インドネシアのジャワ島東部で6回目を迎えたインターナショナル・ツール・ド・バニュワンギ・イジェン(UCI2.2)が開幕。137.7kmで争われた第1ステージでキナンサイクリングチームはチーム総合首位に立った。以下、キナンサイクリングチームからのレポートを紹介する。
キナンサイクリングチームが秋の海外ステージレース連戦第2弾として臨むのが、9月27日に開幕したインターナショナル・ツール・ド・バニュワンギ・イジェン。4日間で533kmに及ぶ戦いが始まった。第1ステージは137.7kmで争われ、キナン勢はリカルド・ガルシアのステージ5位が最上位。他選手のボーナスタイム獲得の関係から、個人総合では6位につける。また、チーム内ステージ上位3選手のタイム合算で争われるチーム総合ではトップに立っている。
出走サインを行う椿大志 photo:Shunsuke.Fukumitsu
前回覇者のジャイ・クロフォードにはボディナンバー1番が与えられた photo:Shunsuke.Fukumitsu
第6回目を迎えたこの大会は、インドネシアはジャワ島東部を舞台にレースが行われる。 例年、東ジャワ州のバニュワンギを拠点にステージ編成がなされ、今回も全4ステージの うち第1、第2、第4ステージがバニュワンギの中心部にフィニッシュする。また、第3ステージはアジアのステージレースでも屈指の超級山岳イジェン山の頂上フィニッシュ。総合争いにおいて最重要な1日となる。なお、カテゴリーはUCIアジアツアー2.2となっている。
昨年のこの大会では、ジャイ・クロフォードが個人総合優勝。リカルドが2位に続いた。 チャンピオンチームとして臨むキナンサイクリングチームは、先週行われたツール・ド・モルッカ(インドネシア、UCIアジアツアー2.2)と同じメンバーで参戦。ジャイ、リカルドのほか、椿大志、阿曽圭佑、トマ・ルバがメンバー入りしている。
迎えた大会初日、第1ステージは前半から中盤にかけては平坦基調。100km地点を過ぎたあたりから登りが始まり、フィニッシュ前約22kmで3級山岳ポイントが設けられる。場所によっては10%を超える急坂区間もあり、勝負のポイントになることが予想された。
海沿いを走るプロトン。向こう側に望むのはバリ島 photo:Shunsuke.Fukumitsu
集団内で走行する阿曽圭佑 photo:Shunsuke.Fukumitsu
レース序盤の駆け引きに加わる椿大志 photo:Shunsuke.Fukumitsu
レースは序盤からアタックの応酬。各チームの思惑が交錯し、プロトンは出入りが激しい状況がしばし続いた。均衡が破られたのは、36.9km地点に設けられたこの日2つ目の中間スプリントを通過した直後。8人が先行を開始し、この中にジャイが加わった。逃げが決まった後もメイン集団のペースは落ちず、先頭の8人とのタイム差は最大で1分30秒程度でコントロールされる。結局、ジャイたちの逃げグループは、スタートから 70km地点を目前にメイン集団がキャッチした。
その直後、今度は椿が含まれる逃げグループが形成される。最初は2人で逃げていた椿だったが、さらに力のある3選手が合流。ふたたび逃げにメンバーを送り込んだキナン勢。メイン集団に待機する選手たちは、他チームにペースコントロールを任せた。懸命に逃げ続けていた椿たち5人だったが、100km地点を過ぎて本格的な上りが始まると、徐々にメイン集団が迫ってきた。頂上まで約5km残したタイミングで椿たちは集団に吸収され、レースは振り出しに戻った。
隊列を組んで進むキナン勢 photo:Shunsuke.Fukumitsu
3級山岳頂上に向かって懸命に上るジャイ・クロフォード photo:Shunsuke.Fukumitsu
厳しい上りに集団の人数が減り、総合優勝候補に絞られた戦いは、3級山岳の頂上手前でダヴィデ・レベリン(イタリア、クウェート・カルトゥーチョ.es)ら3選手が先行を開始。キナン勢はジャイ、リカルド、トマがメイン集団から追い上げを図る。頂上手前ではトマがアタック。他選手の追随こそあったものの、前を行く選手のうちレベリンを除く2人を捕まえることに成功し、フィニッシュまでの約17kmの下りに入った。
10人程度に絞られたメイン集団は下りでレベリンを追いたいところだが、その差は離れていく一方。リカルドとトマがペースアップを図るが、レベリン選手をキャッチすることはできなかった。
トップから2分10秒差でフィニッシュしたジャイ・クロフォード photo:Shunsuke.Fukumitsu
フィニッシュする阿曽圭佑 photo:Shunsuke.Fukumitsu
選手たちが思い思いにレースを振り返る photo:Shunsuke.Fukumitsu
単独でフィニッシュへとやってきたレベリンから1分45秒後、メイン集団がやってきた。リカルドが5位、トマが10位でこのステージを終えた。さらに25秒後にジャイがフィニッシュしている。これらの結果を受けて、個人総合ではリカルドが6位、トマがステージ順位と同じ10位となっている。また、チーム総合では1位となり、早速チーム力の高さを証明している。
