いよいよ関西シクロクロスも終盤戦。シリーズ第7戦が滋賀県希望が丘文化公園で行なわれ、ベルギーから一時帰国した竹之内悠を破った小坂正則(スワコレーシングチーム)が優勝。熟練の走りで今シーズンの関西シクロクロス2勝目を飾った。

C1 Lap01 スタートダッシュで飛び出した竹之内悠C1 Lap01 スタートダッシュで飛び出した竹之内悠 photo:Kei Tsujiレースにはベルギー遠征から3日前に一時帰国した竹之内悠と小坂光(宇都宮ブリッツェン)の世界選手権U23代表2人の他に、第6戦北神戸田園スポーツ公園を制した46歳の大ベテラン小坂正則(スワコレーシングチーム)や丸山厚(MASSA-FOCUS-OUTDOOR PRODUCTS)が参戦。

他にも、元全日本チャンピオンの大原満(アイサンサポクラ)や池本真也(和光機器タムラクラブ)ら、いつにも増して豪華な顔ぶれが揃った。

C1 Lap02 小坂光(UTSUNOMIYA BLITZEN)ら4番手グループC1 Lap02 小坂光(UTSUNOMIYA BLITZEN)ら4番手グループ photo:Hideaki.TAKAGI迎え撃つのは、世界選手権でメカニックを務め、自らもヨーロッパに渡ってワールドカップに出場した松井正史(シマノドリンキング)、入江克典(シマノドリンキング)、永良大誠(グランデパール播磨)を始めとする関西勢だ。

希望が丘文化公園を縫うように走るコースは、シングルトラックを含んだ起伏のあるもの。曇りの寒空の下、39名がスタートラインに並んだ。

C1 Lap03 沢田時(ENDLESS/ProRide)らC1 Lap03 沢田時(ENDLESS/ProRide)ら photo:Hideaki.TAKAGIこの日は特例として、これまでC2で連勝していた16歳の沢田時(ENDRESS/ProRide)がC1にエントリー。年齢制限の関係で沢田のみ40分(C1は60分)で終了し、順位はつかない。

スタートダッシュで先頭に立ったのは竹之内悠。飛ぶように走る竹之内は後続を10秒引き離して2周目に突入した。竹之内に続いたのは小坂正則、小坂光、丸山厚、入江克典のパック。少し距離をおいて松井正史、永良大誠、池本真也、大原満、伊澤優大(岩井商会レーシング)らが続き、16歳の沢田時もこのパックの中に入った。

C1 Lap06 2番手に後退した竹之内悠C1 Lap06 2番手に後退した竹之内悠 photo:Kei Tsujiその後も先頭竹之内のハイペースは止まらない。しかし3周目を過ぎると、単独2番手を走行する小坂正則とのタイム差が徐々に縮まり始める。小坂正則は毎周数秒ずつ、ジワリジワリと竹之内との距離を縮めると、ついに5周目で先頭交代。竹之内は小坂正則と競り合うが、徐々にその距離は広がった。

激しいトップ争いが繰り広げられる中、周囲を驚かせたのは16歳沢田の走り。40分で終了するとは言え、常にベテラン選手と競り合う走りを見せ、C1の6番手で6周(C1は10周)のレースを終えた。

C1 Lap10 単独トップで最終周回に突入した小坂正則(スワコレーシングチーム) C1 Lap10 単独トップで最終周回に突入した小坂正則(スワコレーシングチーム)  photo:Kei Tsujiやがて、先頭の小坂正則と竹之内のタイム差が3秒、6秒、10秒と広がりながらレース終盤へ。地元関西の竹之内には沿道からゲキが飛ぶが、その差は広がるばかり。結局小坂正則は竹之内を12秒引き離してフィニッシュ。3位と4位には、ともに単独で走行していた丸山厚と小坂光が入った。

今シーズンの関西シクロクロス2勝目を飾った小坂正則は「上りでガンガン踏んだんですけど、なかなか竹之内選手との距離が広がらなかった。最後まで息が抜けなかった」とレースを振り返る。2戦連続でベテランの走りが光った。

