クリス・フルーム(チームスカイ)とワレン・バルギル(サンウェブ)の逃げを吸収してスプリント勝負に持ち込まれた今年のツール・ド・フランスさいたまクリテリウムは、マーク・カヴェンディッシュ(ディメンションデータ)が僅差で別府史之(トレック・セガフレード)を下して初優勝した。



さいたま新都心の特設コースを走るさいたま新都心の特設コースを走る photo:Kei Tsuji / TDWsport
沿道にはファン手作りのチームスカイとキッテルの応援イラストフラッグ沿道にはファン手作りのチームスカイとキッテルの応援イラストフラッグ photo:Makoto.AYANOイギリス国旗で応援する日本人ファンイギリス国旗で応援する日本人ファン photo:Makoto.AYANO

今年5回目となるさいたまクリテリウム。今回はこれまでのコースを一新。2か所のヘアピンコーナーを含む1周3kmのコースが新たに設定された。

天気は朝から青空が広がる秋晴れ。動き回ると汗ばむほどの暑さだったものの、メインレースのクリテリウムのスタートと前後して雲が広がりはじめ、冷たい風が吹く肌寒さを感じるなかのレースとなった。

スプリントレース決勝で先着したマルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)スプリントレース決勝で先着したマルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ) photo:Kei Tsuji / TDWsportチームタイムトライアルで優勝した宇都宮ブリッツェンチームタイムトライアルで優勝した宇都宮ブリッツェン photo:Makoto.AYANO

個人タイムトライアルを走る野口佳子個人タイムトライアルを走る野口佳子 photo:Satoru Kato個人TTを走る女子ジュニアの全日本TTチャンピオン下山美寿々(大阪教育大付属高校天王寺校舎)個人TTを走る女子ジュニアの全日本TTチャンピオン下山美寿々(大阪教育大付属高校天王寺校舎) photo:Satoru Kato

クリテリウムを前に、スプリントレース、個人タイムトライアル、チームタイムトライアルが行われた。

初めて採用された「スプリントレース」はケイリンを模したレースで、先導の後ろについてコースを1周し、残り500mで先導が離れたところからスプリント勝負をする。4組の予選を勝ち上がったマルセル・キッテル(クイックステップフロアーズ)、マーク・カヴェンディッシュ(ディメンションデータ)、ニキアス・アルント(サンウェブ)、大久保陣(ブリヂストンアンカー)の4人が決勝に進み、当代きってのスプリンター同士の勝負を、キッテルが制して優勝した。

個人タイムトライアルには、男子ジュニアの全日本TTチャンピオンの松田祥位(岐阜第一高校)や、女子ジュニアの全日本TTチャンピオンの下山美寿々(大阪教育大学付属高校天王寺校舎)らが出場。パラサイクリングのタイムトライアルには、リオデジャネイロパラリンピック銀メダリストの藤田征樹、パラサイクリングロード世界チャンピオンの野口佳子らが出場した。

出場チームによるチームタイムトライアルは、各チーム3人で出走。トッププロチームを抑えて優勝したのは、宇都宮ブリッツェンの増田成幸、阿部嵩之、小野寺玲の3人。2位のサンウェブを2秒上回る3分9秒39の堂々たるタイムでの優勝だ。



クリテリウムはツール・ド・フランスのスター選手がずらり勢揃いしてのスタートクリテリウムはツール・ド・フランスのスター選手がずらり勢揃いしてのスタート photo:Makoto.AYANO
西陽を浴びながらメインレースがスタート西陽を浴びながらメインレースがスタート photo:Kei Tsuji / TDWsport
そしてメインレースのクリテリウムがスタート。

1周目からアタックがかかり、ロード全日本チャンピオンの畑中勇介(チーム右京)、窪木一茂(NIPPOヴィーニファンティーニ)、別府史之(トレック・セガフレード)らが逃げに乗るが、いずれもレース中盤までに全て吸収される。新城幸也(バーレーンメリダ)も3度に渡り単独で逃げるが、レースの動きを変えるまでには至らない。

全日本チャンプジャージの畑中勇介(チーム右京)のアタック全日本チャンプジャージの畑中勇介(チーム右京)のアタック photo:Makoto.AYANOクイックステップフロアーズとディメンションデータがメイン集団をコントロールする意志をみせるクイックステップフロアーズとディメンションデータがメイン集団をコントロールする意志をみせる photo:Makoto.AYANO

単独アタックを仕掛ける新城幸也(バーレーン・メリダ)単独アタックを仕掛ける新城幸也(バーレーン・メリダ) photo:Makoto.AYANOリゴベルト・ウラン(キャノンデール・ドラパック)とグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(BMCレーシング)リゴベルト・ウラン(キャノンデール・ドラパック)とグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(BMCレーシング) photo:Makoto.AYANO

