2008年のジロ・デ・イタリア山岳ステージで怒濤の3勝を飾りながらも、ドーピング違反によって出場停止を受けたエマヌエーレ・セッラ(イタリア)が、2年ぶりのジロ出場に期待を寄せる。ジロ主催者のRCSスポルトは、セッラが所属するカルミオオーロNGCの出場可否について今月末に発表する予定だ。

エマヌエーレ・セッラ(イタリア、カルミオオーロNGC)エマヌエーレ・セッラ(イタリア、カルミオオーロNGC) photo:Cor Vos「(ジロへの招待の知らせを)チームは待ちわびている。もちろんチームが招待されると信じているよ。またジロに出場したいんだ。再びジロに出場して、第一線で闘うことをずっと夢見てきた」

禁止薬物CERA(第三世代EPO)の陽性が発覚したセッラに対し、UCI(国際自転車競技連合)が出場停止処分を与えたのは2008年7月23日のこと。その年、セッラはアルペ・ディ・パンペアーゴ、パッソ・フェダイア、そしてティラーノの山岳ステージで優勝を飾り、マリアヴェルデ(山岳賞ジャージ)を獲得。しかし当時CSFグループ・ナヴィガーレに所属していたセッラは、その2ヶ月後にドーピング陽性が発覚した。

2009年の夏に処分期間が明けたセッラは、カルミオオーロ・Aスタイルでレース界に復帰。10月にスペインで開催されたシントゥロ・デ・レンポルダ(UCI2.2)でステージ2勝の活躍を見せ、フランシスコホセ・ベントソ(スペイン)のステージ2勝&総合優勝をお膳立てした。

2010年シーズンに向け、新スポンサーにNGC社を迎えたチームカルミオオーロは、コンチネンタル登録からプロコンチネンタル登録に昇格を果たした。母国イタリア最大の自転車の祭典であるジロ出場の可能性が出てきたのだ。

2010年のジロ出場が確定しているのは、リクイガス、ランプレ、アージェードゥーゼル、アスタナ、Bboxブイグテレコム、ケースデパーニュ、チームHTC・コロンビア、フットオン・セルヴェット、ミルラム、クイックステップ、ラボバンク、サクソバンク、オメガファーマ・ロットの13チーム。

レースディレクターのアンジェロ・ゾメニャン氏は22チームを出場させる意向を示しており、レディオシャック、サーヴェロ・テストチーム、BMCレーシングチーム、カチューシャ、チームスカイの出場が有力視されている。

「確かに(ジロ出場は)難しいかもしれない。でも条件は全部整っているんだ。チームにはジロの出場経験が豊富な選手もいるし、アンチドーピングにも積極的。3週間のレースの闘いを心得ている」

現在セッラはヴィチェンツァにある自宅周辺でトレーニングを続けている。1月中旬にはトスカーナ州に移動し、10日間に渡って行なわれるチームのトレーニングキャンプに合流。1月30日に開幕するジロ・デッラ・レッジョカラブリアでシーズン初戦を迎える。

text:Gregor Brown
translation:Kei Tsuji
photo:Cor Vos



Gregor.Brown (グレゴー・ブラウン)

イタリア・レッコ在住のアメリカ人プロサイクリング・ジャーナリスト。2005、2006年ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランス、春のクラシック等で綾野 真(シクロワイアード編集長/フォトジャーナリスト)に帯同し、取材活動を行う。2007年よりサイクリングニュース(イギリス)の主筆ジャーナリストとして活躍後、フリーランスに。2009年12月よりシクロワイアード契約ジャーナリストとなる。今後、主にイタリア・英語圏プロサイクリングメディアに活動の舞台を移す。





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