翌28日に行われる第2ステージは、今大会最長の180.9km。126.8km地点に位置する3 級山岳ポイントを通過後は、フィニッシュまで下り基調と平坦とが続く。頂上までの上りが厳しいこともあり、人数が絞られた中からのスピード勝負になる可能性が高い。キナン勢は引き続き、序盤からレースを動かしながらリカルドとトマの上位進出や、ステージ優勝の可能性を模索していくことになる。
選手コメント
椿大志「先週のツール・ド・モルッカから出場選手が増えて、さらには強い選手も多く揃ったことも関係してか、スタート直後から激しいアタックの打ち合いとなった。先にジャイが逃げに入って、それが吸収されてから自分が逃げたが、思っていた以上に力のある選手たちが揃ってしまい、このまま山岳まで逃げ続けると正直厳しいかなと感じながら走っていた。チームとしては攻撃を続けていかないといけない。コースが厳しい分、今日同様に激しい レースが連続するが、自分たちがやれることは最後までしっかりとこなしたい」
キナンサイクリングチームが秋の海外ステージレース連戦第2弾として臨むのが、9月27日に開幕したインターナショナル・ツール・ド・バニュワンギ・イジェン。4日間で533kmに及ぶ戦いが始まった。第1ステージは137.7kmで争われ、キナン勢はリカルド・ガルシアのステージ5位が最上位。他選手のボーナスタイム獲得の関係から、個人総合では6位につける。また、チーム内ステージ上位3選手のタイム合算で争われるチーム総合ではトップに立っている。


第6回目を迎えたこの大会は、インドネシアはジャワ島東部を舞台にレースが行われる。 例年、東ジャワ州のバニュワンギを拠点にステージ編成がなされ、今回も全4ステージの うち第1、第2、第4ステージがバニュワンギの中心部にフィニッシュする。また、第3ステージはアジアのステージレースでも屈指の超級山岳イジェン山の頂上フィニッシュ。総合争いにおいて最重要な1日となる。なお、カテゴリーはUCIアジアツアー2.2となっている。
昨年のこの大会では、ジャイ・クロフォードが個人総合優勝。リカルドが2位に続いた。 チャンピオンチームとして臨むキナンサイクリングチームは、先週行われたツール・ド・モルッカ(インドネシア、UCIアジアツアー2.2)と同じメンバーで参戦。ジャイ、リカルドのほか、椿大志、阿曽圭佑、トマ・ルバがメンバー入りしている。
迎えた大会初日、第1ステージは前半から中盤にかけては平坦基調。100km地点を過ぎたあたりから登りが始まり、フィニッシュ前約22kmで3級山岳ポイントが設けられる。場所によっては10%を超える急坂区間もあり、勝負のポイントになることが予想された。



レースは序盤からアタックの応酬。各チームの思惑が交錯し、プロトンは出入りが激しい状況がしばし続いた。均衡が破られたのは、36.9km地点に設けられたこの日2つ目の中間スプリントを通過した直後。8人が先行を開始し、この中にジャイが加わった。逃げが決まった後もメイン集団のペースは落ちず、先頭の8人とのタイム差は最大で1分30秒程度でコントロールされる。結局、ジャイたちの逃げグループは、スタートから 70km地点を目前にメイン集団がキャッチした。
その直後、今度は椿が含まれる逃げグループが形成される。最初は2人で逃げていた椿だったが、さらに力のある3選手が合流。ふたたび逃げにメンバーを送り込んだキナン勢。メイン集団に待機する選手たちは、他チームにペースコントロールを任せた。懸命に逃げ続けていた椿たち5人だったが、100km地点を過ぎて本格的な上りが始まると、徐々にメイン集団が迫ってきた。頂上まで約5km残したタイミングで椿たちは集団に吸収され、レースは振り出しに戻った。


厳しい上りに集団の人数が減り、総合優勝候補に絞られた戦いは、3級山岳の頂上手前でダヴィデ・レベリン(イタリア、クウェート・カルトゥーチョ.es)ら3選手が先行を開始。キナン勢はジャイ、リカルド、トマがメイン集団から追い上げを図る。頂上手前ではトマがアタック。他選手の追随こそあったものの、前を行く選手のうちレベリンを除く2人を捕まえることに成功し、フィニッシュまでの約17kmの下りに入った。
10人程度に絞られたメイン集団は下りでレベリンを追いたいところだが、その差は離れていく一方。リカルドとトマがペースアップを図るが、レベリン選手をキャッチすることはできなかった。



単独でフィニッシュへとやってきたレベリンから1分45秒後、メイン集団がやってきた。リカルドが5位、トマが10位でこのステージを終えた。さらに25秒後にジャイがフィニッシュしている。これらの結果を受けて、個人総合ではリカルドが6位、トマがステージ順位と同じ10位となっている。また、チーム総合では1位となり、早速チーム力の高さを証明している。
