赤い火の玉となって最速タイムを叩き出したクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)や、驚きの好走を披露したウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)らのコメントでブエルタ第16ステージを振り返ります。



マイヨロホのリードを広げたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)

マイヨロホのリードを1分58秒まで広げたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)マイヨロホのリードを1分58秒まで広げたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Unipublic/Photogomez Sport
ステージ優勝を挙げたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)ステージ優勝を挙げたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Unipublic/Photogomez Sport完璧にスピードに乗せることができていた。タイム差の情報があまり伝わらなかったので残り6〜7km地点までは若干不安を感じながら走っていた。でもステージ優勝を狙えるポジションにいると分かったんだ。

これから総合争いが行われる4日間を前に、リードを加算した現在のポジションにつけていることに十分満足している。ここで改めて僕をサポートしてくれているチームスカイに感謝したい。彼らがいてくれるからこそ僕は自分の走りに集中できている。

リードを稼ぐことができたけれど、でもレースはまだ終わっていない。日々戦い、今日も1日マドリードまで近づいた。明日は間違いなく決定的な1日となるはずで、ロス・マチュコスは僕の見た感じでは壁。間違いなく激しい総合争いが繰り広げられるだろう。

ステージ2位、総合3位に浮上したウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)

今日の走りを嬉しく感じていて、このままの調子を最終日までキープしていきたいと思っている。横風と向かい風の影響でTTポジションを保つことさえ難しく、第2区間はたくさんのアップダウンが待ち受ける難しいレースだった。でも深く集中できて、結果的に総合3位に上がることができた。明日から再び激しいレースとなるけれど、プッシュを続けていきたい。

コンタドールのタイムを上回って暫定首位に立ったウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)コンタドールのタイムを上回って暫定首位に立ったウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ) photo:CorVos総合2位をキープしたヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)総合2位をキープしたヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) photo:CorVos


ステージ3位、総合2位のヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)

非常に満足できる走りだった。今日は風が強くハイスピードを維持し続けることがとても難しかった。とある区間では追い風に乗ってケイデンス100で80km/hに近いスピードが出たんだ。フルームは彼向きのコースで素晴らしいパフォーマンスを披露した。明日はまたチャレンジングなステージが待っている。(今日のTTで)上位陣の成績が変わったし、ジャンプアップを狙う動きが必ず出てくる。状況を見極めていきたい。

ステージ4位、総合4位にダウンしたイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)

持てる力の全てを尽くした。自分がミスをしたとは思えない。レース後に自分がミスした可能性やどうしたらより良い結果が得られたかと復習することは大切だけれど、今日は何も間違いなく走れたと思う。できる限りのパフォーマンスで走りきった。

今回のブエルタでに関して言えば、僕は勝者ではない。けれど、少なくとも2つの山岳決戦が控えていて、マドリードで総合表彰台に上がるために戦い続ける。今日僕が失った30秒は情勢を変えるほどの差ではないんだ。僕は今たくさんのモチベーションで溢れている。トップ3位に復帰するためにできること全てを行なっていきたい。

ステージ5位、総合5位に浮上したアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)

快走して総合順位を5位にジャンプアップさせたアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)快走して総合順位を5位にジャンプアップさせたアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) photo:CorVos
良いタイムトライアルを走れたと思う一方、総合表彰台はかなり難しいことが判った。レース中はライバルの中間計測タイムは聞こえておらず、SRMメーター表示を隠して自分の感覚に全てを頼って走ったんだ。ここ数年内で比較すれば、今年のツール・ド・フランスよりは良かったものの、今日は自分のベストのTTではなかった。

ケルデルマン、そしてフルームは素晴らしい走りを見せた。特にフルームは今日の優勝候補で、彼にマッチしたコースで飛ぶように走った。

これからの数日間のうちに様々なドラマが巻き起こるはず。総合ジャンプアップを狙って今日失速したロペスらは間違いなく攻撃を仕掛けてくるだろう。僕は感覚を頼りに自分のペースを貫きたいと思う。マドリードを含めて残るはあと5日間。レースを楽しみながら、引退のその瞬間までの特別な時間を過ごしていきたい。

総合6位に留まったミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

調子が悪かったわけではないけれど、フィニッシュライン上でのタイム差は非常に大きかった。総合成績で自分よりも上にいる選手たちは非常に上手く走ったにも関わらず。僕は明日からのステージにフォーカスしたい。誰かに今日プッシュした分のツケが回ってくるはずだ。

総合7位、ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)

難しい1日だった。個人TTを得意とする選手たちと同じレベルに到達するのは非常に難しいと感じている。とにかく開幕時と同じ気持ちで残るステージも積極的に走っていきたい。

4分1秒遅れに終わったエスデバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット)4分1秒遅れに終わったエスデバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット) photo:Unipublic/Photogomez Sport総合5位から9位に落ちたエスデバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット)

スタートしてすぐに今日は厳しい戦いになると直感した。今日のために準備をしてきたけれど、こんな結果になってしまった。僕の総合争いは終わってしまったんだ。レース中は自分の得意な登り区間でケルデルマンにぶち抜かれた。彼の区間タイムは最速レベルだったと思う。

text:So.Isobe
photo:CorVos