C1 表彰台、2位竹之内悠、優勝小坂正則(スワコレーシングチーム)、3位丸山厚(MASSA-FOCUS-OUTDOOR PRODUCTS)C1 表彰台、2位竹之内悠、優勝小坂正則(スワコレーシングチーム)、3位丸山厚(MASSA-FOCUS-OUTDOOR PRODUCTS) photo:Kei Tsujiベルギーでワールドカップを含む5戦に出場した竹之内は「ヨーロッパから帰ってきて、もっといいレースを観客の皆さんに見せたかった。悔しいレースでした。体調は悪くなかったけど、心拍も上がらず中盤にペースが落ちてしまった。来週の野洲川で再び優勝を狙いたいです」とコメント。チェコで開催される世界選手権に向けて「2週間日本にいるので、その間にリフレッシュしながら調子を上げて行きたい。U23最後の世界選。10〜20番台を狙いたい」と抱負を語った。

CL1には森田正美(チームブリヂストン・アンカー)と志村みち子(ラヴニールあづみの)の世界選手権代表2名が出場。序盤から森田が後続を引き離す走りを見せ、同時スタートのCM1佐野光宏(ストラーダレーシング)とデッドヒートを繰り広げた。

CM1&CL1 佐野光宏(ストラーダレーシング)に追いついた森田正美(チームブリヂストン・アンカー)CM1&CL1 佐野光宏(ストラーダレーシング)に追いついた森田正美(チームブリヂストン・アンカー) photo:Kei Tsuji最後まで食らいつく佐野を振り切った森田が、後続を3分以上引き離す独走で優勝。佐野は森田に敗れながらもCM1で圧勝した。

森田は「CM1の選手(佐野)と競り合いながらの走りだったので、楽しく、かつ怪我をしないよう丁寧に走りました。徐々に調子が上がっているので、今月末の世界選に向けてまた練習して頑張りたい」と語った。

C2は赤塚剛司(Mt・Hase321)、後呂有哉(サイクルアシストオオバ)、竹野洋介(equipe mistral)の3名がトップ争いを繰り広げ、後呂をスプリントで破った赤塚が優勝を飾っている。

関西シクロクロスは残り3戦。1月17日「第8戦野洲川運動公園」、1月24日「第9戦桂川緑地公園」、「第10戦堺みなとグリーン広場」。エントリー等、詳しくは関西シクロクロス公式ホームページまで。

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関西シクロクロス第7戦希望が丘結果
C1(10周回)
1位 小坂正則(スワコレーシングチーム)       1h02'27"
2位 竹之内悠                       +12"
3位 丸山厚(MASSA-FOCUS-OUTDOOR PRODUCTS)  +2'28"
4位 小坂光(宇都宮ブリッツェン)           +3'09"
5位 入江克典(シマノドリンキング)          +3'44"
6位 大原満(アイサンサポクラ)            +4'06"
7位 池本真也(和光機器タムラクラブ)         +4'42"
8位 永良大誠(グランデパール播磨)          +5'11"
9位 伊澤優大(岩井商会レーシング)          +5'11"
10位 久保伸次(岩井商会レーシング)          +6'28"

CL1(5周回)
1位 森田正美(チームブリヂストン・アンカー)     36'57"
2位 宮内佐季子(CLUB Viento)            +3'07"
3位 志村みち子(ラヴニールあづみの)         +4'11"
4位 中道のぞみ(Salata bianca kobe)          +6'48"
5位 三井由香(ベロチスタ・パールイズミ・スギノ)   +1LAP

CM1(5周回)
1位 佐野光宏(ストラーダレーシング)         37'11"
2位 岩本雅秀(チーム泥んこプロレス)         +51"
3位 井原徳幸(大泉愛輪会)              +59"
4位 ビンセント・フラナガン(PEDALFORTH.com)  +1'08"
5位 前川圭助(White Jack)             +1'25"

C2(5周回)
1位 赤塚剛司(Mt・Hase321)            36'02"
2位 後呂有哉(サイクルアシストオオバ)        +01"
3位 竹野洋介(equipe mistral)             +14"
4位 中川隆司(つうばいつう)             +32"
5位 鈴木昌徳(STARE)               +33"

C3A(4周回)
1位 木村圭祐(FUKADAまじりんぐ)         29'12"
2位 水間健(TEAMスクアド               +51"
3位 網永義広(本町クラブ)              +1'00"

C3B(4周回)
1位 曽我暁男(WielerSchoolJAPAN)         30'13"
2位 武山潤(チーム☆ルパン)             +08"
3位 大橋克弘(スペードエース)            +11"

text:Kei Tsuji
photo:Kei Tsuji, Hideaki Takagi

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