大きな動きがあったのは10周目。グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(BMCレーシング)、リゴベルト・ウラン(キャノンデール・ドラパック)の2人が抜け出し、メイン集団に10秒差をつける。11周目、マイヨ・ジョーヌを着るクリス・フルーム(チームスカイ)と、山岳賞ジャージのワレン・バルギル(サンウェブ)の2人が追走。12周目には先行する2人に合流して4人の逃げ集団を形成する。

ウラン、バルギル、フルーム、ヴァンアーヴェルマートの4大スターの逃げグループが形成されるウラン、バルギル、フルーム、ヴァンアーヴェルマートの4大スターの逃げグループが形成される photo:Makoto.AYANO
VIP観覧席から観るプロトンは最高の眺めだVIP観覧席から観るプロトンは最高の眺めだ photo:Makoto.AYANO
マイヨアポアを着たワレン・バルギル(チームサンウェブ)がアタックして逃げるマイヨアポアを着たワレン・バルギル(チームサンウェブ)がアタックして逃げる photo:Makoto.AYANO残り2周、フルームとバルギルが先行。直後に集団が迫る中、最終周回に入ってもバルギルがなお粘って単独で先行する。しかしスプリンターで勝負したいディメンションデータやクイックステップフロアーズらによりペースアップした集団からは逃げきれず、残り300mを前に吸収。最後のヘアピンカーブを折り返してのゴールスプリント勝負に。

残り100m、先行する別府にカヴェンディッシュが迫る。最後まで粘る別府だったが、カヴェンディッシュが僅差で先着し、さいたまクリテリウム初優勝を果たした。

別府史之(トレック・セガフレード)との接戦を制したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)別府史之(トレック・セガフレード)との接戦を制したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) photo:Kei Tsuji / TDWsport
カヴェンディッシュは「勝ててハッピーだね。最後の300mはアタックするには短すぎるし、スプリントするには長すぎるので難しかった。スプリントレースでは2位だったけれど、そこで感覚を掴めたのが良かったのかもしれないね。今日は観客の応援がすごくて、日本でのレースは素晴らしい体験だった。ぜひまた日本に来てレースに出たいと思っているよ」と、上機嫌にコメント。

記者会見で語る別府史之(トレック・セガフレード)記者会見で語る別府史之(トレック・セガフレード) photo:Saoru Kato記者会見で話すクリス・フルーム(チームスカイ)記者会見で話すクリス・フルーム(チームスカイ) photo:Saoru Kato

一方、僅差で2位の別府は「2015年にも僅差で負けて2位になっているので、今回は勝ちたいと思っていた。スプリント勝負に向けてディメンションデータらがガチガチにコントロールしていたので早めに仕掛けてみたけれど、難しかった」とレースを振り返った。

フルームは山岳賞を獲得。記者会見で「第1回大会から出場していて、今年5回目の大会にも呼んでもらってとても嬉しく思っている」と話し、来る2018年シーズンの目標について聞かれると「来年はツール5勝目を目指したい」と、先人の偉大な記録に挑戦すると宣言した。

クリテリウム表彰式クリテリウム表彰式 photo:Saoru Kato
各賞受賞者やスプリントレース、チームTT優勝チームが勢ぞろい各賞受賞者やスプリントレース、チームTT優勝チームが勢ぞろい photo:Saoru Kato
ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム2017 結果
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス・ディメンションデータ)
2位 別府史之(日本・トレック・セガフレード)
3位 畑中勇介(日本・チーム右京)
4位 ワレン・バルギル(フランス・サンウェブ)
5位 アルベルト・ベッティオ(イタリア・キャノンデールドラパック)
6位 ミカル・クヴィアトコウスキ(ポーランド・チームスカイ)
ベストチーム
BMCレーシング

ベストヤングライダー
アルベルト・ベッティオ(イタリア・キャノンデールドラパック)

ポイント賞
グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー・BMCレーシング)

山岳賞
クリストファー・フルーム(イギリス・チームスカイ)

敢闘賞
ワレン・バルギル(フランス・サンウェブ)

ベスト日本チーム
愛三工業レーシングチーム

タイムトライアル優勝
宇都宮ブリッツェン

パラサイクリング・タイムトライアル
優勝・藤田征樹

個人タイムトライアル・男子ジュニア
優勝・山本哲央(山梨県立韮崎高校)

個人タイムトライアル・女子
優勝・下山美寿々(大阪教育大付属高校天王寺校舎)

Photo:Kei Tsuji / TDWsport,Makoto AYANO,Satoru Kato
text:Satoru Kato

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