インカレ2日目は6種目の決勝が行われ、ポイントレース男子は永田吏玖(朝日大)が、同女子は梶原悠未(筑波大)が優勝。得点が1.5倍になる団体種目予選は、チームパーシュートとチームスプリントともに日本大が1位通過。ほか種目も取りこぼしなく総合首位に立った。



9月1日(金)、長野県松本市美鈴湖自転車競技場で全日本大学対抗選手権(通称インカレ)トラック2日目が行われ、日本大が男子大学対抗総合成績暫定トップとなった。

以下、予選種目も含めてフォトレポートでお届けする。

女子ポイントレース

女子ポイントレース ゴールの倍ポイントも梶原悠未(筑波大)が取る女子ポイントレース ゴールの倍ポイントも梶原悠未(筑波大)が取る photo:Hideaki TAKAGI
この種目アジアチャンピオンの梶原悠未(筑波大)がおもに逃げで加点し優勝。全10回のポイントのうちじつに9回を1位通過と圧倒。ゴール2位で倍点の6点を獲得した中井彩子(鹿屋体育大)、着順で同点3位の中村愛花(日本体育大)がこれに続いた。

1位 梶原悠未(筑波大)70点
2位 中井彩子(鹿屋体育大)35点
3位 中村愛花(日本体育大)35点
4位 小泉夢菜(早稲田大)34点
5位 橋本優弥(鹿屋体育大)29点
6位 伊藤真生(日本体育大)25点

女子500mタイムトライアル

女子500mタイムトライアル 1位 岡本二菜(日本体育大)36秒261女子500mタイムトライアル 1位 岡本二菜(日本体育大)36秒261 photo:Hideaki TAKAGI
この種目全日本チャンピオンの岡本二菜(日本体育大)が36秒261と他を引き離して優勝。前日のスプリント予選も大会記録を出しており、短距離種目に絶対の強さを見せる。

1位 岡本二菜(日本体育大)36秒261
2位 伊藤花歩(八戸学院大)36秒874
3位 松本詩乃(日本体育大)37秒087
4位 梶原悠未(筑波大)37秒107
5位 清水知美(八戸学院大)37秒560
6位 西島叶子(鹿屋体育大)37秒579

男子1kmタイムトライアル

男子1kmタイムトライアル 1位 隈園郷史(明治大)1分03秒464男子1kmタイムトライアル 1位 隈園郷史(明治大)1分03秒464 photo:Hideaki TAKAGI
1組目で出場の阿部将大(鹿屋体育大)がいきなり1分3秒を出し結果3位に。僅差の戦いを制したのは隈園郷史(明治大)で1分03秒464だ。日本大は2人が2位と4位に入り総合得点を加点したが、いっぽうで鹿屋体育大はもう一人が9位と入賞を逃している。

1位 隈園郷史(明治大)1分03秒464
2位 坂本紘規(日本大)1分03秒553
3位 阿部将大(鹿屋体育大)1分03秒610
4位 山本修平(日本大)1分04秒297
5位 小原佑太(朝日大)1分04秒348
6位 栗山和樹(朝日大)1分04秒959
7位 橋本壮史(中央大)1分04秒974
8位 鈴木陸来(法政大)1分05秒473

女子チームスプリント

女子チームスプリント 1位 日本体育大(岡本、松本)46秒996(予選時)学連新女子チームスプリント 1位 日本体育大(岡本、松本)46秒996(予選時)学連新 photo:Hideaki TAKAGI
決勝戦は日本体育大と八戸学院大との間で行われ、予選より僅差の0.112秒差で日本体育大が優勝した。3位決定戦では順天堂大が予選の結果を逆転した。

1位 日本体育大(岡本、松本)46秒996(予選時)学連新
2位 八戸学院大(清水、伊藤)47秒626
3位 順天堂大(横山、平井)48秒904
4位 鹿屋体育大(西島、内村)48秒776(予選時)
5位 早稲田大(池田、小泉)49秒722
6位 新潟大(澤口、高橋)57秒588

男子ポイントレース 40km

序盤から荒井佑太(法政大)と今村駿介(中央大)がそれぞれ加点し第一人者の強さを見せる。ツール・ド・ラブニールから帰国直後の岡本隼(日本大)は鋭い加速で加点していく。ところが120周のうち残り38周で永田吏玖(朝日大)が集団から抜け出し逃げを開始する。集団は容認するが永田は5点を獲得し続け残り7周で集団のラップに成功。さらにラスト4周でふたたび抜け出してゴールの倍点10点を獲得し優勝。積極的に攻撃した永田の強さが光った。

男子ポイントレース 2位荒井佑太(法政大)と4位岡本隼(日本大)男子ポイントレース 2位荒井佑太(法政大)と4位岡本隼(日本大) photo:Hideaki TAKAGI男子ポイントレース ラップしたうえでゴール倍点も取って優勝の永田吏玖(朝日大)男子ポイントレース ラップしたうえでゴール倍点も取って優勝の永田吏玖(朝日大) photo:Hideaki TAKAGI

