ツール・ド・フランスでクリストファー・フルーム(イギリス)の総合優勝をアシストし、自身も総合4位に入ったミケル・ランダ(スペイン)がモビスターに籍を移す。契約は2019年までの2年間。


2級山岳ペイラギュードでマイヨジョーヌグループのペースを作るミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ)2級山岳ペイラギュードでマイヨジョーヌグループのペースを作るミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ) photo:Tim de Waele / TDWsport
ツール期間中から噂されていた通り、スペイン・バスク出身のランダが2年間所属したチームスカイを離れ、モビスターに移籍する。8月15日にモビスターが発表した。

「我々にとって素晴らしいニュースだ。まだ若い(27歳)が、ここまで素晴らしい戦歴を残してきた。彼はこれからのスペイン自転車界を牽引するライダーになるだろう(チーム公式リリースより)」と、モビスターのエウセビオ・ウンスエGMはランダの加入を歓迎する。ランダはナイロ・キンタナ(コロンビア)やアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)らとグランツールのエースを担うことになるだろう。モビスターはランダの他にもフォルトゥネオ・オスカロのエドゥアルド・セプルベダ(アルゼンチン)らの獲得を発表している。

1989年12月13日生まれの27歳ランダは2010年にUCIコンチネンタルチームのオルベアでプロ入り。翌年から3年間エウスカルテル・エウスカディに所属し、2014年から2年間アスタナ、2016年から2年間チームスカイに所属した。

アスタナ時代の2015年にはジロ・デ・イタリアでファビオ・アル(イタリア)をアシストしながらステージ2勝を飾るとともに総合3位フィニッシュ。さらにブエルタ・ア・エスパーニャでステージ1勝を飾っている。チームスカイ移籍後の2016年にはジロ・デル・トレンティーノで総合優勝し、エースとして挑んだジロでは体調不良により途中リタイア。今年のジロでは落車の影響で総合成績を落としながらもステージ1勝をマークし、山岳賞を獲得している。続くツールでは抜群の登坂力を見せながらフルームを献身的にアシスト。総合3位とわずか1秒差の総合4位に入った。

ツール後も好調を維持したランダはクラシカ・サンセバスティアンでミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド)の優勝に大きく貢献。そしてブエルタ・ア・ブルゴスで総合優勝に輝いている。現在ランダは短期休養中で、10月のミラノ〜トリノとイル・ロンバルディアでシーズンを締めくくる予定だ。

2018年に向けてチームスカイからは山岳アシストが大量流出中。すでにミケル・ニエベ(スペイン)がオリカ・スコットへ、ピーター・ケニャック(イギリス)がボーラ・ハンスグローエへ、イアン・ボズウェル(アメリカ)がカチューシャ・アルペシンへの移籍を決めている。特に山岳アシストとして重責を担った「ダブルミケル」の移籍は5度目のツール制覇を目指すフルームの戦略に影響を及ぼしそうだ。

7分18秒遅れでフィニッシュしたミケル・ランダ(スペイン、アスタナ)とファビオ・アル(イタリア、アスタナ)7分18秒遅れでフィニッシュしたミケル・ランダ(スペイン、アスタナ)とファビオ・アル(イタリア、アスタナ) photo:Kei Tsuji気にせず先に行くことをニエベとロペスガルシアに促すミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ)気にせず先に行くことをニエベとロペスガルシアに促すミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ) photo:Kei Tsuji
空を見上げ、独走でフィニッシュするミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ)空を見上げ、独走でフィニッシュするミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ) photo:Kei Tsuji / TDWsport総合優勝を果たしたミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ)総合優勝を果たしたミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ) photo:www.vueltaburgos.com

text:Kei Tsuji