翌28日に行われる第2ステージは、今大会最長の180.9km。126.8km地点に位置する3 級山岳ポイントを通過後は、フィニッシュまで下り基調と平坦とが続く。頂上までの上りが厳しいこともあり、人数が絞られた中からのスピード勝負になる可能性が高い。キナン勢は引き続き、序盤からレースを動かしながらリカルドとトマの上位進出や、ステージ優勝の可能性を模索していくことになる。
選手コメント
椿大志「先週のツール・ド・モルッカから出場選手が増えて、さらには強い選手も多く揃ったことも関係してか、スタート直後から激しいアタックの打ち合いとなった。先にジャイが逃げに入って、それが吸収されてから自分が逃げたが、思っていた以上に力のある選手たちが揃ってしまい、このまま山岳まで逃げ続けると正直厳しいかなと感じながら走っていた。チームとしては攻撃を続けていかないといけない。コースが厳しい分、今日同様に激しい レースが連続するが、自分たちがやれることは最後までしっかりとこなしたい」
ツール・ド・バニュワンギ・イジェン第1ステージ(137.7km)結果
1位 | ダヴィデ・レベリン(イタリア、クウェート・カルトゥーチョ.es) | 3時間20分18秒 |
2位 | ドリュー・モレイ(オーストラリア、トレンガヌサイクリングチーム) | +1分35秒 |
3位 | マーカス・クレイ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) | +1分39秒 |
4位 | ロイック・デリアック(フランス、バイクライフドンナイ) | |
5位 | リカルド・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) | |
6位 | アイマン・カヤディ(インドネシア、チーム サプラサイクリング) | |
10位 | トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) | +1分45秒 |
23位 | ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) | +2分10秒 |
52位 | 椿大志(キナンサイクリングチーム) | +10分57秒 |
71位 | 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) | +17分49秒 |
個人総合時間賞
1位 | ダヴィデ・レベリン(イタリア、クウェート・カルトゥーチョ.es) | 3時間20分8秒 |
2位 | ドリュー・モレイ(オーストラリア、トレンガヌサイクリングチーム) | +1分39秒 |
3位 | マーカス・クレイ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) | +1分45秒 |
4位 | アイマン・カヤディ(インドネシア、チーム サプラサイクリング) | +1分50秒 |
5位 | ロイック・デリアック(フランス、バイクライフドンナイ) | |
6位 | リカルド・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) | |
10位 | トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) | +1分55秒 |
23位 | ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) | +2分20秒 |
52位 | 椿大志(キナンサイクリングチーム) | +11分7秒 |
70位 | 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) | +17分59秒 |
ポイント賞
1位 | ダヴィデ・レベリン(イタリア、クウェート・カルトゥーチョ.es) | 15pts |
6位 | リカルド・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) | 6pts |
16位 | トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) | 1pts |
山岳賞
1位 | ダヴィデ・レベリン(イタリア、クウェート・カルトゥーチョ.es) | 6pts |
4位 | トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) | 1pts |
チーム総合
1位 | キナンサイクリングチーム | 10時間6分34秒 |
report:Shunsuke.Fukumitsu/Kinan Cycling Team
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