残すところあと3日となったブエルタ・ア・エスパーニャ。8年目にしてプロ初勝利を掴んだサンデル・アルメ(ベルギー、ロット・ソウダル)をはじめ、ステージ優勝を狙って争った逃げ集団のメンバーや総合勢のコメントを紹介しましょう。



プロ初勝利を掴んだサンデル・アルメ(ベルギー、ロット・ソウダル)

プロキャリア初の優勝を掴んだサンデル・アルメ(ベルギー、ロット・ソウダル)プロキャリア初の優勝を掴んだサンデル・アルメ(ベルギー、ロット・ソウダル) photo:CorVos
人生で最高の素晴らしいステージになったよ!このコースはレースに勝つためには最高の舞台だ。これまでプロ選手としてデビューしてから8年になる。レースで勝利を掴みとるために長い間待ち続けてきた。何度か、チャンスはあったけれど、常にチームのオーダーをこなし続けてきた。でも、このブエルタでは自由に動けるチャンスを掴み、自分のために走ることが許されたんだ。

逃げに乗ったのは3度目だけれど、どんどん調子が上がっていくように感じたし、最後の登りは全開で走り続けた。2つ目の山岳では、既にアタックする準備を整えていたんだ。メイン集団には大きな差を付けていたし、逃げの協調が崩れ始めていたからね。それでもかなり早いタイミングだったとは思うけれど。とにかく、グジャールがアタックし、僕はそれに飛びついた。

ダウンヒル区間で何人かが追いついてきたけど、全力で走れば彼らがついてくることは難しいだろうと思っていた。だから、何度も攻撃を仕掛けたんだ。アラフィリップは調子が良くないから先頭交代が出来ないと言っていたけれど、彼が強いスプリント力を持っていることは知っていたから、油断せずに、どこかで彼を振るい落とす必要があると思っていた。同時に今日のステージは僕向きだと思っていたから、勝てるチャンスだとも思ったよ。とにかくラスト1kmは自分のペースを守って走りぬいたんだ。

逃げの中で大きな役割を果たしたアレクシー・グジャール(フランス、アージェードゥーゼール・ラモンディアール)

12分ものリードを得て逃げた20名12分ものリードを得て逃げた20名 photo:Unipublic/Photogomez Sportステージ優勝を狙って、僕らは常に動き続けてきた。どんな地形のステージでも、チャンスを逃さないように。今日はとても良いフィーリングだった。もっとベストな走りが出来たかもしれないけれど、これまでに多くのエネルギーを使ってしまっていたんだ。

こうやって失速してしまうのは初めての事じゃないけれど、またいい勉強になったよ。僕はシーズンの終わりごろのほうが調子が上がってくるタイプなんだ。だから、この勢いを維持していきたいね。

ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)

チームとして最低でも一人、出来れば二人を逃げに送り込みたかったんだ。ボブ・ユンゲルスとエンリコ・マスが逃げに乗るためにアシストしてくれた。昨日の長く厳しいステージで逃げたから、正直今日は回復したかったんだけど、結局逃げに乗っていたね。

とにかくベストを尽くしたんだけれど、やっぱり昨日のダメージは大きかった。特に最後の2kmは地獄かと思ったよ。でも、まだまだ調子が上がっているのだと考えることもできる。それに、マドリードはすぐそこに見えてきているのも嬉しいことだよ。

リードを開いたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)

マイヨロホのリードを再び広げたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)マイヨロホのリードを再び広げたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Unipublic/Photogomez Sport
今日、多くのライバル達が力を振り絞って攻撃してきた。アルだけがタイム差を付けることが出来た。でも彼は既に5分以上総合で遅れているから、そこまでの脅威ではなかった。最後の登りでは、僕らのチームは麓から本当に速いテンポをキープして登り続けた。今日は調子を戻してきていたから、昨日失ったタイムを取り返すことが出来たのは良かったね。

僕のような総合系の選手にとって、今のチームスカイのような素晴らしいチームのサポートを受けて走ることが出来るのは、夢のようなシナリオだよ。チームの士気は高いし、強さも健在。残り僅かなステージだけれど、楽しんで走りたい。

総合3位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)

今日は難しいステージだった。ほぼ一日中、チームメイトに守られながら走っていた。最後のヒルクライムでは、ソーレンクラークが僕を完璧なポジションまで導いてくれた。登りでは世界最高のクライマー達と一緒に登り、タイムを失わずに済んだ。今日の結果には満足しているよ。

フルームグループから4秒遅れたウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)とイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)フルームグループから4秒遅れたウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)とイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン) photo:CorVosオザルバ峠でアタックしたアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)オザルバ峠でアタックしたアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) photo:CorVos


総合5位 アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)

正直、タイムを縮めるのは難しいだろうとは予想していた。レースがスタートし、何か動きを作りたいと考えていた。レースが本格的に動き出したのはラストから2つめの登りだった。ライバルたちがバッドデイなのかとも思ったので、何度か攻撃を仕掛けたが、やはり今日のようなステージで差を付けることは難しい。収穫といえば、幾人かのライバル達がそこで遅れたことくらいだろうか。土曜日のアングリルがキーになるだろう。

今日のステージでは、本当の力の差は結果に出ることは無かった。今、最も僕にとって大切なのは、自分の脚が上手く動いてくれること。とにかくアングリルだ。アングリルはとても厳しく、差が現れるコース。そこでいいパフォーマンスを見せられることを望んでいるよ。

総合8位ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)

総合ジャンプアップを狙って逃げを続けるファビオ・アル(イタリア、アスタナ)総合ジャンプアップを狙って逃げを続けるファビオ・アル(イタリア、アスタナ) photo:CorVos今日は調子の良さを感じたから、サンチェスと一緒に何度かアタックを仕掛けたんだ。残念なことに、あまりタイムを稼ぐことは出来なかったけれど、今日動いたことはチームのモチベーションのためにもとても重要なことだったと思っている。このブエルタも残り3ステージだけれど、集中して走り続けるよ。


text:Naoki.Yasuoka