楽しい記憶が蘇ってくる。彼は疲れ切った時でもジョークを飛ばす素晴らしいパーソナリティーだった。

クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)とファビオ・アル(イタリア、アスタナ)クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)とファビオ・アル(イタリア、アスタナ) photo:Tim de Waele / TDWsport現役引退したアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)現役引退したアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) photo:Kei Tsuji / TDWsport

クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)

自分のキャリアはイタリアで始まったと言っていい。プロ1年目から3年間イタリアに住んでいたし、常々ジロに戻りたいと思っていたんだ。チームは(ジロ出場について)慎重に考え、何度も話し合いを行なってきた。近代ロードレースにおいて、1シーズンにジロとツールで総合優勝することは偉業。(ツールとブエルタを制した)今シーズンの経験から、2つのグランツールで結果を残すことに自信を得ている。エキストラな1週間のおかげで、良い状態で2つのレースに挑めるはず。ツールとブエルタで優勝した今、3連続グランツール制覇という珍しい機会を得た。今まで誰も想像できなかったような新しいチャレンジに挑むのはいつだって刺激的。素晴らしいシーズンにするために、完全に新しいモチベーションを得ている。

ダヴィデ・ブラマーティ(クイックステップフロアーズ監督)

興味深いレースが期待できる山岳とスプリント、丘がうまく組み合わさったコースだ。スプリンターにチャンスがあるのは4〜6ステージ、多くて7ステージぐらい。タイムトライアルが短くて山岳フィニッシュが多く、2017年よりも難易度は高い。総合争いは前半の山岳フィニッシュから激しいものになるはず。そして最終週の最後まで厳しいステージが続いている。

ラン・マーガリオット(イスラエルサイクリングアカデミーGM)

ジロ・デ・イタリアの開幕を迎えるイスラエルにサイクリング元年がやってくる。新たにイタリアのスポンサー(デローザ、ナリーニ、セライタリア、FSAヴィジョン)を迎えた今、イスラエルサイクリングアカデミーはジロの招待を受ける準備が整った。イタリアの品質とスタイルのスタンダードを備えたイスラエルチームとして成績を残したい。

マウロ・ヴェーニ(ジロ・デ・イタリア総合ディレクター)

毎年ジロは興味深いストーリーと美しい土地の映像を世界に届けたいと思っている。今回のレースが訪れる土地は、歴史的にも文化的にも、そして風景的にも世界が驚くショーを演出してくれる。もちろん8つの山頂フィニッシュやトリッキーなステージが多く設定されているのでスペクタクルなレースになるだろう。ヨーロッパ以外の国で初となるイスラエルで開幕し、ローマのコロシアムの前で閉幕するコースは、スポーツの観点だけでなく、素晴らしいプロモーションツールになる。2018年も偉大なチャンピオンたちが出場する予定で、特にキャリアに欠けていたグランツールで総合優勝を狙うクリストファー・フルームに注目だ。

ダヴィ・ラパルティアン(UCI会長)

2017年の第100回記念大会を超えるような、再びチャレンジングで過酷な3週間の戦いになるはず。ジロはUCIワールドツアーカレンダーにおいて最も重要なレースの一つであり、素晴らしいオーガナイズを行っているRCSをこの機会に祝福したい。美しいコースと約束されたドラマ。間違いなくジロは2018年のグランツール幕開けに相応しいものになるだろう。