1位 永田吏玖(朝日大)56点
2位 荒井佑太(法政大)44点
3位 今村駿介(中央大)35点
4位 岡本隼(日本大)29点
5位 徳田匠(鹿屋体育大)17点
6位 伊藤大地(東北学院大)12点
7位 渡邉慶太(明治大)11点
8位 山下祥平(日本体育大)11点

男子スクラッチ 15km

男子スクラッチ 近藤翔馬(法政大)が競り勝つ男子スクラッチ 近藤翔馬(法政大)が競り勝つ photo:Hideaki TAKAGI
昨年から採用されたスクラッチは終始集団で推移する。ラスト2周で抜け出したのは阿部将大(鹿屋体育大)。これを沢田桂太郎(日本大)先頭で集団が追い、その番手に近藤翔馬(法政大)そして高橋優斗(中央大)がつけてフィニッシュ直前で近藤が沢田をかわして優勝した。展開を読み沢田をマークした近藤の勝負強さが勝った。

1位 近藤翔馬(法政大)19分04秒
2位 沢田桂太郎(日本大)
3位 高橋優斗(中央大)
4位 宇佐美元基(同志社大)
5位 風間翔眞(東北学院大)
6位 平林楓輝(明星大)
7位 阿部将大(鹿屋体育大)
8位 山田康太(京都産業大)

男子チームスプリント予選

男子チームスプリント予選 1位 日本大(坂井、照井、治田)1分01秒759 学連新、決勝戦へ男子チームスプリント予選 1位 日本大(坂井、照井、治田)1分01秒759 学連新、決勝戦へ photo:Hideaki TAKAGI日本大が大会新、学連新となる1分01秒759をマークして安定感のある走りで堂々の決勝進出。この種目は強豪校が順当に上位に入った。

予選タイム
1位 日本大(坂井、照井、治田)1分01秒759 学連新、決勝戦へ
2位 朝日大(小原、栗山、志田)1分02秒411 決勝戦へ
3位 中央大(橋本、梶原、東矢)1分02秒961 3-4位決定戦へ
4位 鹿屋体育大(堀、岸田、真鍋)1分02秒969 3-4位決定戦へ
5位 明治大(板倉、隈園、荒川)1分02秒991 以下順位確定
6位 早稲田大(後藤、中井、田中)1分03秒705
7位 日本体育大(松岡、桑名、松本)1分04秒480
8位 同志社大(宇佐美、島、末廣)1分04秒917

男子4kmチームパーシュート予選

男子4kmチームパーシュート予選 1位 日本大(草場、坂本、沢田、貝原)4分15秒422 決勝戦へ男子4kmチームパーシュート予選 1位 日本大(草場、坂本、沢田、貝原)4分15秒422 決勝戦へ photo:Hideaki TAKAGI終始風が吹く条件で5秒ほど落ちるタイムでどのチームも予選を走った。しかし強豪校が波乱に見舞われた。昨年優勝の朝日大は交代がうまくいかずに入賞圏外に。昨年2位の鹿屋体育大も同じくばらばらとなったがスタートに2度違反したとして失格に。また練習で16秒を出していた京都産業大もばらばらとなったが5位に踏みとどまった。各校が最も威信をかけて戦うこの種目で、2日目までの成績を象徴する結果となった。

予選タイム
1位 日本大(草場、坂本、沢田、貝原)4分15秒422 決勝戦へ
2位 中央大(原井、高橋、橋本、今村)4分16秒093 決勝戦へ
3位 法政大(荒井、白垣、鈴木、渡部)4分18秒291 3-4位決定戦へ
4位 日本体育大(安田、山下、古賀、安彦)4分19秒542 3-4位決定戦へ
5位 京都産業大(中井、松下、曽我部、吉岡)4分23秒843 以下順位確定
6位 東北学院大(伊藤、久保田、風間、西塔)4分26秒973
7位 明治大(眞砂、池西、梅本、渡邉)4分27秒327
8位 慶應義塾大(荒川、畑、小野、宮本)4分30秒909

大学対抗総合成績

2日目終了時点で男子は日本大がトップだ。翌日が決勝の種目でも日本大は上位に入っており、とくに得点が1.5倍となるチームスプリントとチームパーシュートがそれぞれ予選1位であり高得点が見込まれる。日本大のトラック種目の総合優勝は目前だ。焦点は2位以下に何点差をつけてロードレースに向かうかだ。大会2日目で早くも日本大の総合優勝が予想される展開となった。強い日大が戻ってきた。

男子

1位 日本大 24点
2位 法政大 17点
3位 朝日大 16点
4位 中央大 14点
5位 鹿屋体育大 12点
6位 明治大 11点
7位 東北学院大 7点
8位 同志社大 5点

女子

1位 日本体育大 26点
2位 八戸学院大 15点
3位 鹿屋体育大 12点
4位 筑波大 10点
5位 順天堂大 6点
6位 早稲田大 6点

photo&text:高木秀彰